じじぃの「科学・芸術_445_驚異の知能・カラスの葬式」

Magpie Death Ritual 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=60Zg9sGnQf8
仲間の死を悼むカラス?

カードを使って電車に乗ろうとしたカラス
券売機を観察して人間の行動を真似していると見られるカラスの動画が話題に。
「学習能力高すぎ」「そろそろ進化するのでは」。
https://twitter.com/kinoshi42155049/status/991275842897494016/video/1
カラスは仲間が亡くなるとお葬式をする?その真相と驚くべき知能と社会性が明らかに(米研究) 2015年10月21日 カラパイア
カラスは仲間が亡くなるとお葬式をするという都市伝説がある。
実際にカラスは仲間が死んだ場所に集まってくることは確認されている。
ワシントン大学で環境科学の博士号を取得中のカエリ・スイフト氏によると、カラス、カケス、カササギ、大型のカラスなど、頭のいいカラス科の鳥は、仲間が倒れるとお互いを呼び合い、死んだ仲間の周辺に集まる習慣があるという。
http://karapaia.com/archives/52203179.html
『鳥!驚異の知能 道具をつくり、心を読み、確率を理解する』 ジェニファー・アッカーマン/著、鍛原多惠子/訳 ブルーバックス 2018年発行
カラスの葬式 より
鳥が仲間の死を悼むのかどうかについて、結論はまだ出ていない。しかし、その可能性を認めてもいいと考える科学者が増えつつある。
コロラド大学の名誉教授マーク・ベコフは、ホイットビー・オーデュボン協会の元協会長ヴィンセント・ハーゲルの話をしてくれる。ハーゲルが友人宅を訪れたとき、台所の窓の外に死んだカラスが見えた。「12羽のカラスが死んだカラスのまわりを円を描くようにチョンチョンと跳んでいました」とハーゲルは語る。「1〜2分後、あるカラスが数秒どこかへ飛んでいったかと思うと、小さな小枝か乾いた草のようなものを持って戻ってきました。そのカラスは小枝を死体の上に落として飛び去りました。それから1羽、また1羽と順番に短いあいだどこかへ飛び去って戻ってくると、草か小枝を死体の上に落として飛び去りました。最後にみないなくなると、死体には小枝がたくさんかけられていました。全体でおそらく4〜5分のことだったと思います」
私はこれと似たような話をたくさん聞いたことがある。ゴルフボールにあたってカラスが死んだあと、ゴルフコースを囲む木々にカラスが鈴なりになった話、変圧器の上に巣をかけていたつがいのワタリガラスが感電死したとき、数分でおびただしい数のワタリガラスが集まってきた話。著書の『世界一賢い鳥、カラスの科学』でジョン・マーズラフとトニー・エンジェルは、カラスは仲間が死ぬと「かならず」周囲に集まってくると述べている。この反応は情動的というよりは社会的かもしれない、と彼らは示唆する。つまりカラスは、仲間を失ったことで集団の階層構造にできる穴(残されたパートナーや縄張り)を埋める作業をしているのかもしれない、というのだ。さらにカリフォルニア大学ディヴィス校のテリーザ・イグレシアスが示唆するように、死んだカラスと同じ運命にならないような手立てを考えているのかもしれない。死んだカラスを手にした人間を見るとカラスの海馬が活性化されるのは、彼らが人間の危険性について学んでいる証拠であることを、マーズラフは証明した。「カラスやワタリガラスが死んだ仲間のまわりに集まるのは、仲間の死の原因と結果を知ることが自分の生存にとって重要だからだ」とマーズラフとエンジェルは書く。「私たちは、死んだカラスのパートナーと家族は死んだカラスを悼んでいるとも考えている」
私もそうではないかと思う。愛、欺瞞、そしてパートナーが食べたいと思っている物を知る事と同様、死んだ者を悼む気持ちは人間だけのものではないはずだ。