じじぃの「人の生きざま_772_劉・自鴻(起業家・有機ディスプレイ)」

About Royole Corporation 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Z0vOonGc-W0
ROYOLE 劉自鴻

世界を変える、中国の革新のチカラ 2017年12月22日 SciencePortal China
2012年に当時29歳だった劉自鴻氏は数人の仲間とともに、米シリコンバレー・香港・深圳で同時に柔宇科技を起業し、柔軟性電子技術の開発と応用に取り組んだ。劉氏は深圳で、この企業がわずか5年も経たないうちにアイデアを現実に変え、時価総額30億ドル以上、世界で最も急成長する「ユニコーン」企業の一つになるのを見守ってきた。
劉氏は、「当社は技術革新を通じ、人々に世界をよりよく感知してもらいたい」と述べた。同社は2014年に世界の業界で最も薄型の、厚さわずか0.01ミリのカラー柔軟性ディスプレイを発表し、かつ新型柔軟性電子センサー、Royole Moon 3Dヘッドセット型シアターなどの製品を開発した。国内外で1500件以上の知的財産権を有し、製品を20以上の国と地域に販売している。
中国は長期的に世界産業チェーンの川中・川下に位置しており、労働・資源集約型製品を大量生産し輸出し、発展のために資源と環境を犠牲にしていた。そのため、革新駆動型発展の道を歩むことが必要となっている。
http://www.spc.jst.go.jp/news/171203/topic_5_04.html
『Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)』 2018年3月号
●有望企業を独占取材 「中国スタートアップ」世界最先端の秘密
https://www.fujisan.co.jp/product/1281695714/new/
2018年3月号 Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
ROYOLE キーボードやボタンはいよいよ”過去”のものになる より
風に舞うほど薄いフルカラーのディスプレイ――。ビル・リウ(34)の脳裏にそのアイデアがひらめいたのは2006年、米スタンフォード大学の博士課程に在籍中のことだった。
「キャンパスの芝生に寝転んで研究テーマを何にしようかと考えていた。当時はiPhoneが発表される少し前で、モバイルの画面はどんどん小型化が進んでいた。けれど、大きな画面にもメリットはあるはずだ。折り曲げ可能で自由自在に形を変えられるディスプレイがあれば人々の暮らしを根本的に変えるものになると思った」
インターネット黎明期の中国に育ち、北京の清華大学を05年に卒業。いまや企業価格30億ドルを超える企業「Royole」を12年に深圳で創業したリウは、成功する起業家に必須の「正しい時間に正しい場所で(Right time right place)」という条件を具現化した人物だ。
「当時の担当教授はてきさす・インスツルメンツの元CEOだった人。ディスプレイのアイデアを話したらやってみろよって言われた。当時のスタンフォードはグーグルの創業者らを送り出したばかりで新たなイノベーションを生み出す熱気にあふれていた。世界中から若い才能が集まり、大学の周囲にはベンチャー投資会社(VC)があり、次の時代をつくろうとしていた。まさに理想的な時期、場所だった。
「Royole」が誇るテクノロジーは、薄さ0.01mmの有機ディスプレイだ。玉ネギの皮のように薄いフイルムに半導体を埋め込む技術の根本には、化学や物理学、そして電子部品の製造に関する膨大な知識の集積がある。
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Royoleのディスプレイはスマホに限らず、ウェアラブル端末やスマート家電、業務用のタッチスクリーンなど、なまざまな分野に適用可能。チャイナモバイルや中国南方航空、中国のスポーツ衣料大手とも製品化に向けた最終調整が進んでいる。
「Royoleの強みはスタートアップとして、次世代のプロダクトにフォーカスして技術を磨き上げてきたこと。そして、世界のどの企業よりも早くフレキシブル・ディスプレイを発表したことで、多くのメーカーやブランドとのコンタクトが生まれ、今後数年の需要とトレンドを正確に把握できた。この分野での優位性には絶対的な自信がある。
わずか5人で始まった企業が数年のうちに1,000人を超える規模に成長した。リウは次のように言う。
清華大学の校訓は『言葉よりも行動を』。そして、スタンフォード大学のモットーは『自由の風を吹かせろ』。この2つの信念がいまの自分をつくっている」