じじぃの「人の死にざま_1551_アルフレッド・ビネー(心理学者)」

Simple Math Test - 90% fail 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=W5-oiIW69RU
10 People With The Highest IQs in History 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=RenQiD7c0XY
ルフレッド・ビネー コトバンク より
ビネー(Alfred Binet)(1857〜1911)フランスの心理学者。シモンとともに知能検査を創始し、児童心理・教育心理の研究に貢献。著「知能の実験的研究」「新しい児童観」など。

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『双子の遺伝子』 ティム・スペクター/著、野中香方子/訳 ダイヤモンド社 2014年発行
成功者の「無名の双子」と意志の力 (一部抜粋しています)
遺伝子は、筋肉や神経、視力、聴力、全身の調和をコントロールしているが、それだけでは不十分だ。天才を秀才から隔てる何か、「優れた人」と「偉大な人」を隔てる何かが存在するはずだ。アイスホッケー界のスーパースター、ウェイン・グレツキーの次の言葉はよく知られている。「神がわたしに与えたのは才能ではない。おそらくそれは情熱である」。では、この情熱とはいったいどのようなものなのだろう?
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スポーツに限ったことではないが、双子が何らかの競技に挑戦し、一方がトップに上りつめ、もう一方がただうまいだけで終わった場合、何がその違いをもたらしたのかを見極めるのは難しい。関係がありそうなできごとを挙げることはできる。たとえば、ジョージは16歳の時にリウマチ熱にかかってトレーニングを休んだ。それが彼の運命を決めたのかもしれない。あるいは、リングサイドでふたりの切り傷を縫合したアルバイトの研修医の腕前(あるいはその稚拙さ)が影響したのかもしれない。実際、わたしの父親は身に覚えがあるそうだ。父はわたしと同じく、練習が足りないせいで外科医としての腕前がお粗末だったのである。
だが、もっとあり得そうなのは、双子たちの意欲に少々の違いがあったということだ。ヘンリーのほうが、ジョージよりも少しばかり意志が強く、勝ちたい気持ちがいくぶん強かったのではないだろうか。世界じゅうに一卵性双生児は1000万組以上いるが、ふたりそろって同じ分野でトップに上りつめた例はきわめて少ない。たとえばマリオ・アンドレッチ、ジュリー・ホール、キース・チュグウィン、ジョセフ・ファインズ、カーティス・ストレンジといった著名人には、無名の双子がいるのだ。意志の強さについては、後ほど検討しよう。
ビネー式の知能検査(IQテスト)は、20世紀初頭にフランスのルフレッド・ビネーが開発し、アメリカのルイス・ターマンが改訂して普及させて以来、100年近くにわたって、世界じゅうで広く用いられてきた。双子と養子の研究では、IQには遺伝子要素が強いという、政治的論争を招きそうな結果がはっきり出ているが、IQの価値に疑問を投げかける調査結果も集まりつつある。ある研究でIQテストが実地されている国の10年ごとの結果を見たところ、その平均値は上昇しつづけていた。また、幼い頃にIQテストでトップクラスの成績をあげた人を追跡調査したところ、その大半は、それほど成功しないまま人生を終えていた。さらに悩ましいのは、非常に貧しい児童や恵まれない児童では、IQの遺伝的影響がほとんどゼロになるという結果が出たことだ。
重要なのは、意欲ではないだろうか。最近の研究で2000人の児童について調べたところ、IQテストの高い得点は、意欲の強さと結びついていることが明らかになった。一方、得点の最低レベルだった児童は、意欲も低く、結局、自ら予測した通り、低い点数しか出せなかった。得点の高い児童は、賢い子だと思われたい気持ちが強かっただけなのかもしれない。IQテストは(ある人に言わせれば、人生もそうだが)、IQだけでなく、個性と環境のテストと考えていいだろう。
つまり、意欲は、数字として評価はされないが、成功するために不可欠な要素なのだ、意欲こそ、天才の鍵となるもの、すなわち、長時間に及ぶ退屈なトレーニングに耐えられる子どもと、気が散ってすぐ投げ出してしまう子どもの違いではないだろうか。