じじぃの「これからの日本の話をしよう・原発災害は避けられたか?マイケル・サンデルの白熱教室」

4/4 5000人の白熱教室「これからの日本の話をしよう」 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=dWY5qALe6Pc
マイケル・サンデル ハーバード大学教授 2012.5.26 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=E-zCA34ePko
【prayforjapan】東日本大震災〜世界中・日本中からの祈り〜 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=8PVHv4fltEw
東日本大震災後、ツイッターに投稿された心に残る言葉 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=CqrEmelRt7Y&feature=related
5000人が白熱した特別講義:震災時に信頼、政府かTwitterか――マイケル・サンデル教授の「民主主義の逆襲」 誠 Biz.ID
http://bizmakoto.jp/bizid/articles/1206/22/news083.html
マイケル・サンデルの白熱教室 「これからの日本の話をしよう」[後編]  2012年6月23日 NHK Eテレ
【出演】ハーバード大学 マイケル・サンデル教授
マイケル・サンデル教授が、東京国際フォーラムで5000人を相手に行った特別講義の後編をお届けする。議論をするのは、原発の再稼働、電気料金の値上げ、震災のガレキの受け入れなど、今日本が突きつけられている難問ばかり。しかしサンデル教授は、それらの議論を尽くしていくことで、日本は世界に向けて民主主義のお手本を示すことができると考えている。簡単には答えの出ない難問を5千人で議論していく。
http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/harvard.html
どうでもいい、じじいの日記。
6/23、NHKマイケル・サンデルの白熱教室』で「これからの日本の話をしよう」を観た。
大体、こんなことを言っていた。
【後半部のみ】
2012年5月28日 東京国際フォーラムで行われた「マイケル・サンデルの白熱教室」の会場の映像が出てきた。
原発の再稼働、電気料金の値上げ、政府の情報公開のあり方、現在の日本は激しく意見が対立する課題を数多くかかえています。
サンデル、「日本が直面する民主主義の大きな課題を、人々は議論したいと渇望しているはずです。3月11日からは1年以上が過ぎた現在、日本はどのように変わったのか、難しくもやりがいのある課題を議論できるのを楽しみにしています」
3時間に及んだ白熱の講義。日本の民主主義が問われるものを議論します。
後編 これからの日本の話をしよう
東京国際フォーラム会場の壇上にマイケル・サンデル教授が登場する。
サンデル、「民主主義の復活。それが講義のテーマです。日本は民主主義にとって、どのような手本を示すことができるのか。この問いに考えていきたい。3月11日の地震津波原発災害を経て、日本はどのように変わったのか、そして、この経験が日本の民主主義の将来、どう変えようとしているのか。まず、私から質問をさせてください。ここにいる皆さんの中で、東日本大震災の後で、東北に義援金を送った人はどれくらいいるだろうか?」
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原発災害は避けられたか?
サンデル、「最後にもう1つだけ質問させてほしい。それは教訓についてだ。日本人は3月11日の出来事から、多くを学んだはずだ。どちらの意見にあなたは賛成するだろうか? 最初の意見はこうだ。今回の原発災害は地震津波によって引き起こされた天災で避けられないものだった。そう思う人は白(避けられなかった)を挙げて下さい。次に今回の原発災害は政府と原子力産業との間のなれあいの関係によるもので、人災であり、本当は避けられたはずだ。この意見の人は赤(避けられた)を挙げてください」
サンデル、「大多数の人は赤を挙げている。白は小数派だ。ではまず白を挙げた方、原発災害は地震津波による避けられない天災であった、という人から意見を聞こう。誰か、理由を説明してくれないか? 君」
若い女性、「正直、2番目(赤)に投票したくなかったから、というだけで1番目(白)に挙げました。あの震災によって私がすごく自覚したのは、何でも自分のこととしてではなく、誰かのせいにして、誰かに面倒くさいことを押しつけて、これまで過ごしてきた。もし2番目に投票すれば、それは国が悪かった、政府が悪かった、東電が悪かった、と人のせいにする。でも確かにもとは震災で、そこに管理体制の問題があったと思うが、そこを言ってしまえば、私たち国民が国や企業、東電をきちんと監視した意見を本当に言ってきたのか、という問題は逃れられないと思う。国や東電というもの、他の誰かのせいにするのはすごく楽ですが、それでは今日のテーマである民主主義とか、市民になる、ならないというところにはたどりつけず、本当の議論はこの国では行われないと思う」
サンデル、「いいだろう。君の名前は?」
若い女性、「アキコです」
サンデル、「アキコ、ありがとう。では2番目(赤)。避けられた、人災であった、を選んだ人で、意見を」
ポロシャツの男性、「確かに国が悪い、政府が悪い、と言って被害者意識に凝り固まるのは良くないが、日本に原子力発電所を導入するということを誰が決定したのか、確認した上で、なぜ事故が起きてしまったのかを考えないといけないと思う」
サンデル、「ありがとう。では、君」
メガネの男性、「僕は2番目に賛成です。でもアキコの意見にも賛成です。他の人のせいにしたくない。国や東電の問題は、その気になれば、僕らが変えることができる」
サンデル、「とてもパワフルな意見だ。もっと知りたい。君の名前は?」
メガネの男性、「マサツグです」
サンデル、「声を上げれば変えることができる、というんだね。では、自分の意見を声に出すことによって世の中を変えたいという考えが、なぜ2番目の意見を選ぶことになるのか? その理由を教えてほしい」
メガネの男性、「震災は避けられなかった、というのは僕らがしても起きていた。だから、僕らの努力は関係がない。ただ、今回の震災は政府の対応、東電の問題などが重なって、ここまで大きくなってしまった、と感じています。であれば、僕らが意見を言って、変えたりする手段はあるはず。ただそれが実現しないがために諦めて、国が悪い、東電が悪い、と言ってしまっているように思います」
サンデル、「君の考えでは声を上げるのは難しいけれど、今回の危機のよってそれがいかに大切なのかが分かった、ということだね。ところで、君の歳はいくつ?」
メガネの男性、「40歳」
サンデル、「40歳。まだ若いね」
会場、爆笑。
サンデル、「では聞きたいのだが、君の友人や知り合いの間で何かを変えようと、世界をもっと良くしようと、声を上げるという意識が3月11日以降、高まっていると感じることはあるか?」
メガネの男性、「自分の知り合いでいうと、3月11日の後、ツイッターであったり、フェイスブックであったりといったもので、自分の意見を述べる人が増えています。小さい声ですが、重なっていくことでムーブメント(運動)も起こり得るのではないかと思う。中東での話もありますから、そういうものがきっかけとなって実際のシステムとかが変更になればいいと思う」
サンデル、「君の言う通り、『アラブの春』は中東において大きな変化を生み出すきっかけとなった。中東の人たちにとって、それは刺激と感動に包まれた体験で、多くの若い人たちが世界を変えようと声を上げ立ちあがった。では、君が言いたいのは今の日本における復興と再生という、この時代はいわば『日本の春』ということだろうか?」
メガネの男性、「今までテレビとかメディアを観るだけだった人が、自分の気持ちとかを、どんどん言えるようになってきているというのは明らかに大きな変化だと思っています。これがきっかけになって日本が変わっていって『春』のちょっと前の『小春』ぐらいにはなるんじゃないのかな、と思う」
会場から拍手。
サンデル、「春の少し前ということだね。それでも活力が生まれる時期だ。今日の講義に参加してくれた全員に感謝したい」
サンデル、「私たちは今日の議論を通してメッセージを見つけた。それは力強く、希望に満ちていた。この講義では日本がこの復興の時期に直面しているいくつかのジレンマ、民主主義を通して乗り越えるべき課題を語り合ってきた。原発の再稼働すべきなのか、東電と政府は本当に信頼できるのか、そして民主主義への問題へとたどりついた。政治への参加、どうすれば若者に政治への関心を持たせられるのか、非常に難しい問題を私たちは議論し、それぞれの意見を述べてきた。そして、ほとんどの意見は真っ二つに分かれた。こうした公の場では議論しずらい、物議をかもす問題でもお互いの立場から冷静に論じ合い、議論は白熱した。最後に言えることは日本は大震災という悲劇を経験したが、その復興は歴史的に重要な意味を持つかも知れないということだ。地震津波が襲ってから、何週間、何ヵ月経っても日本人は結束力を示して、世界を驚嘆させた。それだけでなく、日本は民主主義のお手本を示そうとしている。会場からはこんな意見があった。今、自ら声を上げて何かを変えようとする意識がより多くの人々の間に芽生え始めていると。これが事実なら、日本の民主主義にとっての新たな始まり、新たなきっかけとなるのではないか。日本の春と呼ぶのはまだ早くて、さっきの発言にあった『小春日和』なのかもしれない。私はこのことに大きな希望を感じている。この先、皆でさらに声を上げ、議論を重ねていくことで、将来はより明るいものになると信じている」

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じじぃの感想
「とてもパワフルな意見だ。もっと知りたい。君の名前は?」
問題提起、人の意見を吸い上げるしかた、結論へともっていくやりかた、抜群だ。
白熱教室が終了後、若い女の子がこんなことを言っていた。
「まるで、ハーバードで授業を受けているみたいだった」