じじぃの「科学・芸術_578_長谷川眞理子『ダーウィンの足跡を訪ねて』」

生物学の統合的理論としての進化 @ NIG International symposium 2017 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Qqv67hxdx8k
ダーウインの生家

100分 de 名著 名著46 種の起源 第4回 進化論の「今」と「未来」 2015年8月26日 NHK Eテレ
【司会】伊集院光武内陶子 【ゲスト講師】長谷川眞理子総合研究大学院大学教授)
種の起源」の中でダーウィンは、一つの巨大な生命観を提示する。全ての生物は「生命の樹」といわれる一つの巨大な連鎖でつながっており、人間もその一部にすぎないと説く。人間には他の生物を意のままに操る権利などはなく、互いに尊重し共存していかなければならないというのがダーウィンのメッセージだった。そして「種の起源」以降、ダーウィンは、その研究の対象を人間へと広げていく。それは現代の人間観にも大きな影響を与えている。一方で、「進化論」は「人種差別」「強者の論理」などを肯定するイデオロギーだという誤解も絶えない。果たして「進化論」が生み出した人間観とは何だったのか?第4回は、「進化論」にまつわる数々の誤解を解くとともに、現代の人間観にとって「進化論」がどのような意味をもっているかを解き明かしていく。
類人猿(ゴリラ、チンパンジー)のマキャベリ知性仮説(集団社会生活を営む中で、同種他個体に対する戦略的欺きによって脳の進化が促されたとする)について紹介している。
http://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/46_kigen/index.html
ダーウィンの足跡を訪ねて 集英社新書 長谷川 眞理子 Amazon
写真多数掲載! 実際にたどった天才科学者の足跡。
ダーウィンゆかりの地をめぐる楽しい旅とともに、その思索と生涯、いまも変わらぬ魅力が浮かび上がる。長年かけてそれぞれの土地を実際に訪れた人気科学者が、多数の写真でおくるカラー新書。

                          • -

『図書館で出会える100冊』 田中共子/著 岩波ジュニア新書 2009年発行
ダーウィンの足跡を訪ねて』 集英社新書 長谷川眞理子 より
科学の分野に特別の関心がなくても、「ダーウインの進化論」と『種の起源』は聞いたことがあるでしょう。ほかにも、黒い帽子に白い眉とひげの肖像。『ビーグル号航海記』。ガラパゴス島に生息する動物たちを思い浮かべる人もいると思います。それでは著者がダーウインの本を書くことになったきっかけは、どういうものだったのでしょうか。動物行動学、行動生態学を専門とする著者は、ダーウインとのかかわりが深いイギリスのケンブリッジ大学大学で、研究生活を送っていたことがありました。その頃、進化理論の勉強とともに、ダーウインという人物に興味をもつようになったと言います。そこで、滞在しているケンブリッジを拠点に、ダーウインにゆかりのある土地を訪ね歩くようになりました。
まず、はじめに訪ねたのは、生まれ故郷のシュルーズベリの町でした。生家の「マウント屋敷」、洗礼を受けた教会、通っていたパブリックスクールなどを2度にわたって見てまわりました。生家はもうダーウィン家のものではありませんでしたが、申し込めば案内してくれます。屋敷の内部は、ビクトリア朝の世界そのものだったと感激したようです。それ以来、ダーウインが住んだところや行ったところを訪ね、実際に歩いてみました。関係のある人に会い、話が聞けたこともあります。
こうして機会をつくっては各地をまわった記録を雑誌に掲載しました。これを1冊にまとめるにあたり、ダーウインの人生が年代順に整理されて並べられています。手書き風の地図や写真がたくさんありますが、主要な場所を効率よくまわるためのガイドブックではありません。今から200年前に生まれた、ひとりの科学者の偉大な業績と生涯をたどるフィールドワークです。