じじぃの「人の死にざま_967_T・ドーヴァー」

「わが会社に非あり〜水俣病と向き合った医師の葛藤〜」(1) 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=R2fu9xNWJ3g
Dover.html
17世紀,アヘン(阿片)は鎮痛剤として重用されていたようです。しかし飲みすぎると死ぬこともある。そこでトコン(吐根)を混ぜ込んでおく。すると飲みすぎたら嘔吐してしまう。だからアヘン単独の服用より安全です。この薬の発案者がドーバーさん。アヘンとトコンの混合薬は現在もドーフルと呼ばれています。
http://www.medianetjapan.com/2/20/meeting/kuma2/Dover.html
からむこらむその116
ドーヴァーは薬を多量に用いた医者でして、特に金属水銀を用いたために「水銀医者」と呼ばれたとも言われていますが.....
http://home.r02.itscom.net/ktym/aldehyde/box11/column-116.html
赤チンが無くなった理由 2002-12-13 BIGLOBEなんでも相談室
子供の頃 傷の手当てといえば 「赤チン」が定番でしたが最近は見かけなくなりました。
無くなってしまった本当の理由は 何なのでしょうか?
http://soudan1.biglobe.ne.jp/qa427365.html
THOMAS DOVER (1662-1742)-RESCUER OF ROBINSON CRUSOE JAMA Network
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1163878
水銀 ウィキペディアWikipedia)より
水銀(英: mercury)は原子番号80の元素。元素記号は Hg。汞とも書く。第12族元素に属す。常温、常圧で凝固しない唯一の金属元素で、銀のような白い光沢を放つことからこの名がついている。
硫化物である辰砂 (HgS) 及び単体である自然水銀 (Hg) として主に産出する。
【毒性】
古代においては、水銀や辰砂(鮮血色をしている)はその特性や外見から不死の薬として珍重されてきた。特に中国の皇帝に愛用されており、不老不死の薬、「仙丹」の原料と信じられていた(錬丹術)。それが日本に伝わり飛鳥時代持統天皇も若さと美しさを保つために飲んでいたとされる。しかし現代から見ればまさに毒を飲んでいるに等しく、始皇帝を始め多くの権力者が命を落としたといわれている。中世期以降、水銀は毒として認知されるようになった。
世界中において有機水銀はかつて農薬として広く使われ、1970年代にイラクでは、メチル水銀で消毒した小麦の種を食用に流用したパンによって有機水銀中毒で400人以上が死亡する事件がおきた。そして、その毒性から現在は使用が禁止され、代わりに無機水銀などが使われるようになった。さらに、現在では水銀化合物自体の使用が環境汚染につながるとして忌避されるようになっている。
【医療用など】
・単体の水銀は熱膨張性の良さと、温度に対する膨張係数が線形に近いことから体温計に用いられる。現在ではデジタル式に圧されて廃れつつある。
・血圧計では、水銀柱を利用して圧を読みとるものが伝統的であり、現在でも医療現場や医療教育で広く使われている。ちなみに、血圧の単位は、国際単位系の例外として、mmHg(水銀柱ミリメートル)を用いるのが標準となっている。
・銀・スズ・銅などとのアマルガムは、歯科治療において歯を削った後の詰め物として一般に用いられていた時期がある。これはアマルガム修復と呼ばれる手法で、該当金属粉末と水銀を混合した直後はアマルガム化が進んでいないためにシャーベット状であり、アマルガムが形成されて全体が固化するまでにしばらく時間がかかることを利用していた。
・国内において、かつては消毒薬マーキュロクロムの材料として使用されていた。現在はほとんど使われていない。
水俣病 ウィキペディアWikipedia)より
水俣病は、日本の化学工業会社であるチッソが海に流した廃液により引き起こされた公害病である。 世界的にも「ミナマタ」の名で知られ、水銀汚染による公害病の恐ろしさを世に知らしめた。なお、舞台となった水俣湾は環境庁の調査によって安全が確認され、現在では漁が行われている。
【原因物質の特定】
原因物質は容易に確定されなかった。1958年7月時点では、熊本大学医学部研究班は原因物質としてマンガン、セレン、タリウム等を疑っていた。当時、水銀は疑われておらず、また前処理段階の加熱で蒸発しており検出は不可能であった。更に、有機水銀を正確に分析し物質中の含有量を測定する技術は存在していなかった。しかし、翌年熊本大学水俣病研究班は、原因物質は有機水銀だという発表を行った。これは、排水口周辺の海底に堆積するヘドロや魚介類から水銀が検出されたことによる。公式見解として、メチル水銀化合物 と断定したのは、1968年9月26日であった。
梅毒 ウィキペディアWikipedia)より
梅毒は、スピロヘータの一種である梅毒トレポネーマ によって発生する感染症、性病。
【危険な療法】
16世紀、ヨーロッパで蒸気の吸入や軟膏の塗抹などによる水銀療法が用いられた。これにより多くの水銀中毒が出たため、水銀療法肯定派 (mercurialist) と否定派の間での論争が行われた。梅毒の水銀療法は中国や日本でも行われ、日本では杉田玄白シーボルトらが記載している。ヒ素剤であるサルバルサンも一時使われたが、ヒ素の副作用もあり使用されない。
梅毒トレポネーマは高熱に弱いため、梅毒患者を意図的にマラリアに感染させて高熱を出させ、体内の梅毒トレポネーマの死滅を確認した後キニーネを投与してマラリア原虫を死滅させるという荒っぽい療法がかつて行なわれていた。ただし、この療法は危険度が大きいため抗生物質が普及した現在では行なわれていない。

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周期表でスラスラわかる! 「元素」のスゴい話 アブない話』 小谷太郎/著 青春文庫 2011年発行
水銀博士の異常な腎臓 (一部抜粋しています)
銀色の液体、水銀Hgは、毒のイメージが強い元素です。世界的に有名な公害、水俣病有機水銀((CH3) 2Hg)が原因でした。化学史上、何人もの研究者が水銀の蒸気を吸って寿命を縮めています。古代中国の皇帝は、不老長寿を望んで怪しげな薬を口にして、かえって早死するのが一種の伝統でしたが、その秘薬には水銀化合物がふくまれていたといわれます。
しかしそうした「常識」とは裏腹に、単体の水銀は少しくらい経口摂取しても死んだりしません(だからといって、飲んだりしてはいけません)。毒として有名なもうひとつの元素ヒ素とはその点がちがいます。
今ではすっかり電子体温計にとってかわられてしまいましたが、しばらく前には体温計といえばガラスの管に水銀を封じ込めたものでした。壊せば水銀のしずくが簡単に手に入るのですが、これを嫌いなクラスメートか教師の給食に振りかけて学校の雰囲気を改善しようと思いつく子供がときおり現れます。するとだれかが自分のスープの底に銀色のつぶを見つけえうことになり、大騒動が引き起こされ、場合によっては警察や新聞記者まで話を聞きに来たりします。しかしどんな恐ろしい症状が現れるかと思えば、病院では健康に別状ないだろうといわれて、飲み込んだ子も振りかけた子もほっとすることになります。
水銀はメチル水銀などの有機化合物になった時、猛毒となります。通常の化学物質は脳に入り込むことがないようにうまく体の仕組みが食い止めるのですが、メチル水銀は防御を突破して脳内に侵入し、神経症状を引き起こします。また、水銀の蒸気を吸い込むと、肺で吸収されて血液に溶け、腎臓に蓄積されて障害を起します。しかし単体では水にあまり溶けないので、体温計に使われている程度の少量を誤飲しても、病気を引き起こすほど腸から吸収されません(だからといって飲んだり、飲ませたりしてはいけません)。
人々に(有機)水銀の恐ろしさを印象づけたのは、なんといっても水俣病でしょう。
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一方で、水銀は古来からつい前世紀まで薬として処方されてきました。1953年まで、英国の幼児には甘汞(かんこう)Hg2Cl2をふくむ小児薬が与えられ、そのための中毒患者が絶えませんでした。クリストファー・コロンブスアメリカ大陸から梅毒スピロヘータを持ち帰ると、水銀や昇汞(しょうこう)HgCl2(有毒)がその新しく恐ろしい性病の治療薬として用いられました。すでに述べたように、古代中国皇帝は不老長寿の霊薬として水銀化合物を服用しました。皇帝陛下や梅毒患者には気の毒ですが、水銀が不老長寿や梅毒治療にさほど効果があったとは思われません。
水銀ドクターことトマス・ドーヴァー(1662〜1742)は、喘息や腸閉塞に約500gの水銀を飲むことをすすめました。これまた大胆な処方ですが、ひょっとしたら、その重量のために腸閉塞にはなんらかの症状の打開が見られたのかもしれません(繰り返しますが、真似して飲んではいけません)。インチキ医療と糾弾されると、ドーヴァーは自分でも46年間にわたって水銀を飲んできたが、そのため全く健康だと答えました。これが本当ならドーヴァーがなぜ腎臓を痛めなかったのか不思議です。水銀の感受性には、個人差があるということでしょうか。