じじぃの「未解決ファイル_251_レム睡眠と明晰夢」

How To Lucid Dream 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=3kJ5-ad5Mvk
明晰夢

サイエンスZERO 「記憶”のミステリー 〜最新脳科学が解き明かす記憶の正体〜」 (追加) 2016年2月28日 NHK Eテレ
【司会】竹内薫 (サイエンス作家)、南沢奈央 (女優)  【ゲスト】井ノ口馨 (富山大学大学院医学薬学研究部教授)
記憶はどこに保管され、どう思い出されているのか?
脳科学の長年の謎が、今、急速に解明されつつある。さらに記憶を人工的に作ったり切り離したりと、「記憶を操れる」可能性さえ見えてきたのだ。どうすれば記憶力がよくなるのか、といった素朴な疑問から医療への応用まで、新たなステージに入った“記憶”の科学。記憶の正体に迫る!
海馬の役割の解明に身を捧げた人がいました。
彼の名はヘンリー・モレゾン。重度のてんかんを患っていました。
当時決定的な治療法はなく、最後の望みがてんかんの原因とされる海馬を切除する手術でした。
主治医はやむなく海馬の摘出に踏み切りました。
手術後、ヘンリーの発作は激減。治療は成功したかに見えましたが、彼の脳に異変が起きていました。
するとその直後、僅か数分前の出来事さえ一切覚えられなくなっていたのです。
しかし、奇妙な事に家族の事や子どもの頃の思い出など手術前の記憶は残っていました。
日常生活も難なくこなせました。
このことから海馬の役割が判明します。
海馬に刻まれた新たな記憶。それは一体どのように大脳皮質へ転送されていくのか。
寝てる時に、海馬とそれから大脳皮質から神経細胞の活動を測定したんです。
すると、海馬の神経活動のすぐあとに大脳皮質でも同じような活動パターンが出てきたんです。
このような仕組みで、海馬から必要な情報を大脳皮質に移して場合によっては一生覚えてる記憶にする訳なんです。
http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp536.html
立花隆が神秘体験実験の被験者に!夢と意識の境界を探る 2015/03/26
3月26日(木)21時からNHKBS1で放送の『シリーズ 死ぬとき心はどうなるのか 立花隆臨死体験”を追う』。
死ぬとき心はどうなるのか〜この人類永遠の謎の探求は、死の間際に心が体を離れ神秘的な存在に出あうなどという「臨死体験」が大きな手がかりとなってきた。
今回注目するのは、多くの臨死体験者がその中で体験したという「神秘的な存在に出逢い至福の時間を過ごす」という神秘体験の謎。なぜ人の心は死の間際にそうした体験をするのだろうか。
現在「夢」、特に自分自身で夢そのものを操ることができる明晰夢の研究が進み、神秘体験の謎にメスが入り始めている。立花はその脳内メカニズムに迫る一方で、それをどう受け止めたらいいのか、人類の長年の思索に思いをいたす。
http://dogatch.jp/news/nhk/32164
明晰夢 ウィキペディアWikipedia)より
明晰夢(めいせきむ、英語:Lucid dreaming)とは、睡眠中にみる夢のうち、自分で夢であると自覚しながら見ている夢のことである。明晰夢の経験者はしばしば、夢の状況を自分の思い通りに変化させられると語っている。
【メカニズム】
これは、脳内において思考・意識・長期記憶などに関わる前頭葉などが、海馬などと連携して、覚醒時に入力された情報を整理する前段階(夢)において、前頭葉が半覚醒状態のために起こると考えられ、明晰夢の内容は見ている本人がある程度コントロールしたり、悪夢を自分に都合の良い内容(厳密に言えば無意識的な夢と意識的な想像の中間的な状態)に変えたり、思い描いた通りのことを(実現可能な範囲内で)覚醒時に体験したりすることが可能である。

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『死と神秘と夢のボーダーランド - 死ぬとき、脳はなにを感じるか』 ケヴィン・ネルソン/著、小松淳子/訳 インターシフト 20013年発行
夢と死のボーダーランド レム睡眠の侵入 (一部抜粋しています)
レム睡眠期には脊髄反射が抑制されて麻痺状態にあるため、夢で見ているとおりを行動に移すことはない(行動に移せてしまっては、夢を見ている人が危険だ)。夢と呼吸筋には影響はない。外界からの感覚は遮断される。
レム睡眠と夢が何のために存在するかはほとんど手づかずの謎のままだが、レム睡眠が生命維持に不可欠なのは確かだ。レム睡眠が起こらなくなると、断食した場合よりも早く死に至る。それを考えると、レム睡眠はエネルギー代謝の調節に必要であるようだ。動物からレム睡眠を奪うと、エネルギー代謝のバランスが大きく崩れて死んでしまう。レム睡眠と記憶が関係していることは明白だが、いかなる性質の関係かとなると定かでなく、今なお論争が続いている。
レム睡眠期にどの脳領域のスイッチがオンになるかはもちろんだが、どこがオフになるかも大きな意味を持つ。そのオフになる領域のひとつが背外側前頭前皮質。弁の立つ弁護士でさえ舌を噛みそうな名前だ。背外側前頭前皮質は論理的な問題解決能力と”実行”や計画能力の中枢だ。情報、思考、情動を調整するほか、満足感を先送りする働きもある。夢を見ている時にそれが現実に思えるのも、実際、夢を見ているという自覚がないのも、十中八九、この領域がオフになっているからだ。逆に、夢に脈絡や方向感覚がないことが多いのも、そのせいである。夢に出てくる時間、場所、人は出し抜けに突拍子もなく変化する。[青班核を脳のメトロノームと呼んだ]アラン・ホブソンは、夢をせん妄、すなわち精神錯乱だと書いている。「夢にがんじがらめにされている時のあなたは狂人も顔敗けするほどイカレている」。夢の中の自分は、意思など持たずに行動する。夢の狂気には手のつけようがないのだ。
ヨーロッパにおけるキリスト教の礎を築いた聖アウグスティヌスは、ホブソンとは異なる目で夢を捉えていた。自伝『告白』(岩波書店)にこんな一文がある。「目を閉じても理性は決して途絶えない」。そうおっしゃられても、脳スキャンでは、夢を見ている間、論理的な思考を司る領域が活動停止すると確認されているのだが、ところがどうも、聖アウグスティヌスは最近になってようやくわかってきた大事なことを知っていたらしい。
レム睡眠期に背外側前頭前皮質がオフにならずに活動を続けていると、夢を見ていながらこれは夢だと気づくことがある。こうした夢を明晰夢という。臨死体験にきわめて近いと思われる混成意識状態だ。
明晰夢のさなかに混在するのはレム睡眠と覚醒の2種類の意識状態だが、私たちをこのボーダーランドに誘う夢は全体の3パーセントに過ぎない。言うなれば、夢を見ながら覚醒しているのが明晰夢で、完全に覚醒している時の自分が知っている現実の世界さながらの現実味がある。理性と夢が生む超現実との危ういバランスの上に成り立つ体験である。
明晰夢を見る人は、普通、レム睡眠状態からボーダーランドに入るのだが、時として、移行している感覚がほとんどないままに、覚醒状態からすとんと明晰夢に入り込むこともある。
明晰夢を見ていてこれはどうも夢のようだと薄々気づくのには、多くの場合、目覚まし時計を止めようとするのにボタンがぐんにゃり曲がって止められない、本の活字がぼやける、消える、奇妙に踊り出すなど、普通ではないことが起こるからだ。
”現実”と想像の産物を区別する脳内プロセスがいかなるものかは分かっていない。はっきりしているのは、このプロセスがしばしば、レム睡眠期の意識のボーダーランドで混乱を起こすことである。
明晰夢はただの不思議な体験ではない。チベット仏教では数百年来、霊的な修行の手段として用いられてきたし、他の霊的な要素を持つ伝統的慣習においても重要な役割を担っているらしい。明晰夢の見方は修得できる。訓練次第では上達もするという。訓練方法は数種類考案されているが、たいていの人はメンタル・トレーニングか、夢を見ている時に夢と自覚できる手掛かりを探す方法に頼るようだ。
経験を積むと、恐怖や霊的恍惚感、性的なよろこびなど、多種多様な情動を明晰夢の中で味わえるようになる。セックスは明晰夢につきもののテーマのひとつで、夢を見ながらオーガズムに達することさえある。
目が覚めるとたいてい忘れてしまう普通の夢に比べて、明晰夢の記憶は鮮明で、覚醒した後も生々しく覚えている。明晰夢の事例をひとつ紹介しよう。これまでに見てきた臨死体験と非常によく似ていることに気づかれるはずだ。
  夢を見ているのだと分かりました。両手を空に突き上げて飛び立ちました(実はその時、身体を抱え上げられていたのです)。真っ黒な空を昇っていくうちに、周りは黒から藍色へ、濃紫へ、薄紫へ、白へと変わっていき、とうとう眩い光に包まれました。昇っている間ずっと、今まで聞いたことがないほど美しい音楽が流れていました。楽器ではなくて、歌声だったように思います。その時感じた喜びをどう表現すればよいのやら。それから緩やかにそっと地上に引き戻されました。人生の転機を迎えて、正しい選択をしたような気がしました。私に歓喜をもたらしてくれたこの夢は、そのご褒美のようなものだったように思います。耳の中で木霊する音楽を聞きながら、私は長い時間をかけてゆっくりと目を覚ましました。陶酔感は数日で消えたけれど、記憶は一生残ると思います。
旅、多幸感、歓喜、転機、地上への帰還。どれも臨死体験と酷似している。体験の記憶が夢を見た者の記憶に深く焼きついた点も同じだ。

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どうでもいい、じじぃの日記。
2014年9月14日、『NHKスペシャル』で「臨死体験 立花隆 思索ドキュメント 死ぬとき心はどうなるのか」を観た。
臨死体験が最新の脳科学の研究により、脳の働きで説明ができるという。
例えば、臨死体験をした人の多くが、体験中に強い幸福感を感じるのは、死に瀕するときに脳内の辺縁系と呼ばれる部分が化学物質を大量に出すからであり、また、体外離脱の感覚は脳内の側頭葉が刺激を受けたときに生じやすいという。
自分の意思で夢の内容を操ることができる「明晰夢」という夢について触れていた。
臨死体験はこの明晰夢に近いのだそうだ。
先日、親類の葬式に出席した。亡くなった顔の表情は何か楽しい夢を見ているようにみえた。