じじぃの「科学・芸術_113_セルオートマトン法(避難行動のシミュレーション)」

traffic jam 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=RoXSrXzuqZM
人の流れ セルオートマトン (jsme.or.jp HPより)

セルオートマトン法を用いた避難行動のモデル化と予測 TED Plaza
まずはじめに,セルオートマトン法の解析手法について説明する。
https://www.jsme.or.jp/ted/NL49/plaza/yamamoto.html
『スウガクって、なんの役に立ちますか 数学は最強の問題解決のツール』 杉原厚吉/著 誠文堂新光社 2017年発行
地震だ、逃げ方をシミュレーション (一部抜粋しています)
毎年9月1日は防災の日ですし、11月5日は津波防災の日と定められています。9月1日は1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大地震にちなんだもので、それ以外にも立春から数えて210日にあたり、台風到来などに備えようという意味があるようです。また、11月5日は1854年安政元年)の安政南海地震(前日に安政東海地震が発生)によって大津波和歌山県広村(現・広川町)を襲い、庄屋の浜口梧陵が稲わらに火をつけ、人々を高台に誘導して命を救ったという「稲むらの火」にちなんだものとされています。
最近では2011年の3.11以来、各自治会、町内会でも驚くほど防災訓練が活発化しています。そんなとき、特に建物から外へ出る避難の場合には、たいてい「あわてず、落ちついて、普通に歩いて避難しましょう」といっているのですが、そんなことで実践的な訓練になるのかどうかと疑問に思うでしょう。訓練ではなく、本当に起きたなら、みんな猛ダッシュで逃げ出したくなるはずなのに……。
そこで、スウガク的な視点から「効率的な避難方法」を考えてみることにしましよう。
いま、たくさんの人が建物から外へ避難しようとして、全速力でいっせいに出口へ向かったとすると、出口付近では大混雑になり、人と人とがぶっかって、人の流れが止まってしまいます。そのうえ、全速力であわてて走ると、若い人でも階段などで転ぶ危険性もあります。まして、ご老人、幼児など年齢の違う老若男女が混ざっていると、全速力で足るのは他の人を倒す危険性もあり、決してよい非難の方法ではありません。
ということで、むしろ、普通に整然と歩くのが最も効率のよい非難の仕方といえるのです。「なるほど、そうかもしれないが、本当にそういえるのか?」と疑問に感じる人も多いでしょう。けれども、次の説明をすれば納得できるのではないでしょうか。
図(画像参照)に示すように、四角のマスが一列に並んだ図形を考えます。これは細長い廊下を表していると思ってください。右端が出口で、それぞれのマスは一人の人が占める空間の広さを表し、○はそこに人が人が一人いることを表しています。
     ・
図の表現は、廊下を人が左から右へ移動する状況を表わすと考えることができます。移動のルールは、「前が空いていれば進めるが、前が詰まっていたら空くまで待たなければならない」ことを表しています。人の動きをこのような図で表す表現は「セルオートマトンと呼ばれます。