じじぃの「科学・芸術_215_ロシア人気質」

Old Russian Ladies beat each other with their Hand Bags 動画 Youtube
https://www.youtube.com/watch?v=OHtzD1-XkuE
イコン (聖像画)

バーブシカ

ロシア男性の25%が55歳未満で死亡:原因は「ウォッカ 2014年2月4日 Huffington Post
ロシア人男性の飲酒量と、10年間での死亡率の間には関連性があることが、医学誌「ランセット」に発表された新たな研究から明らかになった。
研究によれば、現在ロシアでは、55歳未満で死亡する割合は4人に1人の25%だという。英国はわずか7%だ。
http://www.huffingtonpost.jp/2014/02/03/vodka-russia-men-death_n_4720645.html
『ロシア人のまっかなホント』 エリザベス・ロバーツ/著、鎌田三平/訳 マクミランランゲージハウス 2000年発行
聖の極地 より
多くのロシア人にとって、信仰心は大切なものだ。まともな祖母なら誰しも孫がきちんと洗礼を受けるまで気が気でならない。
ロシア正教会はこれまで社会改革にも「善行」にもあまり関心を注いでこなかった。ところが、貧しい者に施しを与えるのは、いつの世にも、神の国に近づくための行いとみなされてきた。それも社会主義体制が打ち立てられるまでのことではあるが。今も教会の前には寄付を求めて人々が列をなしている。彼らはけっして施しを自分の懐だけに収めはしない。それがわかっているから、追い払う者もいない。
教会の内部は、ほの暗いなかに香のかおりが立ちこめ、ロウソクの揺らぐ灯が照らす先にはイコンが飾られている。無伴奏の聖歌が響きわたり、さながら天国にいるかのような思いに誘われる。燃料費にかかる付加価値税を攻撃する説教に聞き入る場所ではない。
イコンは、ロシア人にとって単なる飾り物ではない。それ自体が聖なる存在であり、彼等が崇めるイコンのなかには今も奇跡を起こす力を秘めていると信じられているものがある。1993年10月、ロシア総主数のアレクセイ2世がエリツィンの勝利を祝して赤の広場をパレードしたときの光景は今もロシア人の脳裏に焼きついている。
絶滅の恐れあり より
バーブシカはこの国のおむつみたいなものだ。フルシチョフ首相がかってこんなジョークを飛ばしたことがある。実際、ロシアではたいがい一家に一人はバーブシカ、つまりおばおばあちゃんがいる。血縁の有無にかかわらず。
バーブシカは頭にスカーフをかぶり、噂話にうつつを抜かし、せっせと教会へ足を運ぶ。どういうわけでか、普通のロシア人より背丈が低く、その分まるまると太っている。遠慮のない性格で、口うるさく、たとえ大統領といえども夜の帰りが遅くて足元がふらついていれば、世話焼きのバーブシカにこってり油を搾られることだろう。
そういえば、以前は共産党の書記長と政治局員たちも高齢だった。彼らが特殊な一団を形成していたのは互いの脛(すね)の傷なら何でも知っていたからで、脛の傷がひそかに始末した政敵の死体であっても不思議はなかった。今は牢獄で不遇をかこっているか、快適なマンションやダーチャで悠々自適の日々を過ごしている。
老人たちは、ときどき赤旗を押したて、デモ行進に繰り出す。(たとえば5月1日のメーデー、11月7日の革命記念日に。)若かりし頃を懐かしみ、19世紀のドイツで花を咲かせたマルクス主義に思いを馳せて、革命歌を口ずさみながら。
老いた指導者が実験を振るう伝統は1970年代から80年代にかけてピークに達した。
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老骨に鞭打って働くのは勇退を知らず、むろん年金も支給されないからだが、老人にしてみれば、仕事は1日のつましい糧と話し相手と8時間座って過ごせる心地よい場所を漏れなく提供してくれる。ところが最近、ロシアの全土で平均寿命が縮みだしている。情け容赦のない公害、放射性降下物などの天災もしくは人災が理由のひとつである。この国の老人には近い将来、絶滅の恐れがある。