じじぃの「科学・芸術_355_ギャップ・イヤー」

Can Do - volunteer opportunities for disabled people 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=bggeiHfLe10
海外ボランティア

ギャップイヤーを利用した海外ボランティア・インターンシップ Projects Abroad
「ギャップイヤー」とは、英国で広まった制度で、高校と大学、大学在学中の1年間など、学生生活の間に1年の休学期間を設け、語学留学や海外旅行、ボランティア活動やインターン等をしながら世界を知り、社会経験を積み、異文化経験をし、視野を広めるのに充てる時間をいいます。
https://www.projects-abroad.jp/about-us/faqs/gap-year-abroad/
『感動する脳』 茂木健一郎/著 PHP研究所 2007年発行
ギャップ・イヤーという考え方 より
日本社会の中では、どこかの組織に所属していて一人前という考え方があります。たとえ1ヵ月でもブラブラしていようものなら、それでもう人生のフェアウェイには戻ることができない。そういう社会に慣れてしまったら、なかなか自由な発想ができなくなるものです。
私はイギリスに留学している時、ギャップ・イヤーという概念に出会いました。イギリスでは高校を卒業して大学に入る前に、約1年間どこにも属さずに過ごします。この1年間は高校生でもなく大学生でもなく、さりとて浪人生というわけでもありません。とにかく自分の意志に従ってボランティア活動をしたり、あるいは世界中を旅したりということに時間を使うのです。
このギャップ・イヤーという制度は、イギリスの中では非常に普及している制度です。高速道路のサービス・エリアなどに入っても、そこにはギャップ・イヤー用の保険のパンフレットなどが置かれています。「あなたのお子さんのギャップ・イヤーは大丈夫ですか?」なんていううたい文句が書かれていたりする。また、ギャップ・イヤーのためのガイドブックなども常に書店に並んでいたりもします。
そしてこれは高校生が大学に入る前の1年間だけでなく、大学を卒業してから就職する前に1年間のギャップ・イヤーを持ったり、あるいは就職してからも途中で1年の空白をつくる人もたくさんいます。ちなみに故・ダイアナ妃とチャールズ皇太子の息子、ウイリアム王子は高校を卒業してからペルーに行き、ボランティア活動をしていました。
この制度から見ても分かるように、欧米ではどこかの組織に属することは、人生の選択肢の1つに過ぎないのです。組織に属さないで生活する生き方もたくさんあるし、時期によって属したり属しなかったりという選択肢もある。要するに自分はどういう人生を歩みたいのか、今の自分は何がやりたいのか、常にそれを自分に問いかけながら生き方を選択していく。そういう自由があり、その自由さを国全体が認めているということです。
日本の場合はこの選択肢が非常に少ない。たとえば会社を辞めてフリーランスになるということは、明らかに一方通行であり片道切符になります。何年間かフリーでやって、再び会社に入るということはなかなかできない。運よく戻れたとしても、そこには大きなペナルティが待っている。給料は明らかに下がるし、なかなか重要な仕事も回ってこない。それは空白の何年間を、会社がマイナスにしか見ないからです。会社ですごく1年間よりも、明らかに多くの経験を積んでいるにもかかわらず、その部分への評価はなされないというのが現状でしょう。
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ならば、個人的にそれをやってみてはいかがでしょう。ギャップ・イヤーは無理だとしても、ギャップ・デイならばできるかもしれない。もっと言うなら、1日の中でギャップ・アワーをつくってみる。いつも組織の中にいるという考え方を少し横に置いて、今日は会社と関係ない。この1時間だけはオレは○○会社の人間ではない。そういう自由な意識を持つことで、普段では使わない脳が働いたりするものです。会社脳から個人脳に移行する時間。そんな時間をつくってみてはいかがでしょう。