じじぃの「科学・芸術_619_絵本『飛行士と星の王子さま サン=テグジュペリの生涯』」

Peter Sis - Le Pilote et le Petit Prince 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Aj8oY_3rOpo

飛行士と星の王子さま: サン=テグジュペリの生涯 (児童書) ピーター・シス(文・絵)、原田勝(訳) 2015/8 Amazon
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリは、飛行機が発明された19世紀の終わりに、フランスに生まれました。
飛ぶことにあこがれ、飛行機で郵便を運ぶパイロットの第一人者となります。そしてアフリカや南米に新たなルートを開拓していきます。多くの人に今も愛され続けている『星の王子さま』を生み出したサン=テグジュペリの生涯を、緻密なイラストで細部まで織り上げた美しい絵本。

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『13歳からの絵本ガイド YAのための100冊』 金原瑞人ひこ・田中/著 西村書店 2018年発行
『飛行士と星の王子さま サン=テグジュペリの生涯』 空の冒険家サン=テグジュペリの一生 ピーター・シス(文・絵)、原田勝(訳) より
1900年に生まれたアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリは12歳のとき、空を飛ぶための機械を作って失敗する。しかし空を飛びたい気持ちをおさえることはできず、軍隊に入ると航空隊を志願して飛行機の操縦を習い、その後、航空会社で整備士として働き、やがて単独飛行で郵便物を運ぶことになる。そのとき親友に、地図だけに頼るな、地上の風景に従え、と教えられる。
まず数ページで、ここまでが語られ、それといっしょに軟らかく細かい絵で、飛行機開発の歴史や、アントワーヌの学校時代から短編小説を書きまでの主要な出来事が紹介される。そして次の見開きには、いきなり大きく茶色の大地が広がっている。山も台地もすべて、いろんな人の顔や手や足、動物の顔や姿だ。文字はない。こんなふうに細かい記述のページとダイナミックなページが交互に、読者をアントワーヌの生きた世界、アントワーヌのみた世界に連れていく。
1935年、パリーサイゴン間の最速飛行記録を打ち立てようとして、リビア砂漠に墜落したり、第二次世界大戦中、空からドイツ軍の破壊行為を目にしたり、北アフリカの部隊にもどったりと、まさに空の冒険家といっていい。
「酸素マスクをつけていても、飛行中に本を読むことをやめなかった」アントワーヌの一生がファンタスティックな絵で描かれている。