じじぃの「CP対称性の破れ・反物質を発見すればノーベル賞もの!5つの謎からわかる宇宙」

T2K ニュートリノで迫る宇宙の謎 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=UrZ0by6cJZk
「対生成」と「対消滅 (habane8 HPより)

クローズアップ現代 「チームでつかんだノーベル賞 〜日本の物理学が切り開く未来〜」 (追加) 2015年12月3日 NHK
【キャスター】国谷裕子 【専門家ゲスト】立花隆(ジャーナリスト)
12月に行われるノーベル賞授賞式、物理学賞に輝いた梶田隆章さんの研究は、物理学の常識「標準理論」に修正を迫る大発見だが、道のりは簡単ではなかった。1988年小柴昌俊さんのもとで、観測データと理論値のわずかなズレに気づいた梶田さんは、その謎を解明する研究に取り組む。
今回の研究は、宇宙の起源を解き明かす新たな粒子の発見や物質世界を説明する「大統一理論」につながるとされる。
ニュートリノはこれまで幽霊粒子と呼ばれていたが、質量が分かったことでこれまでの常識が覆ることになり、世界中のあらゆる学者が新しい理論を発表し続けている。
現在、標準理論とニュートリノに質量があることを統合した数式を作る議論がなされている。有力視されている「シーソー機構」について解説した。今回の発見を受けて、宇宙を観測できる範囲がさらに広がる可能性があるという。感度の高いカムランドにより、日本のありとあらゆる粒子を観測することができる。
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3743.html
梶田氏に続け 東北大、カムランドに期待
小柴昌俊・東大特別栄誉教授、梶田隆章・東大宇宙線研究所長に続け−。素粒子ニュートリノ」研究で再び日本人が獲得したノーベル物理学賞に、最新の観測装置「カムランド」(岐阜県飛騨市神岡町)を擁する東北大が飛躍を誓っている。
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201510/20151007_13062.html
『5つの謎からわかる宇宙 ダークマターから超対称性理論まで』 荒舩良孝/著 平凡社 2013年発行
物質をつくる素粒子の話 (一部抜粋しています)
素粒子の世界では「対称性」という言葉がよく出てくる。そして、大切な対称性の1つに「CP対称性」というのがあるんだ。宇宙が生まれた直後にはこのCP対称性が保たれていたけど、これがある時期に崩れてしまったと考えられている。物理学者たちは、このことを「CP対称性の破れ」といっている。
CP対称性の破れが起こることで、今、俺たちがいる宇宙がつくられるようになったといわれているんだ。でも、なぜCP対称性が破られるようになったのかが、うまく説明できなかった。この問題を解決するために考えられたのが小林=益川理論というわけ。小林博士と益川博士は、CP対称性の破れを起こすためには、クォークが6種類以上なければいけないと結論づけた。
実験をしていくうちに、小林博士と益川博士が予想した通り、クォークは6種類見つかった。さらに、電子の仲間のタウと、ニュートリノの仲間のタウニュートリノがそれぞれ見つかり、物質に関する素粒子は全部で12種類あることがわかってきた。
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エネルギーから素粒子がつくられるときには、必ずペアになる反粒子と一緒に生まれる。これを「対生成」という。そして、素粒子がペアとなる反粒子と出会うと素粒子反粒子も消滅してしまい、エネルギーに戻ってしまう。これを「対消滅」というんだ。
クォークをはじめ、物質をつくる素粒子にはすべて反粒子があって、ビッグバン直後に素粒子が誕生したときには反粒子も一緒に生成した。素粒子たちは、宇宙空間の中を自由に飛びまわっていたので、ペアとなる反粒子と出会い対消滅することもある。そして生まれたエネルギーから、また新しい素粒子反粒子が対生成をする。こんな風にビッグバン直後には対生成と対消滅があちこちで起きて、ずいぶんにぎやかな状態が続いたはずだ。
「先生、でも、それっておかしくないですか。素粒子反粒子が対生成して、対消滅したら、結局何も残らないでしょ。そうしたら、星も何もできないんじゃないですか」
なかなか鋭いところをつくな。まさにその通りなんだ。素粒子反粒子が対生成と対消滅を繰り返すだけだったら、今のように、素粒子でできた星や銀河は生まれていない。もちろん、地球も人間も存在しないことになる。
でも、実際にはこの宇宙には素粒子はたくさんあるし、反粒子はほとんど見あたらない。ということは、どこかの時点で、反粒子だけが消滅して、物質のもととなる素粒子だけが生き残ったことになる。
「でも、どうしたらそんなことが起こるんだろう」
その謎を解くカギを握っているのが、CP対称性の破れなんだ。
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ビッグバンによって素粒子反粒子が10億個ずつ誕生していたとすると、今生き残っている素粒子はその中のたった2個分らしい。
「そんなに少ないんだ。残りの素粒子はどこにいったんだろう」
それは反粒子とぶつかって対消滅してしまったんだよ。数も大切だけど、ここで重要なのは素粒子が2個生き残るために、10億個あった反粒子の中の1個が素粒子に変化したということなんだ。そういうことが起こらない限り、そう粒子だけが生き残ることは考えにくい。だから、どこかのタイミングで、反粒子素粒子に変わる出来事があったはずなんだ。もっとも、反粒子素粒子に変化するなんてただごとじゃ」ないから、頻雑に起こる必要はなくて、10億個のうちの1個だけでも、変化すればいいんだよ。そうすれば、9億9999万9999個の素粒子反粒子が消滅しても、素粒子は2個生き残るからね。

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どうでもいい、じじぃの日記。
宇宙が始まったといわれるビッグバン直後には、多くの反粒子が存在していたらしい。その後、粒子と反粒子がぶつかり合いエネルギーを放出して消滅していった。
しかし、仮にそのようにして粒子と反粒子が消滅したとすると、双方との同じ数だけ消滅するはずなのだが、現在の宇宙のように通常の物質だけが残っている。
なぜ、現在の我々の宇宙が反物質の存在しない世界になっているのかは謎が多い。
素粒子の中でニュートリノは、この宇宙の謎を解明するうえでキー・ポイントになっているらしい。