じじぃの「生きとし生けるもの・環世界とは?フューチャー・マインド」

ふるさと創生のフロンティをめざして〜オギュスタン・ベルク「環世界学」との対話 動画 YouTube
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生物から見た世界 (岩波文庫 honto本の通販ストア
ユクスキュルはスピノザ主義者だと聞いたことがあり、スピノザを敬愛する者には本書は重要であるが、尊敬する日高敏隆さんの生物学に決定的な影響を与えた一書であると後書きで知って以後、わたしの興味は倍化した。しかしながら、重大問題発生。わたしは生物学にまったく疎く、適切な書評者たりえないのだ。例によって引用に次ぐ引用で本書の驚くべきコンセプトの一部を紹介するしかない。
ある事象を観察する者がいて、その世界内に起こっていることとしてある事象が理解され、事象の構成要素xもyも観察者の世界内においてあり、事象と観察者を含んだ世界の完全な一致と唯一性が信じられている。ところが本書の環世界はこのような見方を真っ向否定している。
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『フューチャー・オブ・マインド 心の未来を科学する』 ミチオ・カク/著、 斉藤隆央/訳 NHK出版 2015年発行
エイリアンの心 (一部抜粋しています)
1匹に犬が飼い主を捜しながら道を歩いていて、道が三つ叉になった場所にさしかかる。犬はまず左の道へ進むが、あたりのにおいを嗅ぎ、飼い主がその道に行かなかったとわかると引き返す。それから右の道へ進み、においを嗅ぎ、飼い主がこの道にも行っていないことを知る。ところが次は、犬はにおいを嗅がずに、意気揚々と真ん中の道へ進む。
このとき犬の心のなかで何が起きていたのか? この疑問に取り組んだ偉大な哲学者もいたが、うまくいかなかった。フランスの哲学者で随筆家でもあったミシェル・ド・モンテーニュは、明らかに犬は唯一考えられる答えが真ん中の道だと判断しており、その判断は犬に抽象的な思考が可能なことを示すものだ、と記している。
だが、13世紀に聖トマス・アクィナスは、反対の主張をした――抽象的な思考に見えるが、正真正銘の思考とは違う、と。われわれは見せかけの知性に騙されることがある、と彼は言った。
数世紀後にも、ジョン・ロックとジョージ・バークリーとのあいだで、動物の意識について有名なやりとりが交わされた。「動物は抽象せず」とロックはきっぱりと言った。それに対し、バークリー主教はこう応じた。「動物は抽象せずという事実をたてにとって、これを動物と人間を区別する性質であるとしてしまうと、人間として通用している人のうちから、動物として勘定しなければならない人がたくさんでてくるではないか」[両者の発言は『エデンの恐竜』(長野敬訳、秀潤社)より引用]
哲学者は昔から、この問題を同じ方法で分析しようとしてきた。人間の意識を犬に押しつけてきたのだ。これは、擬人化という間違いを犯している。動物がわれわれのように考えて振る舞うと見なす誤りだ。ひょっとしたら、真の解決策は、かなり異なるであろう犬の視点からこの問題を見ることなのかもしれない。
第2章で私がおこなった意識の定義では、動物は、連続的に進化を遂げた意識の一部にあたるとした。動物は、われわれとは違うパラメータを使って、世界のモデルを構築する。ディヴィッド・イーグマン博士によると、心理学者はこれを「環世界」と呼んでいるらしい。環世界とは、ほかの動物によって知覚される現実のことである。彼はこう述べている。「何も見えず、何も聞こえないダニの世界では、重要な信号は温度と酩酸臭だ。ブラック・ゴースト・ナイフフィッシュにとっては電場であり、反響定位を行うコウモリにとっては空気圧縮波である。生物はそれぞれ独自の環世界をもっていて、おそらくそれが『外に』実在する現実のすべてだと思い込んでいる」[『意識は傍観者である』(太田直子訳、早川書房)より引用]
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人類を検討してみると、少なくとも3つの基本要素によって、知能を持つ準備が整ったことがわかる。
 1.ほかの指と向かい合わせにできる親指。このおかげで、道具を使って環境を操作したり作り変えたりできる。
 2.ハンター(狩猟者)の立体視。つまり三次元でとらえる目。
 3.言語。このおかげで、世代を超えて知識や文化や知恵を蓄積できる。
これら3つの要素を動物界に見られる特徴と照らし合わせると、この知能基準を満たす動物はほとんどいないことがわかる。たとえば猫や犬には、物をつかむ能力も複雑な言語もない。タコは巧みな触腕を持っているが、目はよく見えないし、複雑な言語も持たない。
この3つの基準には、バリエーションも考えられる・ほかの指と向かい合わせにできる親指の代わりに、エイリアンは鈎爪や触腕を持っているかもしれない(ただひとつの必要条件は、そうした外肢が作った道具によって、環境や操作できなくてはならないということだ)。また、ふたつの目でなく、昆虫のようにもっと多くの目を持っているかもしれない。あるいは、可視光ではなく、音や紫外線を感知するセンサーを持っているかもしれない。捕食者は概して被食者より知能のレベルが高いので、おそらくエイリアンはハンターの立体視もできるだろう。さらに、音を利用する言語の変わりに、違ったタイプの振動でコミュニケーションを図っている可能性もある(ただひとつの必要条件は、仲間同士で情報を交換して、何世代にもわたって文化を作り出すということだ)。

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どうでもいい、じじぃの日記。
ミチオ・カク著『フューチャー・オブ・マインド 心の未来を科学する』という本に「環世界」というのがあった。
著者のミチオ・カクはNHK 「白熱教室」、モーガン・フリーマンが語る「時空を超えて」によく登場する。
環世界・・・環境世界とも訳される。 すべての動物はそれぞれに種特有の知覚世界をもって生きており、その主体として行動しているという考えのこと
環世界によれば、おのおのの生物種はその種に固有の環世界に生きている。
この世に生きているすべてのものに、優劣をつけるのは間違いということか。