じじぃの「人の生きざま_417_和賀井・敏夫」

グッドデザイン賞 汎用超音波画像診断装置「FAZONE CB」 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=IgWTGOc-ZS8
超音波診断装置

胎児の超音波写真

和賀井敏夫

和賀井敏夫 とは コトバンク
和賀井敏夫(わがい としお、1924 − ) 昭和後期-平成時代の超音波医学者。
大正13年9月21日生まれ。昭和45年順天堂大教授となる。東北大電気通信研究所と共同で超音波の医学への応用を研究し,がん,心臓病などの超音波診断法の確立につくす。
日本超音波医学会会長。平成18年「超音波診断法の創始と発展に関する研究」で学士院賞宮城県出身。新潟医大(現新潟大)卒。著作に「超音波診断法事始」。
http://kotobank.jp/word/%E5%92%8C%E8%B3%80%E4%BA%95%E6%95%8F%E5%A4%AB
『見えないものを見る技術―五感を超えた診断の技術』 伊藤泰郎/著 ブルーバックス 2008年発行
人の体の診断 (一部抜粋しています)
超音波を発生させる探触子から発射された超音波は、物質中を伝わり欠陥や異質の境界面があれば、そこで反射して戻ってきて探触子に入る。探触子は超音波の発信機であると同時に、受信の役割も果たす。探触子は圧電素子またはピエゾ素子と呼ばれる焼結した結晶性の素子である。この素子に電圧をかけると歪みを起こして振動し超音波を発生する。また、歪みを加えれば電圧を発生する素子である。
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さて、実際の超音波診断装置を図(画像参照)に示す。反射した超音波の強弱を電気信号に変換し、さらに画像処理技術によって、テレビ画面に表示したり、ビデオ表示や図(画像参照)のような写真にして目視できるようにした。新しい診断システムといってよい。
大腸ポリープのように内視鏡でも直接見て診察できる場合には、超音波で間接的に診断するより信頼性は高いが、内視鏡を使用できない箇所を診断しなければならないことの方がはるかに多い。このような場合には、間接的な診断法ではあるが超音波診断は信頼できる診断装置といえよう。
超音波診断は医学分野において長足な進歩をしてきたが、中でも超音波診断技術は画像表示技術によって大きく進展し、信頼度も非常に高まった。人の命の尊さをして医学分野における超音波診断技術が他の診断技術を凌駕したと言っても過言ではない。
このように、超音波診断は医学分野で活発に使われているが、工学的にも各種の材料、コンクリート構造物や鉄鋼構造物の非破壊検査・診断にはなくてはならない道具である。超音波診断は医学分野で始まった技術ではない。超音波を医療用に使うようになったのは、工学的、軍事的な応用を見た日本人の医師によるものであるという。
1950年、日本人医師和賀井敏夫は精度の高い脳腫瘍の診断法に取り組んでいた。和賀井は造船所で船体内部の傷の検出を超音波エコーによって行っていることを知って、ヒントを得た。それ以来、創意無限をモットーにして超音波診断の開発に心血を注いで1956年、執念を実らせてついに成功させた。この粘り強い取り組みがあってこその超音波診断技術であり、敬服するのみである。