じじぃの「人の死にざま_1442_オーレ・レーマー」

Romer's Measurement of the Speed of Light 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=RlysC2ZqmCY
光の速度 レーマーの測定法

オーレ・レーマー ウィキペディアWikipedia)より
オーレ・クリステンセン・レーマー(Ole Christensen Romer、1644年9月25日 - 1710年9月19日)はデンマーク天文学者。1676年に、科学的に意味のある光速度の値を世界で初めて算出した。1681年からコペンハーゲン大学で数学の教授を務めた。
イタリアの天文学者ジョヴァンニ・カッシーニの観測した木星の衛星のイオの食が早まる変動が、木星から地球(観測者)に光が到達する時間の差によるものとして、カッシーニのデータを使って光の速度を計算した。

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『宇宙の果てをみると宇宙の始まりがみえる―宇宙のトリビア100』 坪内忠太/著 新潮社 2006年発行
宇宙の果て (一部抜粋しています)
夜空には星が瞬いていますが、あの星の光がどのようにして真空の宇宙空間を通り抜けわれわれに届くのか、光にどんな性質があるのかよくわかっていなかったのです。
ただ、性質はわかっていませんでしたが、光の速度については、デンマーク天文学者レーマーが、1675年に木星の衛星イオを使って秒速23万キロメートルと測定し、さらにイギリスのブラッドレーが1727年に秒速29万9600キロメートルと修正、どちらも、正確な速度の29万9792.5キロメートルとは少し誤差がありますが、「有限の速度」であることを突き止めています。
ここで不思議に思うのは、精確な観測装置のない1675年にレーマーはどうやって光の速度を測定したかということではないでしょうか。1秒間に地球を7周半進む、ものすごい速度をどうやって検出したのか、すこし時代をさかのぼってみましょう。
光は発射されるとどんな遠くでも同時に照らすように見えます。事実そうなら、途中の空間を飛ばして伝わったことになりますが、そんなことがありえないことは常識でわかります。しかし、これを証明するには光の速度を測定しなくてはなりません。速度がわかれば、有限の速度で途中の空間を伝わったことが明らかだからです。
そう考えたガリレオは1638年頃、遠く離れた2地点で明かりの合図をやり取りして測定を試みました。しかし、うまくいかなかったようです。
光の速度が大きすぎ地上では測定不能だったのです。
レーマーが測定に使ったのはガリレオが発見した木星のイオです。
イオは木星の周りを42時間28分ごとに回っているので、42時間28分ごとに木星の向こうに隠れます。では、隠れて見えなくなる瞬間は42時間28分ごとにやってくるのでしょうか。ところが、観測データを見ると最大で22分もの誤差があったのです。なぜ、そんな誤差が生じるのか、とレーマーは考えました。
この理屈は単純です。
地球は太陽の周りを公転しているので、木星(イオ)ー地球ー太陽(E1)と並んだときと、木星(イオ)ー太陽ー地球(E2)と並んだときでは、地球と木星(イオ)の距離は「地球と太陽の距離の2倍」すなわち地球の公転軌道の直径分だけ遠くなります。
つまり、その距離を光が進むのに22分余計にかかったと考えればいいのです。
その距離は、地球・太陽間の距離1億5000万キロメートルの2倍なので3億キロメートル、これを22分で進んだのですから、計算によって秒速23万キロメートルと出ます。
これは現在確定されている「光の速度」より少し小さい値ですが、誤差は観測精度を上げればいいだけなので、理屈があっていれば問題はありません。
理屈は合っています。