じじぃの「未解決ファイル_163_キセノン」

XENON - Dark Matter (Techno/Dance) 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=4v7nAvZRYDA
Breast Cancer: GFP-tagged MDA cancer cells adhering to non-stimulated HUVECs under flow 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=8T9FDIyp8lA
XMASS実験-検出原理
液体キセノンはダークマターをとらえやすい
XMASS(エックスマス)実験は、液体キセノン(約-100℃)を詰めた検出器でダークマターを直接とらえます。
液体キセノン検出器には、次のような特徴があります。(1)発光量が多く、(2)1トンクラスの大型化が容易、また、(3)液体、気体、固体の各相が利用できるため内部のバックグラウンドのもとであるウランやトリウムなどを極端に少なく出来ることです。ダークマターがキセノン原子核と弾性散乱する際にエネルギーの一部を落とし、液体キセノンがエネルギーに比例して発光します。発光された光は液体キセノンを囲んだ多数の光電子増倍管で捕らえます。
http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/xmass/detector.html
素粒子研究の技術を駆使した高性能・高精度次世代PET
広視野で視差のない高画質、高感度なPET
より鮮明な画像を実現する次世代のPETの第一の課題はこの深さ方向の検出位置精度の向上です。TXePETは液体キセノンのTPCにより3次元的に精度のよい位置測定を実現でき、したがって、視差のない鮮明な画像が得られます。
http://www-jlc.kek.jp/~tauchi/index/LXeTPC/innovation08/pamphlet-06sep.pdf
テロメラーゼ活性を標的とした悪性腫瘍に対するウイルス療法の開発 岡山大学医学部
ヌードマウスの直腸粘膜下にヒト大腸がん細胞HT29を移植すると、同所性に直腸腫瘍を形成するとともに、4-6週間後に高率に傍大動脈リンパ節転移を生じる。このモデルにおいて、TelomeScanを直腸腫瘍に直接腫瘍内投与し、5日後に開腹、キセノン光で蛍光を励起して高感度3色冷却CCDカメラにて観察した。GFP蛍光を発したリンパ節を採取して、最終的に病理組織学的に確認したところ、GFP陽性リンパ節では高頻度に微小転移が検出された。感度は、sensitivity 92.3%、specificity 86.6%であり、1mm以下の微小転移巣を蛍光spotとして同定することが可能であった。
これらの結果は、原発腫瘍内に局所投与されたTelomeScanがリンパ流を経由して所属リンパ節へ拡散し、リンパ節内の微小転移巣でTelomeScanががん細胞に感染・増殖して選択的にGFP蛍光を発したことを示唆している。また、TelomeScanの複製・増殖はフロイドアジュバントの直腸粘膜投与で生じた炎症性のリンパ節腫大ではみられず、がん細胞に選択的に誘導されることが明らかとなった。
http://jsv.umin.jp/journal/v58-1pdf/virus58-1_11-18.pdf
キセノンガスの基礎知識 エア・ウォーター株式会社
どうしてイオンエンジン推進剤は「キセノンガス」なのか?
イオンエンジンは、キセノンガスをイオン化した物質を電気的に加速して噴射し、その反作用で推進力を得る電気推進エンジンです。
従来、惑星探査ロケットのエンジンは燃料の化学反応によって推進力を得る化学推進エンジンが一般的でしたが、「積載する推進剤が少なく済み、タンクを縮小し機体を軽量化できること」「長時間の宇宙航行が可能なこと」「最終的な加速度はイオンエンジンのほうが高いこと」から、近年はイオンエンジンが広く使われ始めています。
http://www.awi.co.jp/topics/04.html
【2号機で核分裂の可能性】一時臨界か、キセノン検出 福島第1原発 2011年11月02日 47NEWS
東京電力は2日、福島第1原発2号機で原子炉格納容器内の気体から放射性キセノン17件が検出された可能性が判明、核分裂が起きている恐れが否定できないとして、核分裂を抑制するホウ酸水を原子炉に注入したと発表した。
http://www.47news.jp/movie/general_national/post_5749/
キセノン ウィキペディアWikipedia)より
キセノン (英: xenon) は原子番号54の元素。元素記号は Xe。希ガス元素の一つ。ラムゼーとトラバースによって1898年に発見された。
常温常圧では無色無臭の気体。融点-111.9 ℃、沸点-108.1 ℃。空気中にもごく僅かに(約0.087 ppm)含まれる。固体では安定な面心立方構造をとる。
【用途】
キセノンランプやイオン推進エンジンの推進剤に使用される。断熱性能が空気よりも高く、二層ガラス等の断熱材としても有効である。
麻酔作用を有するため、一部病院では試験的に導入されている。ただし純粋なキセノン自体が高価なこともあり、一般にはまだ普及していない。
キセノン135は中性子を吸収する能力(中性子吸収能)があり、原子力発電の分野では「毒物質」として働く。核分裂生成物として発生したキセノン135によるキセノンオーバーライドは原子炉の制御に大きな影響を与える。地下核実験では時間が経つにつれて大気中にキセノン133が放出されるので実験の成功・失敗の判断の一部にキセノン133の大気中への放出を調べることがある。
XMASS検出器では、ダークマターを検出するために-100 °Cの液体キセノンで満たしたセンサーが用いられる。ダークマターがキセノン原子核と衝突して放つシンチレーション光を光電子増倍管で補捉する仕組みで、東京大学の神岡宇宙素粒子研究施設で2011年春から稼動予定である。

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『低温「ふしぎ現象」小事典』 低温工学・超電導学会/編集 ブルーバックス 2011年発行
超ヘビー級の低温液体でダークマタ―を捉える (一部抜粋しています)
マイナス108℃になると、金属のアルミニウムが液体に浮く減少が見られるようになります。このときの液体は水ではなく、キセノンという希ガスの仲間です。キセノンは、1気圧における標準沸点であるマイナス108℃まで温度を下げてやれば液体になります。液体キセノンの重さはなんと水の3倍で、1㎝3あたり3gもあります。密度2.7g/㎝3のアルミニウムが浮くのも当然です。
これほど「重い」低温の液体はキセノンをおいて他になく、いわば超ヘビー級的存在です。重いということは、中身(キセノン原子)がびっしりと詰まっているということです。このような性質を有している液体キセノンは、宇宙から降ってくる宇宙線や荷電粒子とぶつかる可能性が大きくなります。加えて、液体キセノンが透明であることから、宇宙線や荷電粒子と衝突した際に発生するシンチレーション光の検出も容易であり、衝突した位置を3次元的に決定することもできます。
液体キセノンはさらに、1個の光子を発生させるのに必要なエネルギーが小さくてすむため、光に対する高い感度が期待でき、応答が速いという利点もあります。このため、世界中の物理学者たちがこぞって大量の液体キセノンを使った粒子検出器をつくり、暗黒物質(ダークマタ―)など未知の粒子を探り出そうとしています。
液体キセノンの活躍の場は、物理実験だけに留まりません。がん発見の有力な武器として期待されるPET(陽電子放出画像装置)にも応用されようとしています。
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キセノンは空気中にはほんのわずかしか含まれておらず、ドラム缶50本分の空気の中にたった1㎝3しか存在しません。自動車のキセノンランプが高価なのはこのためです。実際に液体キセノンは、空気を液化して液体酸素や液体窒素をつくるときの副産物としてしか得られません。世界中の年間生産量は液体で1万リットル。超ヘビー級の低温液体は、とても稀少で、値段も高価です。
ちなみにキセノンには、ここで紹介したキセノンとは別に、核分裂の結果として生成される放射性同素体のキセノン133やキセノン135などがありますが、安定なキセノンには放射性はありません。

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どうでもいい、じじぃの日記。
『低温「ふしぎ現象」小事典』という本を見ていたら、「超ヘビー級の低温液体でダークマタ―を捉える」があった。
超ヘビー級の低温液体とは「液体キセノン」のことだ。
キセノン(Xe)はヘリウム・ネオン・アルゴン・クリプトン・ラドンと共に希ガス元素の1つで、空気中に微量含まれる。これら元素は化学的にきわめて不活発で、他の元素とは容易に化合しない。そのため孤高な性質の意で貴ガスとも呼ばれている。
その不活性なキセノンが最先端の科学分野で脚光を浴びているのだ。
1987年、岐阜県神岡鉱山地下1000mに作られたカミオカンデは、大マゼラン星雲で起きた超新星爆発で生じたニュートリノを世界で初めて検出した。この功績により、2002年小柴昌俊東大教授はノーベル物理学賞を受賞した。
世界で初めてニュートリノを検出した同じ神岡鉱山地下1000mで、今度は暗黒物質(ダークマタ―)を見つけようという実験が今年から始まっている。
「これほど『重い』低温の液体はキセノンをおいて他になく、いわば超ヘビー級的存在です。重いということは、中身(キセノン原子)がびっしりと詰まっているということです。このような性質を有している液体キセノンは、宇宙から降ってくる宇宙線や荷電粒子とぶつかる可能性が大きくなります。加えて、液体キセノンが透明であることから、宇宙線や荷電粒子と衝突した際に発生するシンチレーション光の検出も容易であり、衝突した位置を3次元的に決定することもできます」
もう1つは最先端の医療分野にキセノンが使われるのだ。
2008年、下村脩博士(米ボストン大学医学校名誉教授)がオワンクラゲからの緑色蛍光タンパク質GFP)の発見し、ノーベル化学賞を受賞した。
今、がんの診断や治療法として「テロメラーゼ」という酵素に注目した研究成果が相次いでいる。岡山大病院遺伝子・細胞治療センターの藤原俊義助教授らは、下村博士が発見したGFPと、がん細胞が増殖する原因とされるロメラーゼに着目した。テロメラーゼのウイルスはがん本体と転移した部分だけで増殖し、光る性質を持つクラゲのウイルスも同時に増える仕組みを作り出した。キセノン光を当て特殊なフィルターを通せば、がん細胞が黄緑色に光って見える。がんだけが光って見えるのだ。
キセノンには不活性なキセノンの他に、放射性キセノンというのがある。
先日、テレビで「福島原発2号機 放射性キセノンを検出、一時臨界か?」をやっていた。
福島原発2号機から検出されたキセノン133は半減期は約5日、キセノン135は約9時間と短い。即ち、放射性キセノンが検出されたことは炉内で核分裂が起きていることの証拠なのだ。
去年3月に起きた原発事故で原子炉のメルトダウンがあったかどうか、大騒ぎになった。なぜか、当時キセノンの話は出なかった。
こちらの放射性キセノンはあまり、聞きたくない名前だ。