じじぃの「科学・芸術_173_中国と北朝鮮の関係」

北朝鮮が中国を激烈に非難 20170226 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=12TNXQiFko4
中国と北朝鮮の微妙な関係

中国は北にどこまで経済制裁をするか? 2017年5月1日 ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
●中朝貿易には政府レベルと辺境レベルがある
ひところテレビでよく見られたロシア国境でのごった返した市民レベルの貿易や北朝鮮国境の延辺などにおける光景が、その最たる例である。本来は20キロ以内となっていたが、どんどん広がっていき、2000年には中朝貿易は、たとえば一般貿易「90」に対して辺境貿易は「3,000」に達するに至っている。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/05/post-7530.php?utm_source=antenna
ワイドスクランブル 2017年5月16日 テレビ朝日
【司会】橋本大二郎大下容子 【コメンテーター】遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)
●国境封鎖&同盟破棄も 北朝鮮に中国「最後のカード」
中国の「一帯一路」サミットの直前にミサイル発射した北朝鮮に対して、中国は今後どう出るのか。
習近平の怒りたるや、尋常ではないに違いない。
残されている手段は ①国境封鎖、②断油、③中朝軍事同盟の破棄だ。
今、辺境貿易ではかなり民間で自由に貿易が行われている。国境封鎖はこれを止める効果がある。
第三次世界大戦に発展しない範囲内で、これまで見せつけてきたカードを、実際に切る以外にないところに、今度は中国が追い詰められた。
http://www.tv-asahi.co.jp/scramble/
『現代中国を知るための40章【第4版】』 高井潔司、藤野彰、曽根康雄/編著 赤石書店 2012年発行
朝鮮半島との微妙な関係 (一部抜粋しています)
北朝鮮朝鮮民主主義人民共和国)の最高指導者、金正日朝鮮労働党総書記が2011年12月17日、心筋梗塞のため、69歳で急死した。父親の金日成主席が1994年7月に死去して以降、約17年間にわたって独裁権力をもって北朝鮮に君臨してきた金総書記の死は、東アジア情勢の行方に不透明感を投げかけただけでなく、中朝関係にも流動的な要素を増大させた。金総書記死亡によって北朝鮮は三男の金正恩党中央軍事委員会副委員長をトップとする統治体制へ移行したが、三世代におよぶ世襲という異常な権力継承のもとで北朝鮮が安定を維持できるかどうかは最大の支援国である中国の対応にかかっている。
     ・
北朝鮮の食糧危機が深刻化した1990年代半ばごろから、いわゆる「脱北者」が急増し、中国国内に潜り込んだ後、各国大使館、総領事館などに駆け込む事件が相次いだ。2002年5月には在瀋陽日本総領事館に亡命を求めて駆け込んだ脱北者5人が中国の武装警察官に連行される事件が発生、日中間で外交問題化した。中国領内に潜伏している脱北者は相当数に上ると推測されているが、中国は経済的理由による不法入境者と見なし、難民とは認定していない。
一方、北朝鮮は国際的孤立と経済困難を顧みずに、体制生き残りの切り札にしようと、核・ミサイル開発を推進し、中国との摩擦を増大させた。2003年8月、中国をホスト役として北朝鮮の核問題解決を目指す6ヵ国協議がスタートし、北朝鮮は一時、すべての核兵器および既存の核計画の放棄に同意したにもかかわらず、テポドンなど弾道ミサイル発射実験、核実験と挑発的な行為に走り、中国の神経を逆撫でした。
     ・
北朝鮮に対する中国の「本音」は外部からはなかなか見えにくいが、中国戦略管理研究会が編集・発行する専門誌「戦略と管理」(2004年第4期)が注目すべき北朝鮮批判論文を掲載したことがある(王忠文・天津社会科学院対外経済研究所研究員)。要点は以下のような内容である。
①近年の自然災害で人民の生活は困苦を極めているが、(金正日は)家族による世襲統治を維持するため、極左政治と政治迫害を大々的に行っている。
②中国がこれまで行った政治的支持と経済援助に対し、いささかも感激の気持ちを表さない。国際問題においては、つねに中朝友好を無視し、肝心要のときに、中国を十分理解し、全面的に支持するということができない。このような性質の国を、中国が全面的に支持する道義的責任はない。
北朝鮮は無責任な行動によってしばしば中米関係の改善を妨げている。重要なときに、より大きな争いを平気で引き起こし、米国と対抗する受け身の立場に中国を引きずり込む。悪辣な下心がある。中国は警戒心を持ち、それを防ぎ止めなければならない。
北朝鮮の核開発は、国際社会に対する蔑視と挑発である。中国は朝鮮半島の非核化を主張し続け、米国と国際社会を支持して朝鮮問題を平和解決しなければならない。
⑤新たな理念をもって北東アジア情勢を見つめ直し、中国の根本的国益に最も合致する外交政策をとらなければならない。
この論文が中国当局の対北朝鮮政策の新たな観点を反映していると速断することはできない。ただ、少なくとも中国側関係者の北朝鮮観の本音部分を、ある程度代弁していると解釈することは可能であろう。こうした考えが中国側の一定範囲内で共有されているとすれば、「中朝友好」を演出する表の顔と、「北朝鮮不信」の裏の顔の落差は、じつのところ、かなり大きいと想像される。