じじぃの「人の生きざま_524_大野・乾(生物学者)」

サイエンスZERO 「DNAの大事件! 生命進化の謎」20150726 動画 fc2
http://newskeimatomedouga.blog.fc2.com/blog-entry-34192.html
ヤツメウナギ

大野 乾の世界[科学エッセイ]
羊土社発行『実験医学』の編集顧問でありました米国シティオホープ研究所の大野乾先生が2000年の1月13日に亡くなられましたが、本書はその半年ほど前に行われたインタビューをまとめ(『実験医学』2002年10月号〜12月号掲載),また多くの内外の研究者の追悼の辞を掲載して1冊の書籍といたしました。
https://www.yodosha.co.jp/jikkenigaku/book/9784897063621/
大野乾 ウィキペディアWikipedia)より
大野 乾(おおの すすむ、1928年2月1日 - 2000年1月13日)は、日本の生物学者。「遺伝子重複説」や「X染色体上の遺伝子保存則(大野の法則)」の提唱で知られる。京畿道京城府(現大韓民国ソウル)生まれ。

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NHKスペシャル 「生命大躍進第1集 そして"目"が生まれた」 2015年5月10日
【番組ナビゲーター】新垣結衣
今から約5億年前、それまで目を持たなかった祖先が突如として精巧な目を持つように進化しました。
5億500万年前、カンブリア紀の海は命溢れる世界でした。地球に生命が誕生してから30億年以上もの長い間、生命はずっと目に見えないサイズの微生物にとどまっていました。ところがカンブリア紀に突如大きく複雑な姿をした動物へと進化しました。この動物時代の幕開けに王者として君臨したのがアノマロカリスです。左右に突き出た2つの複眼は一度に360度見渡せます。目は生き残りに欠かせない武器となっていました。
DNAの研究が進んでいます。植物と動物のDNAが合体して植物の光センサが動物にもたらされた。そして、目は第2の進化、くっきり見えるカメラ眼を手に入れました。
DNAが4倍になったことが、進化の大躍進を支えている、DNA研究の成果が紹介されます。
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2015/0510/
サイエンスZERO 「DNAの大事件! 生命進化の謎」 2015年7月26日 NHK Eテレ
【司会】竹内薫南沢奈央 【ゲスト】牧野能士(東北大学大学院生命科学研究科准教授)
近年、テクノロジーの発達により、人間をはじめ様々な生き物のDNAの解読が進められている。
その結果、驚くべき生命の進化の詳細な過程が明らかになってきた。これまで、地球の生命は40億年以上の長い時間を掛け、少しずつ姿を変えてきたと考えられていた。しかし、「目・手足の誕生」や「脳の巨大化」といった変化は、ある時期に、突如DNAが激変する事件が起きたというのだ。それを可能にした遺伝子重複の秘密に迫る!
大野の法則は、哺乳類のX染色体がDNA量および遺伝子に関して種を超えて保存されている、というもの。日本の生物学者大野乾が1967年に提唱した。
https://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp512.html
7月26日 NHK EテレサイエンスZERO』 「DNAの大事件! 生命進化の謎」 より
ヤツメウナギ脊椎動物で最初期に分岐した無顎類に属し、顎や対鰭を欠き一生脊索を保持する等の祖先的な特徴をもっています。
筑波大学の和田洋さんです。
和田さんたちはカメラ眼がどのようなメカニズムでできるのかを研究してきました。
ヤツメウナギの眼を薄くスライスし、眼のどの部分でどんな遺伝子が働いているのかを調べました。
そして、カメラ眼のスクリーンにあたる網膜の部分で全ゲノム重複で生まれた2つの遺伝子が巧妙な働きをしていることを発見しました。
EPH B 遺伝子とEPH C 遺伝子です。EPH B 遺伝子は眼が作られる際に網膜から延びる視神経を脳につなぐ役目をしています。
この遺伝子が正しく視神経をつなぎ、網膜の情報を脳に伝えないと、たとえ脳の網膜を視神経で結んでもものを正しく認識することはできません。
ヤツメウナギは全ゲノム重複で増えた2つのEPH遺伝子を使い、網膜の情報を脳に正しく伝えることができるようになりました。
一体これはどんな方法でしょうか。
網膜全体で見ると2つの遺伝子の働きの強さは場所によって差があることが分かりました。
実は、これこそがカメラ眼を実現するための鍵なのです。
2つを重ね合わせて、遺伝子の働きの強さを数字で表わしてみます。
眼が作られるときに、この網膜と脳を結ぶネットワークができたからこそ網膜のどの位置に何が映っているのかを正確に知ることができるようになったのです。
和田、「まさに遺伝子の数が増えたことが、我々の生きざまを躍進させる後押しをした」南沢、「全ゲノム重複の遺伝子が増えたおかげで、すごい進化をしたんですね」
竹内、「これが我々脊椎動物の大躍進の秘密だったんですね。こうやって獲得したカメラ眼はその後、恐竜とかほ乳類がもつようになったわけです」
南沢、「人間以外にも遺伝子が4倍になったことで、獲得した機能というのはあるんですか」
牧野、「顎であったり、手足などは全ゲノム重複の遺伝子が深く関わっています。全ゲノム重複に注目したのは日本の大野乾先生です。1970年代にすでに遺伝子の重複と進化について仮説を提唱しました。さらに全ゲノムDNAの研究が進んで大野先生の仮説が正しいことが分かってきたんです。全ゲノム重複後に消えずに残る遺伝子があると説明しましたが、今も残っている遺伝子を大野先生に敬意を表して『オオノログ』と呼んでいるんです」