じいぃの「テヘランの死神・世間が壊れてきた・運命には逆らえない?自分の壁」

Riding to Tehran

ミレー作 「死と樵」

寓話『テヘランの死神』 WISDOM
本文中に出てきた、「テヘランの死神」という寓話の真意が、どうにも読み取れません。もしやと思ってググったのですが、やはり、同じ所でつっかかっている人は少なくないようです。いろんな意見が書かれています。
http://blog.blwisdom.com/fujiki/201310/article_2.html
『「自分」の壁』 養老孟司/著 新潮社 2014年発行
テヘランの死神 (一部抜粋しています)
原発事故直後、放射能を怖れて遠くに避難する人たちがいました。本当は、避難することのリスクもあり、それを伝えている人もいましたが、放射線を過度の怖れていた人たちは、その危険性を強調するような情報ばかり見ていたからこそ避難したのです。
あの時、本当は避難しないほうが良かった老人がたくさんいました。無理に避難したことで、結果的に健康を損なって、中には命を落としてしまった人まで出てしまいました。そのことは事前に言われていたけれども、なかなか伝わらなかった。
冷静に見れば、どう考えても影響がなさそうなところ、たとえば東京に住んでいるのに関西や九州に逃げる人までいました。警戒区域などではないのに、こういう行動に出る人がたくさんいると知った時に、少々乱暴な言い方ですが、「世間が壊れてきた」と感じたものです。
     ・
もちろん、こういう行動をするのは自由ですし、責めるつもりはありません。その時、思い出したのが、「テヘランの死神」という寓話でした。ヴィクトール・E・フランクルの『夜と霧』(みすず書房)の中に出てきます(以下、同署をもとに紹介します)。
裕福で力のあるペルシャ人が、召使をしたがえて歩いていると、急に召使がこんなことを言い出します。
「今しがた死神とばったり出くわして脅かされました。私に一番足の速い馬を与えてください。それに乗ってテヘランまで逃げていこうと思います。今日の夕方までにテヘランにたどりつきたいのです」
主人が言われた通りに馬を与えると、召使はそれに乗って去っていきました。その後、主人が館に入ろうとすると、死神に会ってしまいます。そこで主人が、
「なぜ私の召使を驚かせたのだ、怖がらせたのだ」
と言うと、死神はこう答えました。
「驚かせてもいないし、怖がらせてもいない。驚いたのはこっちだ。あの男に、ここで会うなんて。やつとは今夜、テヘランで会うことになっているのに」
これは寓話なので、いろんな解釈が成り立ちます。どう解釈するかは、お任せします。

                            • -

どうでもいい、じじぃの日記。
養老孟司著『「自分」の壁』に「テヘランの死神」という寓話が書かれている。
「たとえば東京に住んでいるのに関西や九州に逃げる人までいました」
テヘランの死神の寓話の中で、
「それに乗ってテヘランまで逃げていこうと思います」
「世間が壊れてきた」かどうかの解釈は、あなたにお任せします。