じじぃの「科学・芸術_567_ごみゼロ社会への道」

「ごみゼロを目指す町」編 - 映画『MOTTAINAIキッチン』ロケハンの様子 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=KhqAVSaJuJ8

クローズアップ現代+ 「もう限界!? 行き場を失う大量のペットボトルごみ “中国ショック“の波紋」 2018年5月21日 NHK
【キャスター】武田真一、田中泉 【ゲスト】劉庭秀(東北大学教授)、原田禎夫大阪商業大学准教授)
年々増え続けるペットボトルなどのプラスチックごみ。それが今年(2018年)に入って、突然行き場を失う事態になった。世界中から資源ごみや廃プラスチックを受け入れていた中国が輸入を禁止したためだ。中国の廃棄物研究者はこう言い放つ。
「ゴミを中国に輸出して自分の国を綺麗にしても中国が汚れます。この先も輸入禁止の解除はありえません」
では私たち消費者には何ができるのか。ごみ問題に詳しい東北大学大学院の劉庭秀教授は「リサイクルへの過信」を見直す意識改革が必要だと訴える。
https://www.nhk.or.jp/gendai/kiji/098/
『新版 ごみから地球を考える』 八太昭道/著 岩波ジュニア新書 2006年発行
地球を救う政治と技術 より
人は毎日、学校で、オフィスで、お店で、工場で、畑や海で仕事をしています。仕事をするということは、生産活動にたずさわることです。そして生産することは、同時に「ごみ」を出すことです。問題はそのごみにどう対処してゆくかです。
仕事をするときに求められることは、生産性、つまり一定時間あたりでみたときに、いかに能率よく情報を得るか、いかに多くのものをつくるか、いかによい品質のものにするかといったことです。
仕事をする人はその人にとって最適な条件を追求します。会社は、その会社として1番いい条件を追求しますし、学校は学校として、商店は商店として、工場は工場としての最適化を追求します。つまりみんなが生産性を上げるということを考えています。私たちはそういうなかで仕事をしているわけです。
あなたは今、本を読みながら、地球の未来を考えるという知的生産活動をしています。そして少し疲れたので読むのをやめて、冷蔵庫からペットボトルを出してウーロン茶をゆっくりと飲みながら頭を休めます。そして、飲み終わったら再び新鮮な気持ちになって読書を続けます。ところでこうしたあなたの知的生産活動によって、あなたは少なくとも1本のペットボトルのごみの原因者になったわけです。ペットボトルをつくるために資源が使われたでしょうし、ごみとなったペットボトルを処理するためにエネルギーが使われるでしょう。あなたは地球環境に悪い影響を与えているのです。
といって、何もしないのが1番いいかというと、それもまたおかしな話です。あなたがこの本を読んで、ごみゼロ社会に向けてなんらかの行動を起こしたとすればどうでしょう。あなたは今、ごみを出しながら、ごみを出さないための知的生産活動をしていることになります。
このように、人間はよりよく生きようとして何かをします。そうすると、資源を使い、有限な環境を食いつぶしていく、そして、このことが究極的にはよりよく生きようという思いと対立してくるという矛盾のなかで生産活動をしているのです。
ごみを減らすことはどんな仕事のなかでもできます。
仕事を通して資源を節約し、地球環境を守るために何をしたらいいのか考えていくことが、これからますます大切になるでしょう。ごみリサイクルを担当する人は、21世紀の企業では最先端の仕事を担当する人といっていいでしょう。
「ごみゼロ社会」は、現在の「使い捨て社会」と正反対の社会です。そこを目指すためには、発想を大胆に変えていかなければなりません。あらゆる仕事の分野で、その必要性はますます強くなってくるでしょう。有限な地球環境のなかで、人類がこれから永続的に生きていくために、企業は何をしたらいいか、毎日の仕事のなかで、自分の問題として取り組んでいくことが求められるでしょう。