じじぃの「セリウムという金属について調べてみた」

レアアース 別の金属使う技術 動画 YouTube
http://www.dailymotion.com/video/xezoni_yyyyy-yyyyyyyy_tech
レアアース内モンゴルバヤン地区包頭鋼鉄グループの企業展開 2010年10月27日 「日本貿易の将来像」
白雲鉱区(バイユン/バイヤン/バヤン-こうく)は中華人民共和国内モンゴル自治区包頭市の北部に位置する市轄区。ランタンやセリウムなどの軽希土類元素に富む世界最大級の希土類元素鉱床である白雲鄂博(バヤンオボー/バイユンオボ)鉱床があり、中国包頭鋼鉄グループにより露天掘り採掘が行われている。
http://qyj00653.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-5dd2.html
白雲鉱区 露天掘り (GoogleMapより)
ガラス研磨におけるセリウム使用量の低減技術を開発 2010年9月16日 NEDO
http://app3.infoc.nedo.go.jp/informations/koubo/press/EF/nedopress.2010-09-15.6199820169/
サイエンスZEROレアアースが足りない! 代替技術を開発せよ」 2011年2月26日 NHK教育
【ゲスト】物質・材料研究機構 原田幸明 【コメンテーター】東京大学大学院教授 鈴木真二 【司会】安めぐみ、山田賢治 【語り】田中秀喜
去年、中国からの輸入が一時停止したレアアースレアアースは微量で物質の性質を大きく変えることから「産業のビタミン」とも呼ばれ、省エネ家電やハイブリッド自動車の製造には欠かせない存在だ。国内でレアアースを生産できない日本では、代替技術の開発が急ピッチで進められている。
代替技術の開発が進んでいるレアアースのひとつがセリウム。セリウムは日本で最も多く使われているレアアースで、液晶ディスプレイや磁気ディスクの基盤などさまざまなガラスを磨く研磨剤に、酸化セリウムとして使われている。酸化セリウムには、ガラスと化学反応を起こして「水和膜」をつくる性質があり、この水和膜を削ることで表面をなめらかに磨くことができる。その酸化セリウムの代替技術として開発されたのが、研磨パッドにエポキシ樹脂を使う方法だ。この方法では、酸化セリウムではなく、酸化ジルコニウムという比較的ありふれた元素を研磨剤に使っても、酸化セリウム以上の研磨能率を上げることができるのだ。
http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp336.html
セリウム フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』 (一部抜粋しています)
セリウム (Cerium):原子番号58の元素。元素記号は Ce。希土類元素の一つでランタノイドにも属す。
【用途】
酸化物が研磨剤として用いられるほか、ガラス添加剤、製鋼原料、触媒としても使用される。化学反応における酸化剤としての用途は、使用量こそ少ないが非常に重要である。
・ガラス研磨剤
 1960年代から鉱物(バストネサイト)酸化物が用いられ、光学レンズ研磨に欠かせないものとなった。単に硬度が高いだけでなく、酸化セリウムやフッ素がガラスと化学反応を起こす、化学機械研磨(CMP)が生じることが特長で、液晶パネルや水晶・石英などケイ酸系の宝石研磨に利用される。
・電子部品研磨剤
 他の希土類を抽出除去した高純度酸化セリウムがフォトマスク、ハードディスクなどのガラス基板、多層化集積回路の層間絶縁膜平滑化に用いられている。
・紫外線吸収剤
 酸化セリウムは屈折率が大きく紫外線をよく吸収・遮蔽するため、サングラスなど紫外線遮断(UVカット)ガラスや化粧品に用いられる。
蛍光体
 青い蛍光を発することから、ブラウン管に利用されてきた。1997年、YAGにセリウムを添加した黄色蛍光体青色発光ダイオードの補色とすることで、白色LED灯が初めて商品化された。また、蓄光材料としても用いられる。・顔料
 酸化セリウムが黄色系顔料の成分として使用されるほか、ガラスに添加して淡い黄色に発色させる着色剤、酸化雰囲気にして鉄分による着色を打ち消す脱色剤として利用される。
【産出】
レアメタルであり資源としては、中国、旧ソ連アメリカ、西オーストラリア、インドの埋蔵量が多く、日本でも少量産出する。
産出量は約90%を、中国内陸部で磁鉄鉱副産物の複雑鉱石から精製されるものが占めており、次いでアメリカ、旧ソ連、インドとなっている。中間製品の輸出国としては他にフランス、台湾もあげられる。

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『おもしろ サイエンス レアメタルの科学』 レアメタルと地球の研究会/著、山口 英一/監修 日刊工業新聞社 2008年発行
希土類元素の一般的な活用−−それはガス灯から始まった (一部抜粋しています)
希土類元素の最初の発見は、18世紀後半にスウェーデンの小さな村だったといわれています。そして、19世紀にはその大部分が発見され、20世紀になって「ユウロピウム」「ルテチウム」「プロメチウム」の3元素が発見されました。ユウロピウムは、それまでサマリウムとされていたものから、ルテチウムイッテルビウムと思われていたものからの発見です。また、プロメチウムは、鉱物の中には含まれず、放射線元素として存在しているもので、第二次大戦中に原子爆弾の開発計画の副産物として発見されました。
希土類元素が一般的に使用されたのは、ガス灯でした。1885年のことです。ガス灯の発光体のマントルに、「セリウム」「トリウム」の混合物が使われたのです。繊維の長い木綿で作った編み状の筒を、「セリウム」などの酸化物を水に溶いたものに浸し乾かしたもので、「ガス・マントル」と呼ばれ、その放つ強い白色光は数十ワットの電球に匹敵します。日本でも、東京の銀座の街を照らしました。
そして、さらに一般的なものにも使われます。ライターです。ライターの発火合金として1903年にオーストラリアのフォン・ウェルネスバッハが発明しました。彼は、「ランタン」「セリウム」などを鉄やマグネシウムと合金にして、それを削ると火花を発することを発見し、それを歯車方のヤスリで削り、発火させました。このライターの石の主役でもある「セリウム」は眼鏡やブラウン管、レンズ、ガラスの研磨材として、とくに日本のカメラ産業を支えたものの1つであり、さらに、永久磁石やコンデンサ、ガラスなどの添加剤にも使われています。ライターの石は、日本でも1946年から生産が始まり、100円ライターの出現へとつながっていきます。

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どうでもいい、じじぃの日記。
3/4、再放送であったがNHKサイエンスZERO』の番組で「レアアースが足りない! 代替技術を開発せよ」を観た。
司会の安めぐみさんが虫メガネ片手にシャーロック・ホームズを気取って都内の家電量販店に入って行く。
カメラ置き場で虫メガネで覗いている。何があるのだろうか。レアアースのひとつセリウムの痕跡を探しているらしい。
去年、中国からの輸入が一時停止したといわれるレアアースが話題となった。
こんな騒ぎがあるまでセリウムという金属を知らなかった。
ネットで「中国 セリウム」をキーにして調べてみた。
セリウムはランタノイドの中の1つ。ランタノイド原子番号57から71まで、ランタン、セリウム、プラセオジムネオジムプロメチウムサマリウムユウロピウムガドリニウムテルビウム、ジスプロシウム、ホルミウムエルビウム、ツリウム、イッテルビウムルテチウムの15の元素の総称をいう。セリウム (Ce)は原子番号58の元素だ。研磨剤として用いられるほか、ガラス添加剤、製鋼原料、触媒などに使われている。
レアアース希土類元素)はスカンジウム原子番号21)、イットリウム原子番号39)にランタン〜ルテチウムランタノイドを加えた17元素からなるグループをいう。
レアメタル希少金属)は非鉄金属のうち、様々な理由から産業界での流通量・使用量が少ない希少な金属のことをいう。レアメタルは様々な製品に利用され「産業のビタミン」と呼ばれるほどになった。
レアメタルで一番高価な金属は白金、パラジウムインジウムで産出量が少ない金属ほど高価だ。
素材としてなくてはならない必須金属のことをクリティカルメタルという。クリティカルメタルはベースメタルの銅と亜鉛、貴金属の金、銀、白金族、レアメタルタングステンインジウムガリウムなど約11元素(レアアースはまとめて1元素と数えている)などが該当する。
レアメタルの資源は、中国、旧ソ連アメリカ、西オーストラリア、インドの埋蔵量が多く、産出量の約90%を中国が産出している。レアアースは中国内陸部で磁鉄鉱副産物の複雑鉱石から精製されるものが多く占めている。
レアアースは中国(モンゴル自治区など)が世界の産出量のほとんどを占めており、近年の産出量の半分以上を中国のバヤンオボー鉱床とイオン吸着鉱鉱床で産出しているようだ。
去年、中国の輸出制限のうわさが出たが、酸化ランタンや酸化セリウムは輸出制限はあったものの輸出されていたようだ。ネットで調べたらセリウムは1500%近く値上がりしている。
画面にガラスを研磨している映像が出てきた。
研磨に使われている液状の酸化セリウムがガラスの周りに泥状となって流れている。
酸化セリウムには、ガラスと化学反応を起こして「水和膜」を作り、この水和膜を削ることで表面をなめらかに磨くことができる。
現在の技術では酸化セリウムを使って研磨したものが一番透明度が高くなるのだそうだ。
そして日本で発売されている光学レンズや液晶パネルのほとんどがこの酸化セリウムで研磨されたものだ。
2009年の世界のデジタルカメラではキヤノンソニーニコンの3社が世界シェアのほぼ半分を占めている。韓国のサムスンが追いあげている。
液晶テレビ、携帯電話など韓国のサムスンの安価攻勢で日本のメーカーは苦戦しているようだが、光学機械で日本が世界シェアを独占しているのは研磨技術が優れているのかもしれない。
研磨剤に使う、この酸化セリウムが手に入りにくくなっている。
酸化セリウムの代替技術として開発されたのが、研磨パッドにエポキシ樹脂を使う方法だ。
ガラス研磨に最適な研磨パッド材質の精査を行った結果、研磨パッド材質にエポキシ樹脂を適用した場合従来研磨の2倍を超える研磨能率が達成されることが分かった。
そして光学ガラスの研磨に使用されているジルコニア砥粒は多孔質ウレタン樹脂パッドでは酸化セリウムに対して4割程度の研磨能率だが、多孔質エポキシ樹脂研磨パッドと組み合わせることで、従来研磨をはるかに上回る研磨能率を達成することが判明した。
すなわち、研磨パッド材質にエポキシ樹脂を使い、酸化セリウムの替わりに安価な酸化ジルコニウムを使うことで従来品より研磨効率を50%改善したのだ。
研磨という地味な技術が日本の高度な科学技術を支えている。