じじぃの「科学・芸術_484_永遠に時間が進まない無限時間」

When Will Time End? 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=GOa2L8_IAnQ
無限時間へ

【ガチ】「宇宙と時間は同じことを無限に繰り返している」物理学者が断言! デジャヴの原因は“サイクリック宇宙論”にあった!? 2017.07.25 TOCANA
ある時、ふと過去に全く同じことをしたと感じることはないだろうか? それはもしかしたら、宇宙と時間が永遠に繰り返されているからかもしれない。
http://tocana.jp/2017/07/post_13944_entry.html
『僕がロボットをつくる理由-未来の生き方を日常からデザインする』 石黒浩/著 世界思想社 2018年発行
機械と人の影 より
――先生が信じているものは、なんですか?
 科学です。自分のやっている研究、つまり自分ですね。僕がやっている科学や技術の研究も、先はどうなるかわからないけれど、研究員とかは信じてついてくるわけじゃないですか。ある意味、宗教の信仰みたいなものですよね。
 宗教を求める人というのは、「世の中のことがわからなくて不安でしょうがないから、答えを教えてください」って言ってるわけですよね。僕は「それはわからないから、わからないままにして、ちゃんと自分で考えましょう」と言って、研究を続けているんです。それが僕の答えであって、「僕のところに来たら幸せになります」とは言わないです。
 宗教の話でいうと、仏教にはとてもシンパシーを感じます。仏教は精神論ですからね。僕は「自分とは何か」とか「人間とは何か」といった問いの答えをさぐるために研究をしていますが、そのときに仏教の考え方はぴったりくる。仏教がめざす、何もない無の境地に立つというのは、姿形ではなくて、自分とは何かを考え続ける、問い続けるという精神活動が、いちばん重要なんです。
 僕のアンドロイド研究が、仏教に相通じるものがあると浄土真宗の研究所からも言われました。その研究所に呼ばれて、仏教系の大学で講演をしたこともあります。ご本尊を開帳してみんなでお祈りしたあと、僕の話ですからね。講演というより説法の状態でした。
 ほかの宗教は神様がいるので、違うんですよ。仏教には神様がいないんです。仏様はもともと人間です。仏様は天地を創造したわけじゃなくて、心の中にある存在じゃないですか。自分の中に世界があるというのが仏教の考え方です。いろんな人との関わりを通して、自分の姿がだんだん立ち上がってくる。見えるようになってくる。それって、ロボットは人を映し出す鏡だという、僕の持っている精神と一緒だと思います。
――仏教には輪廻転生という考え方がありますが、先生は、死んだらどうなると思いますか。
 無限時間の中に入っていく、と考えています。死ぬときって脳の活動が衰えていくじゃないですか。そうすると、感じる時間がどんどん長くなるんですよ。僕らがどうやって時間を感じるかというと、脳が時を刻んでるからです。この世界を認識しているのも脳ですからね。脳が機能を停止していくと、時間の流れは無限に長くなる。
 だから死ぬということは、永遠に時間が進まない無限時間の中に入ることなんですよ。あと1秒で死にますという瞬間に、その1秒を時計の針が刻まなくなる。「死にました」って感覚はないんです。相対的に脳が感じるのは、永遠の命なんですよ。だから死ぬのは怖くない。時間が止まるだけですよ。
 寝るのと同じような感覚なんじゃないですかね。寝ると意識がなくなりますけど、怖くもなんともないですよね。夢を見ているときは違いますが、寝たときもほぼ、感覚的には無限時間に入ります。「いつの間にか寝てた」って思ったりしますよね。あれが死ぬということに近いのかなと思うんですよ。
 僕の祖母が大往生だったんですね。前の晩までみんなと普通にしゃべっていて、「今日はちょっと早めに寝るわ」とか言って、次の朝、起きてこなかっただけなんですよ。だから楽だったでしょうね。ああいう死に方はいいですよね。