じじぃの「人工光合成で直接エタノール合成は可能か?生命の跳躍」

トヨタ、人工光合成の実証に初成功 - 人工光合成の概念図 - 写真 2011年9月21日 Response.jp
http://response.jp/article/img/2011/09/21/162603/366179.html
光合成 Google 検索
http://www.google.co.jp/images?sourceid=navclient&aq=hts&oq=&hl=ja&ie=UTF-8&rlz=1T4GZAZ_jaJP276JP276&q=%E5%85%89%E5%90%88%E6%88%90&oi=image_result_group&sa=X
クローズアップ現代 「二酸化炭素が資源に! 夢の人工光合成」 (追加) 2013年6月17日 NHK
【キャスター】国谷裕子 【専門家・ゲスト】井上晴夫(首都大学東京 特任教授・人工光合成研究センター長)
やっかいものの二酸化炭素と、どこにでもある水と太陽光のエネルギーで、燃料やプラスチックなどを作り出す夢の技術「人工光合成」の研究が進んでいる。人工光合成の研究において、日本は世界をリードし、多くの研究成果を出してきた。将来の産業化をめざすプロジェクトも立ち上がり、国、大学、企業がこれまでにないほど密接に連携して研究開発を行っている。一方、世界各国も人工光合成の研究に力を入れ始めた。中でもアメリカは、クリーンエネルギー政策の柱として巨額を投じて研究所を作り、第一線の研究者を集めて、人工光合成の研究に本腰を入れている。人工光合成の技術はどこまで進んでいるのか?そして日本は世界をリードしつづけることができるのか?夢の技術の現状を伝える。
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3365.html
窒化物半導体の光電極による人工光合成システムを開発 2012年7月30日 Panasonic
パナソニック株式会社は、世界最高の太陽エネルギー変換効率(以下、効率)で、太陽光のみで二酸化炭素と水から有機物を生成する、人工光合成システムを開発しました。
本システムは太陽光を照射する光電極に窒化物半導体を使用し、有機物を生成する電極に金属触媒を使用することで、効率0.2%(主生成物:ギ酸)を実現しています。この効率は、バイオマスで使用される植物と同程度であり、植物に代わって、本システムにより、これまで不要なものとして排出されていた二酸化炭素を原料として、有用な有機物(化学原料、燃料など)を生成することが可能となりました。
【効果】
地球温暖化および化石燃料枯渇の問題を同時に解決できる夢の技術として、太陽光のみを使って人工的に二酸化炭素を吸収し資源化する、人工光合成の研究に注目が集まっています。本開発により、植物と同等の効率で二酸化炭素を吸収し有機物を生成する、人工光合成システムが実現し、来るべき循環型エネルギー社会に向け大きく前進しました。
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/2012/07/jn120730-3/jn120730-3.html
サイエンスZERO 「植物パワーが未来を変える! 夢の人工光合成 2012年6月24日 NHK岡山放送局
【ナビゲーター】南沢奈央(女優)、竹内薫(サイエンス作家)、中村慶子アナウンサー 【ゲスト】井上晴夫(首都大学東京教授)
太陽光、水、二酸化炭素。簡単に手に入る3つの資源だけで新しいエネルギーや食糧が作れたら・・・。こんな夢のような話が、今、実現に向けて大きく前進しています。植物が行う光合成を人工的に再現し、水素や炭水化物を得る研究が行われ、昨年4月には日本の研究チームが、光合成を起こす酵素の構造を解明。9月には大手自動車メーカーの研究機関が、世界で初めて酵素半導体や金属錯体で再現することに成功しています。人類の未来を変える人工光合成技術の最前線に迫ります!
http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp390.html
豊田中央研究所、水とCO2のみを原料とした人工光合成の実証に世界初成功 2011-09-20 財経新聞
トヨタグループの豊田中央研究所20日、太陽光エネルギーを利用し、水とCO2のみを原料にして有機物を合成する人工光合成の実証に、世界で初めて成功したと発表した。
今回は、原理の実証を行った段階であり、同技術の実用化にはまだ多くの研究課題が残っているという。「本方式における太陽光エネルギー変換効率は現在0.04%であり、これは一般的な植物の光合成効率の1/5程度」(同研究所)。今後研究チームは、植物を越える効率の実現と、メタノールなどのより付加価値の高い有機物の合成技術の実現に取組む予定。
http://www.zaikei.co.jp/article/20110920/81352.html
プライムニュース 「ノーベル賞・根岸特別教授 地球救う!人工光合成 先端化学がつくる未来」 2011年8月2日 BSフジ
【キャスター】八木亜希子、反町理、若松誠解説委員 【ゲスト】パデュー大学特別教授 根岸英一三菱総合研究所理事長 三菱総合研究所理事長
ノーベル化学賞という夢を実現した根岸英一教授には、さらなる夢がある。「人工光合成」の実現だ。植物が行う光合成を人工的に再現することは、化学者たちにとって長年の悲願だった。その実用化が、研究の飛躍的な進歩によって、近い将来、可能になるかもしれないという。それは二酸化炭素の増加による「地球温暖化」や「食糧難」といった、地球にのしかかる重い課題を解決し、「新薬開発」などにもつながる可能性を秘めている。 「人工光合成」は、いつ実現し、人類に何をもたらすのか? その他「先端化学」は、どのような未来を実現していくのか? そして日本が再び科学技術で立国していくための道筋は?
根岸教授と前東大総長の小宮山宏三菱総研理事長に聞く。
前編:http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html?d110802_0
後編:http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html?d110802_1
人工光合成 ウィキペディアWikipedia)より
人工光合成は、文字通り光合成を人為的に行う技術のこと。自然界での光合成は、水・二酸化炭素と、太陽光などの光エネルギーから化学エネルギーとして炭水化物などを合成するものであるが、広義の人工光合成には太陽電池を含むことがある。自然界での光合成を完全に模倣することは実現していないが、部分的には技術が確立している。
【歴史と将来展望】
太陽電池の研究は19世紀から始まり、1839年にフランスの物理学者アレクサンドル・エドモン・ベクレルが光起電力効果を発見、1884年にはアメリカの科学者チャールズ・フリッツ (Charles Fritts) が世界初の太陽電池を製作した。一方光合成の研究は1910年頃から行われ、1956年にルドルフ・マーカスにより電子移動反応理論を発表。1972年には東京大学本多健一藤嶋昭により、酸化チタン電極を用い、紫外線を照射することにより水を水素と酸素に分解する本多-藤嶋効果が発表された。1974年から2000年にかけては、日本の新エネルギー研究プロジェクトであるサンシャイン計画・ニューサンシャイン計画が実行された。2011年には、根岸英一らと文部科学省とが人工光合成などの技術革新の具体化を進めることで合意した。2011年4月、大阪市立大学の研究チームは植物での光合成の基となるタンパク質複合体の構造を解明。同じ構造を持つ触媒により、2020年までに二酸化炭素と水からメタノール燃料の製造を行う構想を打ち出している。2011年9月には豊田中央研究所が世界で初めて、水と二酸化炭素と太陽光のみを用いた人工光合成に成功した。特殊な光触媒を用いることで、犠牲薬を添加することなく擬似太陽光での有機物の生成を可能にした。2012年7月30日、パナソニックは窒化物半導体を利用した人工光合成システムを発表した。光電極側に窒化物半導体を使い、もう一方の金属触媒電極からギ酸を得るものであり、触媒の種類を変えることにより有機物の種類を選択できる。エネルギー変換効率は0.2%で植物に匹敵し、発表時点で世界最高水準である。
エタノール ウィキペディアWikipedia)より
エタノールはアルコールの一つ。「エチルアルコール」や、酒類の主成分であるため「酒精」とも呼ばれる。アルコール類の中で、最も身近に使われる物質の1つである。揮発性が強く、殺菌・消毒のほか、自動車燃料でも用いられる。
化学式 C2H6O
トウモロコシ ウィキペディアWikipedia)より
トウモロコシは、イネ科の一年生植物。穀物として人間の食料や家畜の飼料となるほか、デンプン(コーンスターチ)や油、バイオエタノールの原料としても重要で、年間世界生産量は2009年に8億1700万トンに達する。世界三大穀物の一つ。
【食用外】
トウモロコシからは効率よく純度の高いデンプンが得られるため、工業作物としても重要な位置を占める。胚乳から得られるデンプンは製紙や糊などに使用される他、発酵によって糖やエタノールなど、様々な化学物質へ転化されている。こうして作られるコーンシロップは甘味料として重要である。近年では環境問題や持続的社会への関心から、生分解性プラスチックであるポリ乳酸や、バイオマスエタノールとして自動車燃料などへの用途も広がりつつある。
アメリカではバイオマスエタノール用に注目されて価格が急騰し、ダイズからの転作も進んでいるが、大豆や小麦に比べて成長に水を消費するため、一部の地域で水資源の不足が問題になりつつある。

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『生命の跳躍――進化の10大発明』 ニック・レーン/著、斉藤隆央/翻訳 みすず書房 2010年発行
光合成 (一部抜粋しています)
光合成で利用される太陽エネルギーは、水を水素と酸素に分解する。これは、海の水が紫外線の放射で散らされて宇宙へ漏れ出るときに、惑星規模で起きる反応と変わらない。光合成がなし遂げている――そしてわれわれがまだなし遂げていない――のは、猛烈な紫外線や宇宙線でなく穏やかな太陽光を用いて、最小限のエネルギーで水から水素を剥ぎ取れるような触媒を見つけることだ。これまでのところ、われわれ人類は、創意工夫をしながら結局、水の分解によって得られる以上のエネルギーをその分解に消費している。水から水素を穏やかに取り出す単純な触媒で光合成を模倣することに成功したら、世界のエネルギー危機は解決してしまうだろう。その水素を燃やせば、世界のエネルギー需要をすべて楽に満たせ、廃棄物としてただ水がまた生まれるだけだ。環境汚染はなく、二酸化炭素も排出せず、地球温暖化も起きない。だがこれはたやすい仕事ではない。水を構成する原子の結合はすばらしく安定したものだからだ。それは海も証明するとおりで、どんなに猛烈な嵐で波が崖に打ちつけても、水は原子にまで分解しない。水は、この惑星で、一番どこのでもありながら手ごわい原材料なのである。現代の船乗りも、水と少しの太陽光で船を動かす手だてのこととなると、考え込んでしまうだろう。波間に浮かぶ緑藻にでも訊くしかない。
もちろん、同じ問題に、緑藻の遠い祖先、つまり今日のシアノバクテリアの祖先も直面した。彼らは、地球上で水を分解する手口をたまたま見つけた唯一の生命形態だった。不思議なのは、みずからの親類にあたる細菌が硫化水素を分解したり、鉄を酸化したりするのとまるっきり同じ理由で、シアノバクテリアが水を分解していることだ。彼らがほしいのは電子だ。そして見たところ、水はそれがもっとも得られそうもない場所にあたる。
光合成は、理論上は単純なもので、要は電子の問題である。二酸化炭素にいくつか電子を加え、電荷のバランスをとるためにいくつか陽子(プロトン)も加えると、あら不思議、糖ができる。糖は有機分子であり、プリーモ・レーヴィの言う生命の鎖で、われわれのあらゆる食物のもとは、結局のところこれだ。しかし、電子の出どころはどこなのか? 太陽からのわずかなエネルギーで、ほぼどこからでも電子は得られる。なじみ深い「酸素発生型」の光合成の場合、電子は水から得られるが、実は水より不安定なほかの化合物から剥ぎ取るほうがはるかに易しい。硫化水素から電子を取りだせば、大気中に酸素が放出される代わりに、元素状態の硫黄――あの地獄の業火で思い浮かぶ硫黄――が析出する。海中に(2個の鉄イオンとして)溶存する鉄から取りせば、赤錆のもとである3価の鉄イオンができ、新たな岩石を形成して沈殿する。かってこのプロセスが、莫大な「縞状鉄鉱層」を生み出したと考えられている。縞状鉄鉱層は世界じゅうで見つかっており、今では低品位の鉄鉱が最も多く貯蔵された場所となっている。
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どのようにできたにせよ。このマンガン原子を主体とする小さなクラスター(集合)は、始めにそれをとらえた細菌だけでなく、地球上の全生命にとって、新たな世界を切り開いた。この小さな原子団は、できたとたんに水を分解しだし、4つの酸化されたマンガン原子が生来の貪欲さで水から電子を引き抜き、酸素を廃棄物として放出した。紫外線によるマンガンの着実な酸化が起す水の分解は、当初はゆっくりしたものだったろう。しかしこのクラスターが葉緑素と結びつくと、電子の流れが生じたはずだ。葉緑素がその仕事になじんでいくにつれ、どんどん速く、水が取り込まれて分解され、その電子が引き抜かれ、酸素が放出されるようになった。水から引き抜かれた電子による、生命を活動させるこの流れは、初めは滴(したた)り程度だったがついには奔流となり、いまや地球上の生命の反映をもたらしている。われわれはふたつの点でこれに感謝しなければならない。われわれのすべての食物を生み出す究極の源であると同時に、その食物を燃やして生きるのに必要な酸素をすべて生みだしてくれたのだから。
これまた、世界のエネルギー危機を解決する鍵も握っている。そのために、光化学系がふたつある必要はない。有機物の合成は、われわれにはどうでもいいからだ。水から放出されるふたつの産物――酸素と水素さえあればいい。このふたつをまた反応させれば、今後必要な全エネルギーを生み出せ、廃棄物として出るのは水だけだ。要するに、この小さなマンガンクラスターで、太陽エネルギーを使って水を分解し、さらにその産物をまた反応させて水を再生させることができる――いわば水素エコノミーである。もはや環境汚染はなく、化石燃料は要らず、炭素は関与せず、人為的な地球温暖化は起きない。ただし、まだ爆発の危険はいくらかあるが。この小さな原子団が遠い昔に世界の仕組みを変えたとしたら、その構造がわかれば、今日のわれわれの世界を変える第一歩になるにちがいない。今これを書いている時点でも、世界じゅうの化学者が、この小さなマンガンクラスターか、同じぐらいうまく働くものを、実験室で合成しようとしのぎを削っている。近い将来、きっと成功を収めるだろう。そして、われわれが水と少しの日光で暮らせるようになるのも、遠い未来ではあるまい。

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どうでもいい、じじぃの日記。
9月21日の新聞を見たら、「世界初の『完全』人工光合成に成功 豊田中央研究所」が出ていた。
「人工光合成」は日本が世界のトップを走っていることは知っていたが、とうとうやったか。という感じがした。
8月2日、BSフジ 『プライムニュース』に、去年ノーベル賞を受賞した根岸英一教授が出ていた番組を思い出した。
「太陽光を用いて、最小限のエネルギーで水から水素を剥ぎ取れるような触媒を見つけることだ。これまでのところ、われわれ人類は、創意工夫をしながら結局、水の分解によって得られる以上のエネルギーをその分解に消費している。水から水素を穏やかに取り出す単純な触媒で光合成を模倣することに成功したら、世界のエネルギー危機は解決してしまうだろう」
光合成のメカニズムは「明反応」と「暗反応」に大別できる。明反応は光を利用して水を酸化し、酸素とNADPHという物質を作り出す。暗反応は明反応で作られたNADPHと二酸化炭素(CO2)によって炭水化物(CmH2nOn)が作られる。
この分子式CmH2nOnが自動車の燃料になるメタノールであったり、エタノールであったりするわけだ。
この人工光合成で一番難しいのは「触媒」なのだという。
触媒というと白金(プラチナ)を思い浮かべる。触媒はそれ自身は変化せず他の物質の化学変化の仲立ちをするもので、減るとかするものではないのだそうだ。
人工光合成の触媒にどんなものを使うのか知らないが、鍵は触媒が握っているのだという。
トヨタグループの研究チームの次の目標は植物を越える効率の実現と、メタノールなどのより付加価値の高い有機物の合成技術の実現なのだという。
頑張れ、トヨタ