じじぃの「未解決ファイル_267_年代測定法(水月湖)」

奇跡が生んだ世界の標準時計 福井県水月湖 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=zK5Aaeyysok
水月湖 断面説明図 

道徳資料 世界の標準時計になった水月湖の「年縞」 福井県ホームページ
本県の水月湖でボーリング調査が行われ、世界でも貴重な年縞が発見されました。2013年9月、水月湖の年縞は、世界で発掘される遺物などの年代を測定する基準として使われることになりました。
http://www.pref.fukui.lg.jp/doc/shizen/satoyama-e-program/nenkou.html
サイエンスZERO 「クジラ生態調査からがん治療まで! “炭素14”新時代!」 (追加) 2017年3月5日 NHK Eテレ
【司会】南沢奈央竹内薫 【ゲスト】横山祐典 (東京大学大気海洋研究所教授)
年代測定で知られる「炭素14」が、いま大進化! 測定精度が向上し、南極の巨大氷床が崩壊した年代が1万年も修正されるなど、歴史の修正が相次いでいる。
また、新たな使い方も始まった。医療の分野では、薬に炭素14を組み込むことで、体内での動きを追跡。抗がん剤治療に期待が集まっている。さらに海洋生物学の分野では、魚の体内に蓄積された炭素14を見ることで、クジラの生態調査に応用!
世界最大の棚氷(たなごおり)である南極のロス棚氷が約5,000年前に大崩壊し、その原因が大気と海洋の温度上昇である可能性が高いことを、東京大学大気海洋研究所と海洋研究開発機構の研究グループが明らかにした。
http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp574.html
放射性炭素年代測定 ウィキペディアWikipedia)より
放射性炭素年代測定(radiocarbon dating)は、自然の生物圏内において放射性同位体である炭素14 (14C) の存在比率が1兆個につき1個のレベルで一定に保たれていることを基礎とする動植物の遺骸を使用する年代測定方法である。無機物及び金属では測定が出来ない。
【年縞堆積物】
穏やかな水底(淡水および海水)に堆積した物質の縞模様のうち、年毎に一定の層序を保ち堆積した物は年縞堆積物と呼ばれ正確な年代を決定できる。主な、採集地は以下である。
・ドイツ中部のアイフェル地方にある湖沼群(完新世と晩氷期
ベネズエラ沖のカリアコ海盆の堆積物(晩氷期以降の時代)
福井県水月湖約7万年分

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『時を刻む湖――7万枚の地層に挑んだ科学者たち』 中川毅/著 岩波書店 2015年発行
プロローグ より
「サイエンス」誌に論文が掲載されたとき、著者が独自に記者会見を開くことはめずらしくない。だがこのときの会見は、発行元であるAAAS自身によって開催された。来日した代表者によれば、AAASが会見を主催することは多くても年に10回程度しかなく、日本での開催は史上初だったそうだ。小惑星探査機「はやぶさ」が、小惑星イトカワ」から持ち帰った資料の分析結果が特集号あつかいで発表されたときですら、「サイエンス」誌は日本での記者会見を開いてはいない。
水月湖とは、いったいどういう湖なのだろう。翌日の朝日新聞の見出しはこうである。
「福井の湖 考古学の標準時に 過去5万年 誤差は170年」
また、時事通信はこう報じている。
「世界一精密な年代目盛り=福井・水月湖、堆積物5万年分――日欧チーム」
湖が「標準時」であるとは、またその目盛が「世界一精密」であり、しかも「5万年」もの時間にかかわっているとは、いったいどういうことなのだろう。
とても長い時間をはかる より
北川浩之が当時、日文研の若手の助手であったことはすでに述べた。採用されたのは1991年だから、その直後から水月湖の試掘にかかわっていたことになる。その前は名古屋大学の博士課程の大学院生であり、屋久杉の年齢と 14C年代の研究をしていた。あとで振り返れば、北川のこの経験が、水月湖研究の方向性を決める上で決定的な下地になったことは明らかだ。だが、日文研に着任した時点で北川がそんなことを意図していたわけではもちろんない。
最初に水月湖の年縞を目にしたとき、北川にはそれがまるで年輪のように見えたのだろう。そして、学界の懸案事項だった 14C年代較正のことが頭に浮かんだ。年縞は1年に1枚形成される薄い層である。それを1枚ずつすべて数え上げることができれば、年輪と同様に年代決定ができる。水月湖の年縞は45メートルも積み重なっている。1枚の暑さは1ミリメートルにも満たないから、 14C年代測定の限界に相当する5万年前に届いている可能性がきわめて高い。
しかも水月湖の年縞堆積物の中には、湖底に沈んだ落ち葉が分解されずに残っている。樹木の葉は、光合成によって空気中の二酸化炭素だけを固定しているので、サンゴのように古い炭素が混入することがない。つまり樹木年輪と同様に、補正を必要としないフレッシュな 14C年代を測定することができる。

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どうでもいい、じじぃの日記。
福井県水月湖は世界一精密な年代目盛りなのだそうだ。
調査当時、年縞堆積物を使った年代測定方法はまだ確立されていなかった。
水月湖のものと同じようなのがベネズエラ沖のカリアコ海盆の堆積物があるが、水月湖の年代目盛りのほうがより正確なのだとか。
2つを比べることにより気候変動のメカニズムを解き明かすことができる。
名古屋大学教授の北川浩之さんが、一枚一枚、計4万枚数えたそうだ。