じじぃの「シロクマばっかし!奇想天外な科学実験」

ホッキョクグマの双子赤ちゃん 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=pes5HmkXXgQ
『奇想天外な科学実験ファイル―歴史を変えた!?』 アレックス・バーザ/著 鈴木南日子/翻訳 エクスナレッジ 2009年発行
頭から離れないシロクマ (一部抜粋しています)
この実験は簡単な依頼から始まる。部屋に座り、頭に浮かんだことをすべて話すのだ。これを5分間やってみよう。あなたは気軽に話しはじめ、気づけば時間がたっていることだろう。次にこんな依頼をされる。「今やったように、頭に浮かんだことをまた言葉にしてください。でもひとつ例外があります。今回はシロクマのことは考えないようにしてください。それでも『シロクマ』という言葉、または『シロクマ』そのものが頭に浮かんだら、その都度、前のテーブルにのっているベルを押してください」
「え? シロクマだって? そんなに難しいことではないだろう。シロクマのことなどめったに考えないのだから」とあなたは思うのかもしれない。ところがこの依頼通りにするのは、思いのほか、ずっと難しいことがわかる。話しはじめると、のしのし歩くシロクマの姿が突然頭に浮かぶのだ。どんなにがんばっても、このイメージを消すことはできない。あなたはシロクマから注意をそらそうと、次の歯医者さんの予約だとか、床の模様のことを考えてみるが、どれもうまくいかない。どうしてもシロクマがあなたの頭に戻ってきてしまうのだ。
1987年、心理学者ダニエル・ウェグナーがこのシロクマ実験を考え、トリニティー大学の学部制10人を対象に実地したところ、シロクマのことを考えずにいられた学生は一人もいなかった。次の文章を読んで、この被験者がどれだけフラストレーションを感じていたか想像してみてほしい。
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実験はそれで終わりではなかった。次にウェグナーは、学生たちに頭に浮かんだものをすべて話すように依頼した。今回はシロクマのことを考えてもいい。すると驚いたことに、学生たちはもはやシロクマのことを考えるというレベルではなく、シロクマのことで頭がいっぱいで、ベルを鳴らしつづけた。それとは反対に、結果を比較するための対照群として、別の学生10人にシロクマのことをよく考えるように指示したところ、最初のグループよりずっとベルを鳴らす回数が少なかった。ウェグナーはこうしてリバウンド効果を発見した。初めにシロクマについて考えることを抑制したところ、結果的にシロクマに執着してしまったのである。
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この場合のシロクマは、不本意な思考を象徴している。たとえばある食べ物やたばこ、アルコール、別れた恋人のことなどが頭から離れなかったとしたら、それは不本意な思考と慣れ合いになっている証拠だ。ウェグナーの実験からわかるように、自分の考えをコントロールしようとすればするほど、コントロール不能に陥る。
しかし本当の問題はリバウンド効果にある。たとえばダイエットに成功して、その後も数週間にわたり自分の要求との闘いに打ち勝っていたとしよう。食べ物のことなど考えなくなったころ、社内パーティーがあり、誰かがあなたにカップケーキを手渡す。こうなるとダムが決壊したようなものだ。気がつけば、トレーにのっていた食べ物をすべてたいらげ、ナチョスの入ったボウルも空にしようとしている。抑制が執着に変化したのだ。
これは悪化の一途をたどる。リバウンド効果で、抑制と執着のサイクルがエスカレートするからだ。ウェグナーはこう記している。「人々は通常以上にマに蚊に夢中になっているのに気づくと警戒する。恐らくそのため必死に抑制努力を行うようになり、また新たなサイクルが始まる・・・・。こうして最終的には病的レベルの脅迫観念を持つようになる」
この時点まで来ると、部屋の隅っこにうずくまり、口から泡を飛ばして「シロクマ! シロクマ! シロクマ!」と叫んでいることだろう。
ウェグナーの実験は風変わりながら、現在では近代心理学の古典的実験と見なされている。この実験のおもしろいところは、誰でも自分でできる点だ。この本を置いて、しばらくシロクマのとこを考えないようにしてみよう。ただしすでに警告したように、招かれざるシロクマを追い払うのは非常に骨が折れるので注意が必要だ。

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どうでもいい、じじぃの日記。
『奇想天外な科学実験ファイル―歴史を変えた!?』という本を見ていたら「頭から離れないシロクマ」が出てきた。
「これからしばらくの間、何を考えてもかまいません。ただし、シロクマのことだけは絶対に考えてはいけません」
すると、言われた方はシロクマのことを考えないように努力し始める。しかし、努力すればするほど、シロクマのことが頭に浮かぶというというもの。
こんなことは、他にもありそうだ。
ダイエット中の女性の目の前にケーキを置いて、
「これからしばらくの間、何を考えてもかまいません。ただし、ケーキのことだけは絶対に考えてはいけません」
と言われたら、考えるどころか、ケーキを食べてしまうのではないだろうか。
禁煙中の男性の目の前にタバコを置いて、
「これからしばらくの間、何を考えてもかまいません。ただし、タバコのことだけは絶対に考えてはいけません」
と言われたら、考えるどころか、たちまちタバコが煙に化けてしまうのではないだろうか。
これは抑制と執着のサイクルから、悪化の一途をたどる「リバウンド効果」といわれるものだ。
さあ、あなたもやってみましょう。
パソコンの前にミカンはありません。
ミカンなんかを置いたことで、ミカンに手を伸ばしたくなったり、頭の中がミカンだらけにならないようにするためです。
「これからしばらくの間、何を考えてもかまいません。ミカンも考えてかまいません」
では、5分間、さっき言ったミカンのことは忘れて冥想してみましょう。