じじぃの「なぜヒトは拍手をするのか?動物行動学から見た人間」

拍手 動画 YouTube
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亀田大毅のスパーリングにブーイングを浴びせる男 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=OLznZEb_Nyk
Creepiest voice on youtube 動画 YouTube
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『ヒトはなぜ拍手をするのか―動物行動学から見た人間』 小林朋道/著 新潮社 2010年発行
なぜ友好的な気持ちを示すとき拍手するのか? (一部抜粋しています)
ステージの上で演説した人に、共感や、感謝、支持の気持ちをあらわすとき、我々は笑顔で拍手する。卒業式で退場する生徒を見送るときや、スポーツの試合で自分が応援しているチームが得点したときなどにも我々は笑顔で拍手する。
これは世界中の多くの国で共通した現象である。なぜヒトという動物は、こういう場面で"拍手"をするのだろうか。
拍手が行われる典型的な場面を考えると、拍手には「ありがとう」「おめでとう」「そのとおりだ」「がんばれよ」「よくやった」といったメッセージが込められている。これらのメッセージに共通しているのは、相手に対する友好や親和の気持ちである。
私は、このような相手に対する友好の気持ちと、拍手が作り出す音の特性――パチパチという音程が高い音――とがヒトの生得的な認知系の中で、無理なくつながるのではないかと推察している。
例えば、ヒトは男性であろうが女性であろうが、相手に友好的な信号を送ろうとするとき、知らず知らずのうちに声を高くする。恋人同士が親密にささやき合うとき、やはり、声は通常よりも高くなることが知られている。上司に許しを乞うために話しかけるときも声は高くなる。一方、相手に敵意をもっているときは、ヒトは声を低くする。威嚇や脅しの時の"ドスのきいた"声はその一例である。聞く側も、相手の声の高さによって、相手は自分に対して、友好的であるのか、敵意をもっているのかを無意識のうちに判断するのである。
ちなみの、この判断は、いわゆる「本能的」になされるものであり、経験による学習は必要ないことが知られている。
例えばワシントン大学の心理学者パトリシア・クールらの研究に端を発した一連の研究により、アメリカやヨーロッパでも、日本や中国でも、アフリカ諸国でも、母親や父親は、赤ん坊に声をかけるとき、声の音程を殊更に上げること。そして赤ん坊は、高い声で語りかけられたときの方が、微笑む頻度が高くなることが明らかにされている。
実は、低い声が敵意の信号として働き、高い声が親和、宥和の信号として働くことはヒト以外の多くの動物でも見られる現象である。イヌでも、大好きな飼い主を喜んで迎える時には高い声で鳴き、見知らぬ人間には敵意を示す時には「ウッ〜」と低い声でうなる。
アカジカは、ハレムの雌をめぐって2匹の雄が闘争するとき、互いにだんだんと鳴き声の音程を下げていく。そして、相手府がついてこられないくらい低い音程で鳴くことができた方の雄が勝ちになる。実際に角をぶつけて争う前に、「低い声を出せる個体のほうが体が大きく、自分は勝てない」という判断が、敗者の中で生じているのだろうと解釈されている。
そもそも低い声というのは大きな体でなければ出すことができず、直接の戦いに有利な自分の体の大きさを相手に固辞する意味があるのである。
相撲や野球、サッカーとったスポーツで、プレーヤーの名前を呼んで応援するときや歌舞伎で役者の屋号を呼んで応援するときも、たいてい声は高めである。
そして、拍手もまた、こうした親和の特性である"高い音"を産むことができる。ヒトの肌の物理的な特性により、手の平と手の平が速いスピードで当たると、あの「パチッ!」という高い音が出るのである。
声以外では、コンサート会場や、スポーツの試合などで応援するとき、「ピーッ! ピーッ!」という指笛を鳴らすこともあるが、これも音程は高い。
一方、プレーヤーに不満や敵意を表わすときにはどうだろうか。靴で床を踏みならしてバタバタという低い音を出したり、ブーイングと呼ばれる低い声を発するのである。
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どうでもいい、じじぃの日記。
『ヒトはなぜ拍手をするのか―動物行動学から見た人間』という本を見ていたら「なぜ友好的な気持ちを示すとき拍手するのか?」が出てきた。
動物の進化は感覚器の進化でもあるという。動物の感覚器は単純なものからだんだん複雑になっていった。
感覚器には視覚、嗅覚、味覚、聴覚、触覚らがあるが、コウモリのように超音波を発信するものまで現れた。
人間はこの感覚器をどのように進化、退化させてきたのだろう。
人間の感覚器官のうちで人間らしさという点から見た場合、もっとも発達させてきたのは声帯感覚ではないだろうか。
アナウンサーは世の中の情報をもっとも正確に伝えるという点で、もっとも発達した声帯感覚を使った職業の1つだろう。
この間、日本テレビの『所さんの目がテン!』で「どうして、中国人は怒った表情で会話するのか」というのをやっていた。
中国語の発音は複雑で、発音の仕方の違いで意味が全く変わるのそうだ。正確に伝えるために大きな声でしゃべるため、顔の表情まで変わるのだそうだ。
においに鈍感な私、動作の鈍い私は進化のどの辺のあるのだろうか。