じじぃの「科学・芸術_335_氷床コア・気候変動」

グリーンランドで氷床の融解が加速 そのメカニズムが明らかに 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=OBByxVIO3XQ
氷床コア掘削 (arcs-pro.jp HPより)

全面溶解したグリーンランドの氷

グリーンランド内陸部、気候・氷床変動研究の最前線を日本の報道機関が初取材 2017年7月18日 ArCS 北極域研究推進プロジェクト
ArCSの国際共同研究推進メニューのひとつ、テーマ2「グリーンランドにおける気候・氷床変動」では、グリーンランド最大の氷流(NEGIS)の上流部で実施される国際深層掘削計画(East Greenland Ice Core Project, EGRIP)に参加し、デンマーク、米国、ノルウェー、フランス、スイス等と共同研究を行います。
本格的な氷床コアの掘削が行われる2017年度は4月下旬〜8月上旬にかけて7名の日本人研究者がEGRIPに滞在し、各種フィールド調査を行っています。
ボーリングで円柱状の氷のサンプル(氷床コア)を採取します。数年後には一番下、つまり2600メートル下の岩盤まで掘る予定で、それにより取得できる氷床コアは5万年分の情報を含んでいます。また、現代社会の人々の生活がグリーンランドの氷床に与える影響を調べるために、過去数百年などの比較的短い時間スケールでの変化を分析するための氷床コア掘削も行っています。
https://www.arcs-pro.jp/topics/20170718.html
不都合な真実2』 アル・ゴア/著、枝廣淳子/訳 実業之日本社 2017年発行
なぜ科学者は、それほど強く感じているのだろうか より
気候が変動すれば、風や海洋のさなざまなパターンも変化し、植物や動物の分布も変わってくる。だからこそ、米国環境庁EPA)では、地表温度や鳥の越冬地域、沿岸の洪水など、37のさまざまな気候変動の指標を、陸上と水上で追跡してきた。収集データを統合すると、気候の実態と、地球のあらゆるシステムに対する影響の変化を見ることができる。しかし、このデータはどこからくるのだろうか? どのような測定機器が用いられているのだろうか? 簡単に言えば、気候に現在何が起こりつつあるか、そして過去に何が起こったかを、私たちは実際にどのようにして知るのだろうか?
手始めに、氷床コアを説明しよう。この長い氷の円柱は、氷河や、グリーンランドや南極を覆っている氷冠から掘り出される。その最下部の層は、何千年も前のものである。実際、記録上最も古い南極からの氷床コアは、80万年前にさかのぼるものだ。米国の国立氷床コア研究所には、世界中から集められた述べ1万7000メートルを超える氷があり、地球の気候史を理解するために用いることができる。氷の層には、雪が降ったときに雪によって閉じ込められた小さな気泡が保存されているのだ。この気泡に含まれるさまざまな酸素同位体の割合を測定することで、科学者は、1年ごとの大気中の二酸化炭素含有量と閉じ込められた空気の温度を再現できる。
科学者たちは、氷床コアのおかげで過去何千年もの記録を構築できる一方、高度な近代化ツールを用いることで現在と未来の気候パターンをよりよく理解することができる。米国航空宇宙局(NASA)は、幅広い気候情報を収集する何基もの人工衛星を運用している。たとえば、観測衛星グレイスのミッションは、徐々に後退してゆく棚氷を驚くほど詳細に記録しており、他方、観測衛星ジエイソンジ3、OSTM/エイソンジ2、エイソンジ1のミッションは、海面上昇を追跡している。1992年以来、海面は平均8センチメートルほど上昇している。