じじぃの「科学・芸術_448_おいしさの秘密・油脂」

人体 神秘の巨大ネットワ―ク第2集「“脂肪と筋肉”が命を守る20171105 動画 Dailymotion
http://www.dailymotion.com/video/x67tgiy
 オリーブオイル

NHKスペシャル 「シリーズ人体〜神秘の巨大ネットワーク〜」 2017年11月5日
【MC】タモリ山中伸弥京都大学iPS細胞研究所所長)
●驚きのパワー!“脂肪と筋肉”が命を守る
体中の臓器がお互いに情報を交換することで私達の体は成り立っている。そんな新しい「人体観」を、最先端の電子顕微鏡映像やコンピュータグラフィックスを駆使しながらお伝えする、シリーズ「人体」。
第2集のテーマは“脂肪と筋肉”です。なぜダイエットに失敗するのか、メタボリックシンドロームはなぜ怖いのか。最新科学が、その本当の理由を、明らかにしていきます。単に体を覆っているだけだと思ったら大間違い。脂肪が、脳や免疫をコントロールしたり、筋肉の働きが、記憶力の増強やがん予防と関わっていたりする可能性も報告され始めています。さらには、現代人の体の中で、そんな脂肪と筋肉の働きに深刻な異常が起きていることも明らかに。
健康な人の体内では、脂肪細胞に中性脂肪が蓄えられるにつれて、「レプチン」と呼ばれるメッセージ物質が放出されます。この物質は、いわば「エネルギーは十分たまっているよ!」という、脂肪細胞からのメッセージを伝える働きをします。放出されたレプチンは、血液の流れに乗って、脳の中心部にある視床下部というところに到達し、そこの神経細胞の表面に並んだアンテナのような“受容体”と呼ばれる装置で受け取られます。すると、脳は「もう食べなくていい」と判断し、食欲を抑える指令を伝えるのです。こうして、レプチンの働きによって、私たちの食欲は適切にコントロールされています。
https://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20171105
ニューズウィーク日本版 2017年7月18日号』
認知症予防は「万能」オリーブオイルで より
野菜や果物たっぷり、オリーブオイルに新鮮な魚――。地中海沿岸の伝統料理が健康にいいことは以前から知られている。心臓病や脳卒中のリスクを減らし、認知症のリスクを低下させる効果もあるという。
米神経学会のオンライン学術誌に掲載された論文によれば、米テンプル大学の研究チームは地中海食によく使われるエクストラバージンオリーブオイル(果実を搾って濾過しただけで化学処理を行わない)に注目。認知機能低下を予防し、記憶を保持する仕組みを突き止めた。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/07/post-7995.php
『「おいしさ」の科学 素材の秘密・味わいを生み出す技術』 佐藤成美/著 ブルーバックス 2018年発行
調味料 より
パンにバターやマーガリンをぬったり、サラダにドレッシングをかけたりすると、風味が増しておいしくなります。また、天ぷら、フライ、ポテトチップスなど揚げ物はカロリーが高そうだと思ってもついつい食べてしまいます。このように油脂は、食品の口ざわりを変え、独特の風味を与えます。油脂そのものに味はありませんが、油脂を加えると食品は格段においしくなります。その理由は、味物質と油脂が共存したときに苦味や酸味などの不快な味を抑え、うま味や甘味などの後味を持続させる役割をしているためではないかと考えられます。
脂肪分の多い牛乳のほうがコクを感じられるように、油脂が加わるとコクや濃厚感が加わります。油脂は水に溶けないので、食品中でエマルジョンを作ります。食品の中で油中水滴型(W/O型)のエマルジョンができると濃厚に感じ、水中水滴型(O/W型)のエマルジョンではまろやかに感じます。どちらのエマルジョンの形で共存するかによって、味わいが微妙に異なるようです。
油脂は冷えると固まり、温めると溶けます。溶けるときの温度を融点といいます。油脂の種類により融点が異なります。大豆油やなたね油などの植物油は融点が低いので常温で液体ですが、ラードやバターなど動物の脂は融点が高く常温で固体のものが多いです。定義はありませんが常温で液体のものを油、個体のものを脂として区別することが多いです。油脂を構成する脂肪酸は種類によって融点が異なり、融点の低い脂肪酸が多いか少ないかが油脂の性質を決めています。サラダ油は大豆油やなたね油などの植物油を精製したもので、使いやすいように固まりやすい成分を除去してあります。そのためいつでも透明でさらさらなのです。オリーブ油など精製していない油脂は、融点が高く固まりやすい脂肪酸も混じっているので、冬になると白濁していることがあります。
食品中の油脂の融点は食品の口当たりに関わり、おいしさに大きく影響します。霜降り牛肉のやわらかさは筋肉中の脂肪組織によるものですが、加熱調理をして溶けた脂肪が肉になめらかな感触を与え、食べたときにおいしさとコクを感じさせます。