じじぃの「人の死にざま_685_野田・英」

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田英夫 帰路 画像
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田英夫 サーカス 画像
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田英夫 都会 画像
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田英夫 フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』 (一部抜粋しています)
田英夫(のだひでお、1908年7月15日-1939年1月12日)は、洋画家。
1908年、アメリカ合衆国カリフォルニア州で、日系移民の家に生まれる。
幼少時代を父の郷里熊本で過ごし、旧制熊本県立熊本中学校卒業後に渡米、カリフォルニア・ファイン・アーツを中退、ニューヨークに出てウッドストック芸術村に住んで、アート・ステューデンツ・リーグ教授アーノルド・ブランチの支援を受け、壁画・テンペラ画を研究した。
1933年には、アメリ共産党と関係をもちながら、ニューヨークでディエゴ・リベラの壁画制作の助手をつとめたが、翌年には日本へ帰国、二科展に出品した。
一時アメリカに戻った後は、新制作派協会会員として活動したが、脳腫瘍のため早逝した。

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『名画再読 美術館』 芥川喜好/著 小学館 2001年発行
田英夫 「帰路」 (一部抜粋しています)
ぐい、と片足を踏み出して男が不意にあらわれる。
何だか気味が悪いけれど服がよれよれというだけで怪しいところはない。
画面から受ける奇妙な印象のすべては、この男の存在にかかっている。
踏み出す足が異様に大きい。男は何者か。そもそも男のいる位置はどこなのか。
男は画面からあらわれた。だが彼の出てきた場所を背景に探しても、それらしき部分は見当たらない。
考えこむように男は足を踏み出した。だがどこへ行こうとするのかわからない。
男はいきなりそこにいる。画面内空間の、どこにでも属していない。
男に位置は宙吊りなのだ。その唐突で不安定な感覚が、見る者を不安にさせる。
強いて関係づけるなら、壊れた壁のなかの少女は男の帰りを待ちわびるようであり、左の道に同じ格好で腕組みして立つ少年は男を睨みつけるようでもある。そうした不可解な心理性を秘めつつ、画面は幾つかの異なる情景を継いだ広がりも奥行きも定かならぬ複雑さを呈している。
廃屋、朽ちた車輪、転がるテーブル、青い麦畑、待つ視線。刺す視線――おそらくすべては男が通過してきた世界なのだ。そして前方へ強く一歩を踏み入れることで、男は自分の場所を確定しようとする。
答えは、描かれていない。宙吊り状態での意志表明だけが、行き場のないまま強調されている。
移民1世を両親にカリフォルニアで生まれた野田英夫は、3歳のとき熊本の親類に預けられ、熊本中学を卒業する18歳まで日本で育った。つまりアメリカ国籍をもちながら日本で精神形成をとげた、日本人の血をもつアメリカ市民だった。
それがどんな立場だったかのかは想像を絶するものがある。アメリカに戻った野田は天性の明朗な性格で積極的に社会に溶け込み、アメリカ人以上のアメリカ人になろうとしていたという。
だが、3度目の訪日の際、新制作の会員に迎えられた彼は「日本人の血が流れている以上……日本を本当に知りたい」と語っている。
アメリカで知りあった仏教家暁鳥敏に、2世の立場を問うたこともある。
結局、精神的な二重国籍者として常に何かへの帰属を意識しつつ、野田は日米の間をさまよい続けた。彼の絵にある一種の喪失感と、それを埋めあわせるようにあふれる情景の断片は、2つの祖国に引き裂かれる感覚の産物のようにみえる。
宙吊りの男が、彼の自画像にみえるのだ。

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