じじぃの「太陽の表面温度を求めよ!最も頭の良い高校はどこだ・2012」

NASAが撮影した巨大な太陽フレア 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=Hb8LS3V7xw0
太陽

大気と太陽エネルギー
http://www.s-yamaga.jp/nanimono/taikitoumi/taikitotaiyoenergy.htm
ルートヴィッヒ・ボルツマン ウィキペディアWikipedia)より
ルートヴィッヒ・エードゥアルト・ボルツマン(Ludwig Eduard Boltzmann, 1844年2月20日 - 1906年9月5日)はオーストリア・ウィーン出身の物理学者、哲学者でウィーン大学教授。統計力学の端緒を開いた功績のほか、電磁気学、熱力学、数学の研究で知られる。
【生涯】
1844年、ウィーンに生まれた。父は税務官であった。少年時代にはアントン・ブルックナーからピアノの手ほどきを受け、生涯にわたりピアノ演奏を好んだ。
1866年にウィーン大学で学位を取得、翌年ヨーゼフ・シュテファンの助手となり、1869年にグラーツ大学の数理物理学助教授に就任した。
ジェームズ・クラーク・マクスウェルらに続いて気体分子運動論を研究し、さらに分子の力学的解析から熱力学的な性質を説明する統計力学を創始した。その過程で、1872年にH定理により熱現象の不可逆性(エントロピーの増大)を証明した。
1877年に発表した論文「熱平衡法則に関する力学的熱理論の第2主法則と確率計算の関係について」においてボルツマンの関係式、
 S = k log W
を導き、エントロピーと系のとりうる状態との関係を明らかにした。上式における比例定数kはボルツマン定数と呼ばれている。
1884年、ヨーゼフ・シュテファンが実験的に明らかにした黒体放射が温度の4乗に比例するという法則に、理論的な証明を与えた。この法則はシュテファン=ボルツマンの法則として知られている。
1887年、グラーツ大学学長となる。その後も1890年にミュンヘン大学理論物理学教授、1900年にライプツィヒ大学教授の職に就く。
原子論の立場をとるボルツマンは、実証主義の立場から原子の存在を否定するエルンスト・マッハやヴィルヘルム・オストヴァルトらと対立し、激しい論争を繰り広げた。そのためもあって晩年はうつ病に苦しみ、アドリア海に面した保養地ドゥイノ(現在はイタリア・フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州)で静養中、家族が目を離したすきに自殺した。ウィーン中央墓地の14C区に葬られている。
ケルビン ウィキペディアWikipedia)より
ケルビン(kelvin、記号 K)は、熱力学温度(絶対温度)を表す単位。国際単位系の基本単位の一つ。
【単位の換算】
セルシウス度(摂氏)CとケルビンKの関係
 C = K - 273.15
シュテファン=ボルツマンの法則 ウィキペディアWikipedia)より
シュテファン=ボルツマンの法則(Stefan-Boltzmann law)は、黒体の表面から単位面積、単位時間当たりに放出される電磁波のエネルギー Iが、その黒体の熱力学温度 Tの4乗に比例するという物理法則である。ステファン=ボルツマンの法則ともいう。ヨーゼフ・シュテファンが本法則を実験的に明らかにし(1879年)、弟子のルートヴィッヒ・ボルツマンが理論的な証明を与えた(1884年)。
IとTの間には
 I=σT4
という関係が成り立つ。この時の比例係数 σが、シュテファン=ボルツマン定数(ステファン=ボルツマン定数)である。この定数の値は、
 σ ≒ 5.67×10-8[W・m-2・K-4]
である。
【太陽の表面温度の導出】
この法則を用いて、太陽の表面温度を導くことができる。
太陽の表面温度をT、太陽の半径をrとすると、太陽の表面積は4πr2なので、太陽が1秒間に放出する電磁波の全エネルギーE1は、シュテファン=ボルツマンの法則より、
 E1 = σT4 X 4πr2
と計算できる。
地球と太陽の距離をRとすると、太陽から放出された電磁波は地球に届くまでに、電磁波が表面積4πR2の球状の範囲にまで広がっている。電磁波が全方向へ均等に広がると仮定すると、E1を表面積4πR2で割ることにより、地球付近での単位面積当たりのエネルギーE2が導ける。
 E2 = σT4 X 4πr2 / 4πR2 = σT4 X r2 / R2
これは太陽定数と呼ばれる値であり、およそE2 = 1.37 x 103W / m2であることが大気圏外の人工衛星による観測で分かっている。
したがって、r = 6.960 X 108m、R = 1.496 X 1011m(軌道長半径)を代入し、Tを求めると、
 T = 4√(E2 X R2 / σ X r2) = 5779.726172 ≒ 5780K

である事が分かる。
ヨーゼフ・シュテファンはこの四乗法則を用いて、太陽の表面温度を約6000℃と推定した。

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全国高等学校クイズ選手権 第32回全国高等学校クイズ選手権 最強頭脳No.1決定戦 2012年8月31日 日本テレビ
準決勝第1問 NASAからの挑戦状!
準決勝校 船橋会津学鳳、灘、開成
第1問はアメリカ航空宇宙局NASAからの出題。
NASAは宇宙開発だけではなく、テンピュール枕サイリュームなど身近なものも発明しており、その特許数は6000件を超えている。 NASAの主席科学者ワリード・アブラティーからシュテファン・ボルツマンの法則を用いて太陽の表面温度を求めるクイズが出題された。
問題
シュテファン・ボルツマンの法則を用いて、太陽の表面温度を正確に計算せよ
ただし、条件は以下の通りとする。
・黒体の表面から単位時間、単位面積あたりに放出される電磁波のエネルギーIは、黒体の絶対温度の4乗に比例し、I = σT4と表わされる。σ(シュテファン・ボルツマン定数):5.67×10-8[W・m-2・K-4]
・太陽の半径:6.96×108〔m〕
・太陽が1秒間に放出する電磁波のエネルギー:3.85×1026〔J〕
4√(1116) = 5.780
有効数字は3桁とし、摂氏温度で答えること。
http://www.ntv.co.jp/quiz/index.html
正解
I=σT4
より
I / 4πr2 = σ T4
T4 = I / 4 π r2 * σ
太陽のエネルギー I = 3.85 * 1026
太陽の半径 r = 6.96 * 108
シュテファン・ボルツマン定数 σ= 5.67 * 10-8
四乗根1116が与えられているから
4√(1116) = 5.780
より
ケルビンを摂氏温度に直して
5.51×103 = 5510℃
正解 船橋会津学鳳、灘、開成
じじぃの感想
去年の12月、日本テレビ 『日本No.1の頭脳王!大決定戦!!』を観た。
その時、「ニュートン万有引力の法則を用いて、太陽の重さを求めなさい」というのがあった。
今度は、「シュテファン・ボルツマンの法則を用いて、太陽の表面温度を求めなさい」だ。
シュテファン・ボルツマンの法則?
こんな法則があるんだ。
ふう〜ん。太陽の表面温度は5510℃なんだ。
その他、2008年にノーベル物理学賞を受賞した益川敏英さんから、こんな問題が出ていた。
「マンモスが生きていた時代を調査結果をもとに推定しなさい」
これなんかも、面白そう。