じじぃの「なぜサングラス姿は生意気に見えるのか?動物行動学から見た人間」

とんぼ ヤクザ 動画 YouTube
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Exileのボーカル サングラスはずす エグザイル 動画 YouTube
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私が愛したゴリラ 前編 FILE037 山極壽一(霊長類社会生態学 動画 YouTube
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『ヒトはなぜ拍手をするのか―動物行動学から見た人間』 小林朋道/著 新潮社 2010年発行
なぜサングラス姿や「ポケットに手」は生意気に見えるのか? (一部抜粋しています)
「目は口ほどにものを言う」――。その通りである。目の両側に白目の部分が明瞭に見られるのは、動物広しと言えども、ヒトだけであるが、それがまた、目に多彩な表情を与えている。
言うまでもなく、目の表情を変化させるためには、エネルギーを必要とする。目の周囲の筋肉や、瞼、眼球の筋肉を動かさなければならないからである。ところが、サングラスをかけると、目の周辺は、黒い固定された"円形の目(サングラス)"で隠され、"円形の目"の表情も固定にする。
一般に、上位者の言動に対して、下位者は、目も含めた顔の表情や、手足・体の姿勢を、すこし、オーバーに変化させる傾向がある。たとえば、上位者が言った冗談に対してオーバーに笑ったり、同意を求められると大きくうなずいたり、意外性を意図して言われた発言にはオーバーに驚いたりする。
上位者の言動に対して、このように表情や姿勢を変えることは、「私は、あなたの言動に対して大きなエネルギーを払っている」、あるいは「あなたの言動は、私にとって大きな感心の的である」、そして「私は、あなたの利益のために大きなエネルギーを使おうと思っている」というメッセージを送ることになる。
では、サングラスをかけると、その表情はどういうメッセージになるだろうか。そう、サングラスをかけると、目や目の周りの状態が変化しない表情になる。つまり、その固定した表情は、「あなたは、私が取り立ててエネルギーを使うほどの人ではない」「私は、あなたのことなど全く問題にしていない」というメッセージになるのである。
"無視"と同じようなメッセージといえばよいであろうか。これが、"生意気"とか"攻撃的"といった感じを与える大きな理由なのである。
ズボンのポケットに手を入れた姿勢も、結局はこれと同じような効果をもつ。
そもそも、ポケットに手を入れるという状態は、腕を休ませてリラックスしている状態である。つまり、エネルギーの使用を控えているわけである。したがって、他人の前でポケットに手を入れているということは、「あなたは、私にとって、エネルギーを使って反応しなければならない人ではありません。取るに足らない人です」というメッセージを送っていることになる。
親や兄弟など、ごく親しい人に対してはそれでもよいが、上司などの上位者に対してそれを行うと、相手の心証を損なうことになる。
「上位者=小さなエネルギー、下位者=大きなエネルギー」という通常の動作の文法に従わないからである。むしろ、「小さなエネルギー」を示すことによって、自分が上位者的に振る舞うことになるのである。これがポケットに手を入れることが、"生意気"とか"攻撃的"に見られる理由である。
さて、実は、話はここで終わらない。というのは、物事の原因には大抵、他の事象との共通性と、そのことだけに当てはめる個別性とがあるからである。
「サングラス」と「ポケットに手」の場合、「小さなエネルギーの使用=相手を軽んじる=横柄さ」という構図が共通要因であるが、それぞれの事象に固有な原因も関係していると考えられるのである。
まず、サングラスの個別的理由から見てみよう。
例えば、多くの魚で葉、なわばりの所有者が境界線でなわばりをめぐって闘争する場合、2匹の魚は最初から目一杯の強気を装う。相手の力が強いと感じても、それを体色や動作に表わさない。
これはポーカーフェイス戦略と呼ばれ、相手に、自分の内面を悟らせないようにするためと考えられている。もちろん、思考によってそういう戦略をとるのではなく、そうするように野うがプログラムされているのである。このような行動は、鳥や哺乳類での同種間の闘争でも知られている。
なぜこのような戦略が進化したのかについては次のように考えられている。
もしそのとき、相手の強さに圧倒されて、「これはもう勝てない」と感じたとしても、その本当の内面を隠して空威張りをしていれば、相手が「これは強い」と、間違って判断して逃げてくれるかもしれない。つまり、自分の本当の内的状態を正しく伝える個体よりは、ポーカーフェイスで空威張りをする個体のほうが、戦いに勝つ可能性が高くなり、そういう戦略の遺伝子が増えていったというわけである。
ポーカーフェイス戦略に似たような現象はヒトの闘争でも見られる。ボクシングでも相撲でも、百戦練磨の"強者"は、心の動きを外へは表さないと言われる。
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サングラスをして表情の変化が無くなった相手を見て、われわれは、"強い相手"と感じてしまうのではないだろうか。それが、生意気とか攻撃的といった印象を与えるのではないだろうか。
次は、「ポケットに手を入れた姿勢」の個別的理由である。その理由は、手をポケットに入れることによってもたらされる肩と肘の"表情"にあると私は思っている。
大抵は、ポケットは腰の両側についている。そして、そのポケットに手を突っ込むと、必然的に、肘が外に張り出し、肩が盛り上がる。
ところがこの肘の張り出しと肩の盛り上がりは、実は、ヒトという動物の、相手を威嚇する時の姿勢である。
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ポケットに手を入れる行為は、「リラックス=問題にしていない」という信号に加え、ヒトに生得な「肩の盛り上がり・肘の張り出し=威嚇・威圧的信号」を生み出すが故に、生意気、攻撃的という印象を与えるのではないだろうか。

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どうでもいい、じじぃの日記。
『ヒトはなぜ拍手をするのか―動物行動学から見た人間』という本を見ていたら「なぜサングラス姿や『ポケットに手』は生意気に見えるのか?」が出てきた。
動物の進化は感覚器の進化でもあるという。動物の感覚器は単純なものからだんだん複雑になっていった。
感覚器には視覚、嗅覚、味覚、聴覚、触覚らがあるが、コウモリのように超音波を発信するものまで現れた。
地球上に初めて動物が誕生し、この動物が初めて身につけた感覚器は何だったのだろうか。
始めに"光ありき"。
動物が最初に体に身につけたのは、明るいか、暗いかを識別することだった。
今では、特殊な場所に棲む動物を除けば、一番発達させた感覚器官は眼なのである。人間の脳は何らかの形で眼からの情報と70%ぐらい関係しているのだそうだ。
そして、人間は眼から得られた情報でその内の何%を人と人の上下関係を判断させるために割いているのだろうか。
サングラス姿や「ポケットに手」はこの人と人との上下関係を意識的に取り除くという効果を与えているようにみえる。
ただ、白人がサングラスをよくかけるのは虹彩メラニン色素を守るためらしい。白人はメラニン色素が少なく、サングラスをかけることによって紫外線からメラニン色素を守っているのだそうだ。