じじぃの「死に至る選択・ワクチンには完全なエビデンスがない?反ワクチン運動の真実」

How Risky Are Vaccines? 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=NaGndICPT8I

『反ワクチン運動の真実 死に至る選択』 2018年05月13日 HONZ
●訳者あとがき
ワクチンの専門家として医療と政府機関の両方に広い人脈を持つオフィットだが、こうした書籍の著者として、またワクチンについての科学的なエビデンスに基づく信頼できる情報発信者として、全国の子を持つ親の間では抜群の知名度を誇る。
反ワクチン運動支持者からは不倶戴天の敵として名指しで非難され続けているオフィットだが、病気や虐待から子どもを守ろうとする親たちの活動には助力を惜しまない気さくな人柄と、たとえ親と対立してでも子供に病苦を味合わせたくないという小児科医らしい熱意に「わがヒーロー」と慕うファンも多い。
http://honz.jp/articles/-/44748
『反ワクチン運動の真実: 死に至る選択』 ポール・オフィット/著、ナカイ・サヤカ/訳 地人書館 2018年発行
天使も絶望の涙を流す より
バーバラ・ロー・フィッシャー(作家)が『ワクチン・ルーレット』を見る1年前の1981年、最初のB型肺炎ワクチンが許可された。子どもへの定期接種は推奨されなかった。政府公衆衛生部門の理屈は病気を押さえ込む最良の方法は、感染の可能性が高い人たちにワクチンを推奨することだというものだった。具体的には感染した人と性交渉を持つ人々、中でも男性間性交者(Men who have Sex with Men / MSM)、感染力を持った人と知らずに接する医療介護関係者、注射器を使う麻薬使用者、囚人、用具を十分消毒せずに複数のお客に使う場所で入れ墨をする人なのだ。1981年から1991年までワクチンが推奨されたのはこうしたリスクが特に高い人に対してだけだった。
残念ながらこの戦略は大失敗で、B型肝炎ウイルス感染の発生率は変わらなかった。そこで政府職員は計画の第2段階を開始した。B型肝炎ワクチンの3回接種を全ての乳児に推奨したのだ。1回は生まれてすぐに接種される。
新しいB型肝炎ワクチン政策に対する一般の反応は悪夢のようだった。ワクチンが当初囚人や注射器で麻薬を使う人、男性と性交渉を持つ男性に推奨されたため「穢らわしい」ものとみなされた。とても乳児に打つようなものではないと見られてしまったのだ。フィッシャーはこの認識をてこにワクチンが慢性疾患を引き起こすという自説を広めようとした。
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フィッシャーが最初に賛否を投票するように依頼されたワクチンは肺炎球菌ワクチンだった。1999年に安全性と効果に関するすべてのデータを受け取ったあとに、委員たちは票を投じた。結果は11対1で、許可に賛成だった。唯一の反対票はバーバラ・ロー・フィッシャーだった。FDAは全会一致であることを必要条件としてこなかったので、2000年1月にワクチンを許可した。シカゴ大学小児病院の小児科教授ロバート・ダウムは「子どもたちの健康のために非常に大きな一歩だと思う」と言ったが、フィッシャーは賛成しなかった。「このワクチンの安全性について十分なエビデンスがありません」と彼女は言い、「ここで行われているのは、つまり市販後の実験に過ぎません」とも言った。
2009年までに1億本近い肺炎球菌ワクチンがアメリカの子どもたちに接種された。その結果、肺炎球菌が起こす病気は劇的に減った。今は肺炎球菌によって髄膜炎、肺炎、敗血症になる子も非常に少なくなった。そして、その子たちが誰かを知ることはないが、肺炎球菌ワクチンのおかげで死なずにすんだ子も何百人もいる。それだけではない。ワクチンのおかげで鼻や喉に肺炎球菌を常在させている子が減ったので、子どもたちの祖父母のような高齢者にも利益があった。最後にバーバラ・ロー・フィッシャーとバート・クラッセンが何百万人というテレビ視聴者の前で予言した慢性疾患も確認されることはなかった。
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フィッシャーの監視下で許可され、そして大いなる怒りを買ったもう1つのワクチンは、子宮頸がんの原因だとわかっているヒトパピローウイルス(HPV)を予防するものだ。子宮頸がんは珍しいがんで、毎年アメリカ女性1万人がかかり、4000人が死亡している。困ったことに約30の異なった系統のHPVががんの原因となっている。だが幸いワクチンに含まれている2系統で症例の70%を防ぐことができる。そしてHPVは子宮頸がんの原因である唯一のワクチンで、他に子宮頸がんを引き起こすウイルスはない。だからHPVワクチンは人の命を救う目覚ましい進歩だった。
HPVワクチンは新ワクチンだが、これを産みだした戦略は新しいものではない。これにより20年前にB型肝炎ワクチンを作り出すのに使われた技術と同じもので作り出された。CDC(アメリカ疾病管理予防センター)が成人女性とティーンエイジの女子に推奨を始めた2006年までにHPVワクチンは7年間で3万人以上の女性でテストされた。注射部位の痛みと圧痛と、時折起こる失神の他にワクチンには深刻な副作用副作用は見られなかった。だが、HPVワクチンを打倒すると決意したバーバラ・ロー・フィッシャーは、またしてもこれは必要のないワクチンで製薬会社がデータをねじ曲げたと主張した。
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ヒブ、肺炎球菌、B型肺炎のワクチンの時と同じように、フィッシャーはHPVワクチンが慢性の重度障害を起こすと主張した。少女たちがワクチンのせいで麻痺し、死亡していると報告し、死亡原因は血栓による脳卒中や心臓麻痺だと言っていた。CBSの日曜午前中のワイドショー『サンデーモーニング』で、フィッシャーはコメンテーターのチャールズ・オズグッドと何百万というテレビ視聴者に「これは障害や死のリスクがある干渉です」と話した。CDCの専門家は、一般の人々に不安が広がるのに対応して、1万件以上のVAERSへの報告を分析してHPVワクチンが問題を起こしているらしき(不運な最初のロタウイルスワクチンで見られたような)パターンがないかを検討した。麻痺の報告を検討した結果「HPVワクチンによってギランバレー症候群(GBSは麻痺を起こす稀は病気)の発生率が少女や女性の間で人口あたりの一般的な自然発生率よりも増えているという兆候はない」との結論になった。またワクチン接種後すぐに死亡した27人のカルテを検証したが、ワクチンが原因だったと考えられるようなものは何もなかった。死亡原因は糖尿病の合併症や心臓病、ウイルス性感染症、細菌性髄膜炎、薬物過剰摂取、ピルが原因に血栓てんかんがある人が発作を起こしたなどだった。HPVワクチン接種後の死亡数はワクチン接種開始前の人口あたりの死亡数と変わらなかった。フィッシャーは信じなかった。ブログに「ワクチン接種後障害や死があるたびに医者や製薬会社の重役が”偶然”という弁明を演じるが、いいかげん古くて非科学的だ」「これほど長い間、この弁明で逃げ切ってきたのには驚嘆させられる」と書いている。
フィッシャーのHPVワクチンについてのコメントで1番不誠実なものは、これでがんになるかもしれないというものだろう。「何人(の少女)が不妊やがん、遺伝子異常になるのだろう。メルクが製品の添付文書でこれらについては研究していないと認めているのだ」。フィッシャーはHPV感染ががんに繋がることは知っていた。だからワクチンでもがんになりかもしれないと不安を煽ったのだ。だがHPVは、自らの遺伝子のうちの2つを子宮を覆う細胞の中に組み込むことでがんを起こす。HPVワクチンにはウイルスの遺伝子は含まれていないのでワクチンががんを引き起こすことは不可能なのだ。

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どうでもいい、じじぃの日記。
ポール・オフィット著『反ワクチン運動の真実: 死に至る選択』という本は、ある著名な作家が書籍やテレビなどを通じて、誤った「反ワクチン運動」を展開したことでいかに多くの人が犠牲になったかを、暴いた内容になっている。
「このワクチンの安全性について十分なエビデンスがありません」
ワクチンにもいろいろタイプはあるのかもしれないが、彼女が訴えたワクチンの副作用とかは実際にはなかったのだ。
日本でも百日咳ワクチンがこの「反ワクチン運動」の影響を受けて一時中止になり、数百名が死亡しているのだそうだ。
HPVワクチンは日本で現在接種可能になっているが、厚生労働省の推奨差し控えで、利用は限定されたものになっているという。