じじぃの「人の死にざま_1189_今・和次郎」

今和次郎 - あのひと検索 SPYSEE
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今和次郎 採集講義 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=eRWIZGN2LY0
今和次郎 採集講義 展/パナソニック汐留ミュージアム 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=UyWoYEhTXV0
帝都物語 予告 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=sYgiZqiopSE
今和次郎 採集講義展」 パナソニック汐留ミュージアム
パナソニック汐留ミュージアムで開催中の「今和次郎 採集講義展」へ行ってきました。
http://blog.goo.ne.jp/harold1234/e/9272e2476a923194ca0bb6ce6573d93b
今和次郎 ウィキペディアWikipedia)より
今 和次郎(こん わじろう、1888年明治21年)7月10日 - 1973年(昭和48年)10月27日)は、民俗学研究者。
民家、服装研究などで業績があり、「考現学」を提唱し、建築学、住居生活や意匠研究などでも活躍した。
東京美術学校出身の画家でもあった。弟の今純三は銅版画家。早稲田大学理工学部建築学科で長く教壇に立ち、日本生活学会会長、日本建築士会会長も務める。どこへ行くにも背広でなくジャンパーを着ていた。

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『会いたかった人』 中野翠/著 徳間書店 1996年発行
今和次郎――「凝視の人」のモデルノロヂオ 孝現学者 (一部抜粋しています)
20第半ばの失業時代に、あるムック本を読んでいて、その中の玉ノ井にかんする2ページほどのイラスト・ルポ(のような記事)がとても面白く、いったい誰が書いたのかと、ページのはしっこの1行――「イラストは昭和6年(1931)版『考現学採集』(今和次郎・吉田謙吉編者より模写)――という1行に注目したのだ。印刷の専門用語で言うなら「10級」くらいの小さな文字である。
玉ノ井は言うまでもないが、戦前東京の私娼街で、永井荷風の小説『墨東綺譚』の舞台になったところである。2ページほどのそのイラスト・ルポでは、娼家の間取りや娼婦の衣装やしゃべり言葉などが生き生きと記録されている。
有名な「ぬけられます」の看板のあれこれ、あるいは「玉乃井組合投書箱」、あるいは「予防薬と衛生サック」の立て看板までもが、ここは赤文字、ここは白ペンキトタン張といった説明つきで描かれている。
何だかよくわからないのだが、私はこういう、どうでもいいようなものにまで偏執的視線をこびりつかせたようなイラスト・ルポというのがやけに好きなのだった。たった2ページなのに、しつこく眺めてしまった。
そして、失業者の私はためいきをついて、「私もこういう仕事がしたい……ような気がする。こういう仕事ならがんばれる……ような気がする。しかし、こういう仕事とはいったい何と呼ばれるものだろう」などと思ったりしたものだった。今にして思えば、あさはかにも。
その後、私は1920〜30年代の風俗・文化に興味を持って、その時代に関する研究書(ただし、あんまり難しくないもの)を好んで読むようになったが、それで驚いたのは、今和次郎という人がその世界では凄い有名人だった! しかも学者(建築学)だった。――ということだった。今ではすっかり一般に定着した言葉だが、そもそも「考現学」という言葉を言い出したのもこの人だったというのだもの(1988年の映画『帝都物語』では、いとうせいこう今和次郎の約を演じていた)。
そういう研究書などで断片的に知ったところによると、今和次郎という人は、玉ノ井イラスト・ルポのような観察記録的な仕事を、銀座をはじめ都内のあちこちにわたって、たくさん手がけた人らしい。赤瀬川原平さんや南伸坊さんの「路上観察学会」は明らかに今和次郎の影響を受けたものに違いないし、妹尾河童さんのさまざまなイラスト・ルポ(トイレットや机や室内の精密な俯瞰図)もきっとどこかでつながっているに違いない――どうも、そういう存在らしいのだ。
仕事の内容ばかりではなく、今和次郎という人自体にも興味があった。彼は独特の服装哲学を持っていて、きわめて合理的な理由から、いつもジャンパーと布製の靴(地下タビだったという説もあり)といういでたちだったというのを何かの本で読んだからだ。背広、ワイシャツ、目躯体、革靴いっさい持たず、少年時代に靴みがきの手間を馬鹿馬鹿しく思い「紳士といわれるような身分になったあかつきには皮の靴ははくまい」と心に誓ったというのが面白い。そういう姿で、銀座などをウオッチングするときには、路上にペッタリうずくまっていたりしたらしい。
私は、世間が何と言おうとどう見ようと、独自のルールや流儀を持って生きているという人というのが好きである。地下タビをはいた大学教授なんてかっこいいじゃないか。楽しいじゃないか。
だから、1986年に『モデルノロヂオ[考現学]』と『考現学採集』という2冊の本が復刻出版されたときは、各7000円という結構な値段だったが、迷わず買った。(今和次郎・吉田謙吉編著・学陽書房)。
もとはと言えば、『モデルノロヂオ』は昭和5年(1930)、『考現学採集』は昭和6年(1931)に出版されたものだが……凄い本です。圧倒的な本です。

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