じじぃの「人の生きざま_549_西原・理恵子(漫画家)」

『スナックさいばら おんなのけものみち西原理恵子さんインタビュー 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=mCI5_DTtQak


スナックさいばら おんなのけものみち 西原理恵子の人生相談
http://www.kadokawa.co.jp/saibara/
西原理恵子 ウィキペディアWikipedia)より
西原 理恵子(さいばら りえこ、1964年11月1日 - )は、日本の漫画家。高知県高知市出身。通称「サイバラ」、「りえぞお」。1988年『ちくろ幼稚園』でデビュー。ギャンブルや、旅行体験レポートなど、実体験に基づいた大人向けギャグ漫画作品が多い。前夫はカメラマンの鴨志田穣。代表作は『ぼくんち』、『毎日かあさん』など多数。一般財団法人高須克弥記念財団理事長。

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『おもしろくても理科』 清水義範/著、西原理恵子/絵 講談社文庫 1994年発行
慣性の法則 (一部抜粋しています)
漫画家の西原理恵子さんが、週刊誌にエッセイを連載していて、これがなかなか面白い。麻雀ばっかりしている独身の変な漫画家の頭の中が、あまりにもとてつもなく奇妙で笑ってしまうのだ。
その、西原さんのエッセイの中に、次のような疑問を投げかけたものがあった。実は私にはずーっと不思議だったのだが、バカにされるかもしれないので人前では言えなかった疑問がある。こっそりきいて、何度教えてもらってもわからないのだ。思いきって言う。
走っている電車の中で飛びあがった時、どうして飛びあがったその、同じ地点におりてくるのだ。変じゃないか。
そういう疑問であった。実になんと言うか、おそろしい疑問である。どうおそろしいかというと、いやはや、いろいろな意味でおそろしい。そんなことがまだわからない人がいるのか、という気もする反面、いや実は、それが本当にわかっている人は案外少ないかもしれないぞ、とも思えるのだ。
つまり、西原さんが言うのはこういうことだ。
時速50キロとかで電車が一方向に走っている。その電車の中で、西原さんがおかっぱの髪をふり乱して真上にジャンプする。その時、西原さんは空中にいる。その間に電車だけは時速50キロで走るんだから、後部扉とかがグワーンと走ってきて、西原さんにぶち当たりそうなものではないか。それなのに、何事もなく、飛んだ地点に落下するのだ。変ではないか。
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もし慣性の法則がなければ、西原さんは電車の中だけではなく、新宿駅前でジャンプして、西口の高層ビルにぶち当たるであろう。
そして空気は地球にさわってないから関係ないもんね、ということなら、地球だけが空気を残して回転するわけだから、相対的に、ものすごい風である。台風どころの騒ぎではない。
多少の風はあるが、そんなすごい風はまあ吹いていない、というのは、空気が、地球といっしょに動いているからなのである(多少の、ゆらめきのような空気の動きは地球上にある。それが、ジェット気流などである。だが、おおむね、空気も地球といっしょに回転している)。
だから、ハエもチョウチョも、飛んでいられるのだ。慣性の法則で、空気も動いていてくれる(こっちの身になって見れば、動かないでくれる)から。
つまり、電車の中のハエも、やっぱり慣性の法則のおかげによって、自由に飛びまわっていられると言っても、いいのである。
うーむ。これはちょっとむつかしかったかなあ。どうでしたか。
あれ、西原さん眠っちゃっているがな。
ははは、冗談。
この話をするにあたって、一面識もない西原理恵子さんを、何のことわりもなく勝手に主人公にしてしまったことを、ご本人にお詫びいたします。