じじぃの「人の死にざま_1124_J・アスプジン」

Cement, how it is made. 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=n-Pr1KTVSXo
Roman Architecture The Colosseum 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=v7d8PgxO2Eo
セメント ウィキペディアWikipedia)より
セメント (Cement) とは、一般的には、水や液剤などにより水和や重合し硬化する粉体を指す。広義には、アスファルト、膠、樹脂、石膏、石灰等や、これらを組み合わせた接着剤全般を指す。
本項では、モルタルやコンクリートとして使用される、ポルトランドセメントや混合セメントなどの水硬性セメント(狭義の「セメント」)について記述する。
【歴史】
セメントの利用は古く、古代エジプトのピラミッドにもモルタルとして使用されたセメント(気硬性セメント)が残っている。水酸化カルシウムとポゾランを混合すると水硬性を有するようになることが発見されたのがいつごろなのかは不明だが、古代ギリシア古代ローマの時代になると、凝灰岩の分解物を添加した水硬性セメントが水中工事や道路工事などに用いられるようになった。そういった時代には自然に産出するポゾラン(火山土や軽石)や人工ポゾラン(焼成した粘土、陶器片など)を使っていた。ローマのパンテオンやカラカラ浴場など、現存する古代ローマの建物にもそのようなコンクリートが使われている。
イギリス海峡の三代目エディストン灯台の建設(1755年 - 1759年)では、満潮と満潮の間の12時間で素早く固まる上に、ある程度の強度を発揮する水硬性モルタルを必要とされた。この時土木工学者のジョン・スミートンは生産現場にも出向き、入手可能な水硬性石灰の調査を徹底的に行ったことで石灰の「水硬性」は原料の石灰岩に含まれる粘土成分の比率と直接関係していることに気づいた。しかし土木工学者のスミートンはこの発見をさらに研究することはなかった。
1824年、イギリス・リーズの煉瓦積職人ジョセフ・アスプジンが同様の製法について特許を取得し、これを「ポルトランドセメント」と称した。このポルトランドセメントは今日のセメントの主流であり、単にセメントと言った場合このポルトランドセメントを指すことが多い。

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『常識として知っておきたい 科学50の大発見!』 博学こだわり倶楽部 KAWADE夢文庫 2012年発行
セメントの発明 近代的な建物づくりが可能になった! (一部抜粋しています)
しょっちゅう見たり触れたりしているのに、じつはよくわかっていないモノが、身の周りには案外たくさんある。
たとえばコンクリートはどうだろう。子どもに「コンクリートって何?」「石とはどう違うの?」と聞かれたら、答えられるだろうか? 土木や建物の関係者にとっては「常識」かもしれないが、その他一般人には「コンクリートはコンクリート」であって、それ以上説明がつかない。知識のなさはたぶん子どもと同レベルである。
答えを調べてみると、コンクリートは、砂や砂利、水などの主成分をセメントによって固めたものだ。似たものとして、こちらもよく聞く「モルタル」は、砂と水とセメントとを固めたものだという。
では、セメントとは何か? といえば、石灰石と粘土でできた建築材料用の接合剤。その歴史は古く、古代エジプト古代ローマなどでも、石材や煉瓦(れんが)をくっつけるために使われてきた。ピラミッドの石も古代のセメントでくっついている。
くっつけるといっても、糊(のり)とは少々仕組みが違う。水と練り合わせることでセメント自体が水和や重合といった化学変化を起こし、硬化(凝固)することによって接合するのだ。硬化が起こるのは、原料の石灰石や粘土に含まれる水酸化カルシウムやケイ素、アルミナ(酸化アルミニウム)などの成分によるもの。成分の違いやその割合によって、強度や性質の違うさまざまなセメントができあがる。
といっても、こういうことがわかったのは、19〜20世紀になってからの話。それ以前は、おもに経験と実績に基づいて配合が工夫され、技術が伝えられてきた。
ところが、まだ経験知だけが頼りの18世紀、産業革命が起こったことによって、道路や橋や運河、またビルなどの建築のために、セメントが大量に必要になった。もはや接合剤としてだけでなく、高価な希少な石材に代わる建築素材として、セメントが注目され始めたのである。そこでヨーロッパでは、工業的にセメントを作ろうという試みが、盛んに行われるようになった。その過程で、セメントが硬化するのに必要な条件などが次第に解明されていったわけだ。
古来、たとえば古代ローマなどのセメントは、火山灰や、瓦(かわら)など焼き物の破片を利用して作られていた。そのことをヒントに、1780年代にイギリスの建設業者が石灰石を高温で焼いて粉にしたものからセメントを作ることに成功した。
これと前後して、イギリスの建築家が、あらかじめ粘土質の混じった石灰石を焼いて使うと強度の高いセメントができることを発見。これを契機に18世紀後半から19世紀初めにかけて、石灰と粘土の割合や焼成の温度を工夫した人工セメントがイギリスやフランスで相次いで生産された。
その中でもっとも成功したといえるのが、イギリスの煉瓦職人ジョセフ・アスプジン(1779 〜 1855)である。1824年、アスプジンは石灰石を高温の炉で焼成し、硬化する力の強い、強固なセメントの製法を確立した。
彼はその製品に「ポルトランドセメント」という名をつけた。セメントの仕上がりが、イングランドのボートランド島から産出される石灰石の色調に似ていることが、名前の由来である。
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ポルトランドセメントは日本には幕末期に輸入され、明治初期から国産化が始まっている。
産業革命時のヨーロッパから明治の日本へと、建物の近代化の波はまさにセメントの製造技術とともに押し寄せてきたといっていいだろう。