じじぃの「プラスチック光ファイバー・ミラバケッソ!奇跡のモノづくり」

LIGO: The First Observation of Gravitational Waves 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=wrqbfT8qcBc
最凶アルパカ金朋地獄 〜クラレ企業CMミラバケッソ 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=KMjB-NwZ7xg
光ファイバー 画像
http://image.rakuten.co.jp/n-l/cabinet/00650322/img56849559.jpg
ミラバケッソとは Weblio辞書
株式会社 クラレ(英: KURARAY CO.,LTD)は、化学、繊維をはじめとする日本の化学企業グループである。
ミラバケッソキャンペーン | クラレってなに? 動画あり
http://www.mirabakesso.jp/what/
ミラバケッソキャンペーン | 宇宙の謎を解明?「PSF」
http://www.mirabakesso.jp/feature/psf.html
重力波ブラックホールから「観測」 アインシュタインが予言 (追加) 2016年2月12日 BBCニュース
地球から数十億光年離れた場所で2つのブラックホールが衝突することによって、時空のゆがみが発生しているのを観測したのだ。
この重力波の初観測は、天文学にとって新時代の幕開けだと国際研究チームは言う。
http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-35557112
梶田さん新たな挑戦、重力波観測KAGRA完成 2015年11月5日 YOMIURI ONLINE
KAGRAは、物理学者アインシュタイン(1879〜1955年)が存在を予言した重力波の直接観測を可能にする“夢の望遠鏡”だ。
長さ3キロ・メートルのトンネル2本がL字形に交わる構造で、同研究所は昨年3月にトンネルの掘削工事を完了させた後、重力波の観測に必要な装置の開発や設置を進めてきた。今年度中に、試験観測を行い、第2期実験施設の完成を経て、2017年度から本格的な観測を開始。
「成功すればノーベル賞級」(東京大宇宙線研究所の三代木伸二准教授)とも言われる、世界初の重力波の直接観測を目指す。
http://www.yomiuri.co.jp/science/20151104-OYT1T50058.html
ヒッグス粒子研究 支えた日の丸企業 JFE東芝…先端技術、数多く採用 2012年7月6日 産経新聞
万物に質量を与え「神の粒子」とも呼ばれるヒッグス粒子の観測装置には、日本企業の先端技術が数多く採用されていた。特に超伝導磁石を作る素材技術、素粒子を観測するセンサー技術で貢献度が高く、日本企業は技術で観測を支えた。
実験では「大型ハドロン衝突型加速器LHC)」で陽子をほぼ光速に加速して衝突させ、その際に飛び出す素粒子を検出器でとらえる。陽子の加速や方向付けには強力な磁石が必要だ。LHCには2000台近い超伝導磁石が設置され、装置の心臓部となっている。膨大な量の超伝導線材が用いられたが、その半分近くは古河電気工業が納入した。JFEスチール東芝超伝導磁石用の鋼材やコイルを納入し、実験を支えた。
素粒子検出の心臓部には、同分野の実験で多用される光電子増倍管など浜松ホトニクスのセンサーが採用された。「LHC用に開発した特殊仕様」(同社)で、まねのできない高感度センサーの設置台数は合計2万6000台にも及ぶ。
クラレは検出部周辺で放射線などを測定する特殊プラスチックファイバーを提供。普及しなかったが「思わぬところで役に立った」(同社)という。
ヒッグス粒子の研究装置に使われた日本製資材
加速器
 JFEスチール  超伝導磁石用鋼材
 新日鉄      極低温に対応した特殊ステンレス鋼
 IHI         超伝導磁石用の極低温冷却装置
 古河電工     超伝導磁石用線材
 フジクラ     放射線の影響を受けない通信用光ファイバー
●検出器
 浜松ホトニクス 素粒子検出用光センサー(光電子増倍管、シリコン検出器)
 林栄精器    素粒子検出器
 クラレ     放射線検出用ファイバー
 東芝       素粒子検出用の超伝導磁石

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最先端の物理学研究をサポートする放射線検出用素材 プラスチックシンチレーションファイバー(PSF)の受注について 2010年12月22日 kuraray
株式会社クラレ
PSFはプラスチック製光ファイバーの一種で、当社が1980年代に世界唯一の製法により放射線検出用素材として開発。その後、国内では高エネルギー加速器研究機構、海外では世界最大規模の高エネルギー加速設備を持つスイスのセルン欧州原子核研究機構など、数々の研究機関への地道な供給継続と技術蓄積を背景に素材の品質向上を図った結果、放射線検出用素材のデファクトスタンダードとなり、過去約20年間の出荷総額とほぼ同等という今回の大型受注につながりました。
今回の使用目的であるニュートリノおよびクォークの研究は、2002年に小柴昌俊氏が、2008年に小林誠益川敏英両氏がそれぞれノーベル物理学賞を受賞した研究の延長線上にあり、その成果が大いに期待されています。
またPSFは、宇宙物理学のトレンドであるダークマター暗黒物質)の検出用素材としても活用が見込まれています。
当社は、独自技術により開発した素材が最先端の学術研究に貢献できることを誇りに、今後もPSFの技術開発を進め、応用分野の開拓にも注力していきます。
http://www.kuraray.co.jp/release/2010/101222.html
サイエンスZERO 「時空のさざ波 重力波をとらえよ!」 2014年11月16日 NHK Eテレ
【司会】江崎史恵(アナウンサー)、竹内薫 (サイエンス作家)、南沢奈央 (女優)  【ゲスト】梶田隆章 (東京大学宇宙線研究所 所長)
100年前にアインシュタイン一般相対性理論の中でその存在を予言した重力波が、1世紀の時を経てはじめてとらえられようとしている。その先頭に立とうとするのが、日本で建設中の重力波望遠鏡KAGRAだ。しかし、重力波相対性理論が前提のため、普通の感覚ではとらえがたい。そこで竹内薫重力波について懇切丁寧に解説する。
梶田、「トンネル3kmに対して空間のゆがみが水素原子1個の10億分の1まで観測できる」
南沢、「そこまでできたら、重力波を観測することができそうですね」
梶田、「我々としては来年(2015)の暮れに最初の試験観測をやって、2017年頃から本格的な観測に移行しようと考えています」
南沢、「KAGRAの性能というのはダントツなんですか?」
梶田、「アメリカやヨーロッパでも今、レーザー干渉計と言われるこの装置を大改造しています。同じ頃に同じような感度で観測をしようとしています」
竹内、「最初に観測したところがノーベル賞を獲るのですか?」
梶田、「それはわかりませんが、でも競争もしていますが、協力もしながらやっています。おそらく1つの装置では『これが重力波ですよ』と言ってもなかなか信じてもらえない。世界中の装置で同じ信号を見つけて『重力波をとらえた』と、初めて納得してもらえるということになるのではないか」
南沢、「そうやって一度ありましたと言ったら、お役ご免ですか?」
梶田、「とんでもない。重力波をとらえるというのは最初の一歩で、この装置を使って新しい天文学をやろうと考えています。例えば、光の望遠鏡だといくら頑張っても星の内部は見えない。一方、重力波は何でもつき抜けるので、星の内部の情報が得られる。連星中性子星が合体すると、次の瞬間にブラックホールができると考えられている。これを調べることで、中性子星の内部とか、ブラックホールができた時の様子が分かってくると考えています」
http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp484.html
サイエンスZERO 「爆発が迫る!? 赤色超巨星・ベテルギウス 2011年11月25日 NHK Eテレ
【キャスター】安めぐみ 、山田賢治 【ゲスト】国立天文台教授 渡部潤一 【コメンテーター】竹内薫 【語り】土田大
大量のガスを放出しながら、脈打つように大きさを変える赤色超巨星・ベテルギウス。今まさに寿命が尽きて、超新星爆発を起こそうとしている姿だと考えられています。ベテルギウスが爆発すると何が起こるのか?地球から観測される爆発のスペクタクルや、爆発時に発せられる強力なガンマ線の影響などが研究されています。死が迫ったベテルギウスの運命、そして大爆発の地球への影響を最新研究から探ります。
http://tvfreak-japan.blogspot.com/2011/11/20111125ts.html
『奇跡のモノづくり』 江上剛/著 幻冬舎 2011年発行
新素材開発から見直される日本のコスト第1主義 クラレ (一部抜粋しています)
クラレと言えば、私は、城山三郎氏が創業者大原孫三郎氏の生涯を描いた『わしの眼は十年先が見える』という小説を思い出す。
城山三郎氏は、タイトルを付けるのが非常に上手い作家で、この伝記小説のタイトルは、彼の口癖から採ったという。
実際、大原氏は10年先が見えたのだろう。岡山県倉敷という地方都市にありながら倉敷紡織を世界的な企業に育てたばかりでなく、後にクラレとなる倉敷絹織を創業し、化学繊維の分野にも進出した。さらには倉敷に大原美術館を作り、倉敷を美しい美術都市に育てた。
しかし、最近の人たちにとっては、大原孫三郎氏よりアルパカというペルーの動物が登場する愉快なテレビCMの方が身近ではないだろうか。
CMの中でアルパカが「ミラバケッソ」と啼く、「ミラバケッソ?」と女性タレントが首を傾ける、そしてその奇妙な言葉は、「未来に化ける新素材」の意味だとの解説が続く。
実は、このCMには、クラレの強い思いが込められている。と言うのはクラレという企業は、歴史のある優良企業であるにも拘らず、実はどんな企業なのか、消費者にあまりよく知られていないからだ。
クラレはもはや繊維がメインの企業ではなく、新素材開発企業に変貌を遂げていることを多くの消費者に知ってもらいたいのです」
経営企画室でIRや広報を担当する島本智之さんは、アルパカを起用したCMの意図を説明する。
島本さんの説明を聞き、私もクラレ=繊維企業と思い込んでいたことに気づいた。
未来に化ける新素材「ミラバケッソ」企業であることをいったいどれだけの人が知っているだろうか。「ミラバケッソ」企業とはいったいどんな企業なのだろうか。そしてなによりも未来に化ける新素材とは、いったいどのようなものなのだろうか。
そもそもなぜ私がクラレに関心を持ったかと言うと、三鷹市にある国立天文台を訪ねたことがきっかけだ。
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今は、300メートルしかないが、カミオカンデがある神岡に3キロメートルもの実験設備を作る予定だ。アメリカなどでは3キロメートルの設備が作られている。
重力波は、宇宙空間で星がぶつかるなどしてひずみが発生すると、それがさざ波のように伝わる現象のことを言うのだが、アインシュタイン相対性理論でその存在を予言している。
「世界中の研究者が競争していますが、まだだれもこの重力波を捉えていません。もし重力波が捉えられると、137億年前の宇宙の起源、いやそれ以前の宇宙のことが見えるんではないでしょうか」と研究者が私に熱く語った。
研究者の熱っぽい印象が残っている時に、編集者から、「クラレノーベル賞級の素材開発に成功したみたいですよ」という情報がもたらされた。
それはPSF(プラスチックシンチレーションファイバー)。というもので米国での素粒子理研究(ニュートリノ実験)に使われているものだと言うではないか。
ニュートリノ実験と聞いただけで、私の頭の中で、重力波をキャッチしようとする、あの国立天文台の研究者とクラレがぴったりと重なった。彼のノーベル賞級の研究を可能にしているのはクラレの製品があるからではないのか。これはぜひともその製造工程を見せてもらわなければならない。そのPSFこそ、「ミラバケッソ」の正体ではないかと思ったのだ。
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「こんなものなんです」
新治さんが、私に手渡してくれたのは透明な極細のファイバー。淡く青色に光っている。驚くのは両端だ。まるで内部から電球で照らしているかと思うほどくっきりと、激しく光っている。
「これは外光の紫外線を吸収して光っているのです。この先に光電子倍増管を付け、電気信号に変えることで放射線を検出するのです」
従来は、板状のシンチレーターを鉛とサンドイッチにして、幾層にも重ねて使っていた。これには、鉛の層で放射線が減衰して行くのを各層のシンチレーターで見る方式であるため、一方向でしかも空間全体の平均的情報しか得られないという欠点があった。それをファイバーにすることで、あらゆる方向からくる放射線の詳細な空間分布情報が得られるようになり、放射線の広がり、また個々の飛跡など、非常に高度な分析が可能になる。
「フロリダにあるジェファーソン研究所では地下トンネルにこのPSFを数千キロ設置してクォークの研究をしようとしています。シカゴのフェルミ研究所……」
新治さんはこのPSFを使用している世界各国の研究所の名前を次々と揚げた。徐々に控えめな男の顔に自信が見え始めた。
例えば、米国フロリダ州のジェファーソン研究所のクォーク実験ではPSFを3200キロメートル、米国イリノイ州フェルミ研究所のニュートリノ実験ではPSFが1万3000キロメートルも設置される。これらの供給責任をクラレは担っている。
それぞれの研究所では膨大な数のPSFを束にしたり、長く伸ばしたり、様々な形で使用されているという。
「まさにノーベル賞に繋がる研究じゃないですか」
「ええ、私たち、クラレノーベル賞に貢献していますよ。これらの研究所では主要なPSFはクラレのものを指定して使ってくださいますから」
新治さんの顔に自信の笑みが浮かんだ。
高度な研究に耐えるファイバーを製造するのには25年もの歳月を要したのだ。
「専門研究者から要求されるようなニッチなマーケットの製品の集合体が、クラレなんですよ」
島本さんが言う。
クラレさんがニッチですか?」
「ええ、世のため人のため、他人のやれないことをやるというのが経営方針ですから、汎用はやらないんです。だから面白い製品がいっぱいあるんですけどね」
「ところで25年間の研究は無駄にならず、PSFで新治さんの給料は出たのですか?」
私の質問に、新治さんは「あっははは」と声を上げて笑い、「出ました、でました」と答えた。その笑顔にはノーベル賞研究を支えるという強い自負心に溢れていた。
      ・
「これを覗いてください」
新治さんが細い線が付いたカメラのような機器を渡してくれた。カメラを覗き、細い線の先端を私自身に向けた。するとカメラを覗いている私がくっきりと見えた。
「私が見えますよ」
「見えますでしょう」
新治さんは得意げだ。
「これはPSFと言います。プラスチックシンチレーションファイバーです」
「いったいどうなっているんですか」
私は、ふたたびカメラを覗き、その細い線の先端をあちこちに向けた。新治さんに向けると彼の笑顔が見えた。
ファイバーを5000本、1万本と束ね、それをロッド線引き製法で引っ張る。そうすると3ミクロンの超極細のイメージファイバーが出来上がる。理論的には、何度も繰り返せば数万本ものファイバーで構成された、画素数が多く、解像度、鮮明度が高いファイバーが出来る。これらはなにせ宇宙からの放射線を捕まえることが出来るファイバーだ。どんなくねくねと曲がっても光を通すことが出来、クリアな映像を結ぶというわけだ。
胃カメラなど医療用に応用できます。さらにガラスと違い、折れませんから、血管の中も検査できるようになります」
さらに新治さんは、薄い板を見せた。それを拡大鏡で覗く。中に蜂の巣のような網の目が見える。
「50ミクロンのファイバーが300万本も束になっています」
新治さんはこともなげに言う。
「300万本!」
私は歓声を上げた。
「こちらを見てください」
新治さんは次々と新しい物を見せる。私は、言われるままに拡大鏡を覗く。そこには四角形、三角形、八角形の極細ファイバーが数えきれないほど集まっている。
いったいなに?
「私たちが確立した製法ではどんな形でも作れるのです。押し出し方式では丸いものしか作れません。四角形を作れないこともないのですが、非常に難しい。私たちの方法によれば四角に束ねれば四角形ができるのです。この中にも300万本が集まっています。これを今後数千万本も集めれば応用範囲が広がります」
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じじぃの感想
江上剛著 『奇跡のモノづくり』という本を見ていたら、「新素材開発企業への変貌」というのがあった。
胃カメラなど医療用に応用できます。さらにガラスと違い、折れませんから、血管の中も検査できるようになります」
内視鏡の「ファイバーカテーテル」を思い出した。
じじぃもお世話になっているのかもしれない。