羽仁五郎 - あのひと検索 SPYSEE
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『都市の論理』 勁草書房
本書の刊行は1968年12月である。公害反対闘争や大学闘争が高揚し、戦後続いた制度の疲労が誰の目にも明らかになり、やがて革新自治体の出現へとなだらかに連なっていく時代の頂点で刊行されたことになる。本書は新しい時代の展望を示すものとして多くの人々に迎えられた（75万部以上）。
内容は二つに分かれる。前半部では古代から近代までの都市、コミューンを概括し、後半では当時の具体的な問題、例えば土地、、官僚制、自治体財政等々が論じられる。
http://www.keisoshobo.co.jp/book/b25451.html
羽仁五郎 ウィキペディア（Wikipedia）より
羽仁五郎は、日本の歴史家（マルクス主義歴史学・歴史哲学・現代史）。
【概説】
旧姓は森。群馬県桐生市出身。生家は地元の有力な織物業者であり、父の森宗作は第四十銀行の創立者で初代頭取。
1926年4月8日、羽仁吉一・もと子夫妻の長女説子と結婚。「彼女が独立の女性として成長することを期待して」婿入りし、森姓から羽仁姓となる。1927年東京帝国大学卒業。同大史料編纂所に嘱託として勤務。1928年2月日本最初の普通選挙で応援演説をしたことで問題となり辞職。同年10月三木清、小林勇と雑誌『新興科学の旗のもとに』を創刊。1932年、野呂栄太郎らと『日本資本主義発達史講座』を刊行。1933年9月11日治安維持法容疑で検束。留置中に日本大学教授を辞職。その後、『ミケルアンジェロ』その他の著述で軍国主義に抵抗し多くの知識人の共感を得た。1945年北京で逮捕され、敗戦は獄中で迎えた。1947年参議院議員に当選し、1956年まで革新系議員として活動。国立国会図書館の設立に尽力する。日本学術会議議員を歴任。 マルクス主義の観点から、明治維新やルネッサンスの原因は農民一揆にあると主張。晩年は新左翼の革命理論家的存在となり、学生運動を支援し『都市の論理』はベストセラーとなった。
息子は、ドキュメンタリー映画監督の羽仁進、孫が羽仁未央。甥はしいたけの人工栽培を発明した農学者の森喜作。
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『人間臨終図巻 下巻』 山田風太郎著 徳間書店
羽仁五郎（はにごろう） （1901-1983） 82歳で死亡。 （一部抜粋しています）
マルクス史学の大御所といわれた羽仁五郎は、死の前年の夏にも葉山の海で泳ぐほど健康であったが、昭和58年3月肺炎を起して藤沢市の病院に入院、4月末には一応回復したが、5月はじめまた再発した。老衰による肺炎であった。
息子の進は語る。「去年の夏、父と2人で食事をしていたら、父がふっと、『自分が死んでからあとの情景を夢に見る』っていうんです。父から自分の死など聞いたことがなかったので、これは死を覚悟というか予感してるな、と思いました。今年の3月入院してからお医者さんにも『おれの人生は終わったから、無理な治療はしてもらわなくて結構、リンゲルも打ってくれるな』といって困らせました。 死ぬ5日前に、かすれた声で『ありがとう』っていいまして、それでも足りないと思ったのか、『ダンケシューン』とドイツ語でいってニヤッと笑ったんです。いかにも青春をすごしたハイデルベルグのことを思い出しながらという顔でした。 母には死ぬ１週間前にこんなことがありました。いつも病室から帰るときには、額に接吻して帰るんです。その日も同じようにしようとしたら、父が首をふって『若い時みたいにしてくれ』と、ねだったんです。それで母が唇に触れると、病人とは思えない力強さで接吻を返してきたんです。そのとき母は、これが最後の挨拶かな、と思ったそうです」
82歳の夫と80歳の妻との接吻であった。
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6月8日午後3時10分。
大学生たちから反体制の教祖のごとく見られながら、横須賀に建坪だけでも200坪ある白亜の豪邸に住み、白いタートルネックをトレードマークのように着こみ、「ビフテキを食うアジテーター」と呼ばれた人物の、これ以上はない幸福な死。実際に彼は、入院中何度か「ビフテキを電子レンジにいれておいてくれ」と、馬のように長い顔でうわごとをいった。
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