じじぃの「声の進化は人類の進化!音のおもしろ雑学事典」

NHKスペシャル・ヒューマンなぜ人間になれたのか▽グレートジャーニーの果てに 動画 dailymotion
http://www.dailymotion.com/video/x4o1p8b
チンパンジーの鳴き声 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=Y0M4gbLYFkc&feature=related
Homo Erectus Trailer 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=vIdAZSqKg90
なぜチンパンジーやゴリラは知能が優秀なのに人間と同じ声が出せないのですか? 2011/2/2 Yahoo!知恵袋
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1354871473
ヒューマン なぜ人間になれたのか 第2集「グレートジャーニーの果てに」 2012年1月29日 NHK
6万年前にアフリカを離れ世界へ広がり始めた人類。グレートジャーニーと呼ばれるその旅は、大きな苦難の連続だった。世界は凍てつく氷期の真っただ中。熱帯生まれの我々ホモ・サピエンスにはあまりに過酷な環境だった。しかも行き着いた先にはすでに別の人類がいた。そのひとつがヨーロッパなど北方で進化したネアンデルタール人だ。屈強な体を持ち、狩りの名手だったこのライバルと祖先たちは生存競争を強いられる。身体的に圧倒的な不利な状況を優位に導いたのが、投擲具という人類最古の飛び道具だ。離れた位置から獲物を倒す技術が狩猟方法を革新し、ネアンデルタール人を駆逐していく。その力は人類の集団のあり方にも影響を与えた。罪を犯した者を罰する道具として使うことで、規律を強化し、そのサイズを数千人の規模にまで拡大させたのだ。集団の拡大は、道具を生み出す能力を飛躍的に向上させる原因となっていく。しかし一方、飛び道具の登場は果てしのない暴力の連鎖も引き起こした。その根幹にあるのは皮肉にも、人類に本能として備わっている「仲間を大切に思う心」にあったのだ。
第2回は投擲具という道具を軸に、規律心の進化と攻撃性の制御という現代にまで続く宿命に迫る。
https://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20120129
京都大学 霊長類研究所 Primate Research Institute, Kyoto University FEB/29/2008
私たちは、0から2歳までのニホンザルMacaca fuscataを対象に、定期的に頭頚部の磁気共鳴画像法(MRI)撮像を行い、喉頭下降現象を含む声道形状がどのように発達するのかを明らかにしました。声道は、唇から喉にある声帯までの空間のことで、声帯振動で作られる音源を共鳴させて実際に聞こえる音声を作りだすところです。ヒトでは、生後まもなくから9歳ころにかけて、声帯を含む喉頭器官の位置が下がり、のどの奥の空間(咽頭腔)が長くなる一方、顔面は平らなままで口腔があまり伸びません。これらの発達変化により、ヒトのオトナは、一息の短い間でも複数の音を連続的にすばやく発することができるようになります。
http://www.pri.kyoto-u.ac.jp/data/0206.html
人間の声 ウィキペディアWikipedia)より
人間、および鳥類以外の脊椎動物は普通、声帯を振動させることによって声を発する(有声音)。ただし、声帯振動を伴わない気息的な音(無声音)なども「声」に含む場合がある。また、仮声帯等、真声帯以外の襞の振動によっても似た音声が得られる。人間の場合は特に、言語のために調整された音声を指して声という場合もあり、より口腔などの共鳴、調音に重みがあるといえる。したがって「声は口で発せられる」という捉え方もあながち間違いではない。
発声は気道を(普通は真声帯の)声門閉鎖で遮り、そこに呼気圧を加えて息を流し込むことで声門が繰り返し開閉し、断続的な圧力変動(音波、喉頭原音)が生まれ、さらに声道による共鳴の効果で連続的な波形に整えられると同時に口腔や鼻腔、舌、歯、唇などの調音機構によって母音および子音が付加される。

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『知ってるようで知らない「音」のおもしろ雑学事典』 「音」雑学研究会/著 YAMAHA 2004年発行
声の進化は人類の進化! (一部抜粋しています)
なぜ人間は多様に声を操れるのだろう。他の生き物を見ても、人間ほど口やかましい動物はいない。なぜだろう。身体的にも遺伝学てきにももっとも人間に近いといわれるチンパンジーだってこんなにぺらぺら話さない。
人間とチンパンジーの発声器官を比較してみよう。ヒトの喉頭は、チンパンジーのそれよりも奥深くに位置する。喉頭の上にはパイプオルガンの共鳴管のような役割をする喉頭があって、声帯から発せられた声はここで豊かな音を持つことになる。一方チンパンジーは、喉頭の位置が高く、喉頭の容積が小さいため、舌があまり自由に動かず、人間のような発声はできない。人間のような発声をするのにもっとも必要とだれるのが喉頭上部から口までの管状の長さなのである。
言語の使用は人類特有のものである。その言語がどのようにして発生したか。長い地球の歴史の中で生物が誕生したのが35億年以上も前であることを考えれば、人類の誕生や、またそれ以上にヒトの発声器官の進化はつい最近のことであるといえる。
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外見の進化についておおざっぱにいえば、直立二足歩行(最古の段階の化石人類である猿人のころよりはじまっていた)を続ける過程で、いままで体の前に突き出ていた頭が首の上に位置するようになり、鼻と口と顎が奥に引っ込み。平坦な顔へと進化していった。このため、いままで喉頭があった場所に喉頭がおさまるスペースがなくなり、喉頭は下のほうへ下がった。ヒトは食べ物を手で口に入れるようになり、これまで、噛みつくための武器として形を整えていた口や歯は退化した。そうなるまでには、人類が原人から新人(現代人の種であるホモ・サピエンス)へと進化するまでの年月を要していると思われる。ホモ・エレクトスホモ・サピエンスの祖先)が出現する頃には、脳容量が増大していたといわれるが、そこにどのくらい年月が費やされているかは正確にはわかっていない。
母胎内で、胎児は人類の進化のひととおりの過程を経る。魚類から両生類、爬虫類、そして哺乳類となり、人間の形になって生まれる。生まれたときは、発声のための管状が短い。新生児は、喉頭が高い位置にあるのだ。喉頭が高い位置にあると、前述の通り、発声がままならない。幼児は単に、言葉を教わっていないから話せないというだけではなく、まだ人間の発声ができるような咽頭の作りにはなっていないのである。
人間は呼吸しながら水を飲むことはできない咽頭の作りになっているが、乳児はお乳を吸いながら呼吸することができる。人間以外の哺乳類は、飲食と呼吸を同時に行うことができる。食べ物が気管に入るのを防ぐために、喉頭が高い位置にあるのだ。人間の幼児は18ヵ月を過ぎると、喉頭咽頭の奥に移動しはじめる。二足歩行できるようになると、頭骨の回り込みによって呼吸領域の天井が収縮し、喉頭の位置が下がり、音素と音素を組み合わせて言葉を発話できるようになる。これが2歳前後である。発声のために必要となる管状(咽頭から口唇部まで)ができあがったためである。
そして14歳では成人と同じ位置になる。ここで、人類進化の歴史にまた戻ろう。ホモ・サピエンスの特徴として顔面と頭蓋が著しく収縮していたことに注目したい。この顔面と頭蓋収縮が、音素の組合せからなる言葉を生み出したという説もある。人間の14歳というと、変声期を経てやっと声が落ち着く頃である。人間の2歳から14歳にかけての発声器官の発育は、人類の進化におけるホモ・サピエンスから現代人への発声器官の進化になぞられることができるのかもしれない。
しかし、咽頭の位置が下がり、咽頭すなわち共鳴空間の広がりができたことによって声は生み出された結論しても。それは声発生のメカニズムを説明しただけである。ではコミュニケーションの媒体となる言葉はどのようにして作られたのだろう。
集団生活に必要なある種の意思伝達が、生活様式の複雑化にともなってさらなる効率的なものを求めるようになった。おそらく、もともと類人猿が発していた叫び声やうなり声の類が増え、組み合わされ、それが普遍的な表現として認識されていったのだろう。そして社会的、経済的に変わりゆく生活に適応する必要性に迫られて、徐々に言葉が形成されていったのだろう。

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どうでもいい、じじぃの日記。
『知ってるようで知らない「音」のおもしろ雑学事典』にこんなことが書かれている。
「母胎内で、胎児は人類の進化のひととおりの過程を経る。魚類から両生類、爬虫類、そして哺乳類となり、人間の形になって生まれる。生まれたときは、発声のための管状が短い。新生児は、喉頭が高い位置にあるのだ。喉頭が高い位置にあると、前述の通り、発声がままならない。幼児は単に、言葉を教わっていないから話せないというだけではなく、まだ人間の発声ができるような咽頭の作りにはなっていないのである」
我々人類だけが言葉を話すというのはどこからきたのだろうか。
生まれたばかりではチンパンジーと人間の間で喉頭(のど仏)器官の位置にさほど差がないのだそうだ。
生まれてから成長するにつれて喉頭器官の位置が下がり、のどの奥の空間(咽頭腔)が長くなった。そして唇から喉にある声帯までの空間が声帯振動で作られる音源を共鳴させて口から音声として発するようになった。
ネアンデルタール人の脳容量は現生人類より大きかった。ネアンデルタール人が滅びた原因ははっきりしていないが、彼らは現生人類と比べ喉の奥が短かかった。このため言語を発声する能力が低かった可能性があるのだそうだ。
「直立二足歩行が人間を進化させた」と一般的に言われているが、ネアンデルタール人も直立二足歩行をしていたのである。ペンギンだって、鳥だって直立二足歩行をしている。
直立二足歩行によって、手が自由になり、道具を作るようになった。ネアンデルタール人も道具を作っていたのである。
ネアンデルタール人と我々人類を分けたのはなんだっただろう。喉の奥がほんのちょっと我々人類より短かかったことで会話能力が劣り、ネアンデルタール人が滅びたのだろうか。
のど仏が大きいからといって利口な感じはしないが、確かに上手な会話をする人は利口そうに見える。