じじぃの「未解決ファイル_78_イルカ」

バブルリングで遊ぶイルカ 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=m_z1YeRW0Gg
白イルカの鳴き声 動画 @niftyビデオ共有
http://video.nifty.com/cs/catalog/video_metadata/catalog_080115055335_1.htm?nwsThough=1
『イルカ・クジラ学―イルカとクジラの謎に挑む』 村山司/森恭一/中原史生/編 東海大学出版会 2002年発行
バンドウイルカの行動と社会の謎に挑む−社会行動 (一部抜粋しています)
遊びの天才−遊びにみるバンドウイルカの行動の多様性
バンドウイルカは、本当に遊び好きである。
彼らが"波乗り"の名人であることはよく知られている。私も小笠原や御蔵島で"波乗り"するイルカを頻繁に見てきた。こうした場所に捕食者(大型のサメなど)がこられないからそうした行動を好むのだという理由も考えられるが、ボートなどが危険すぎてとても近寄れない大きな潮波やうねりの中で、波に身体をすべらせるようにして高速で移動し、水しぶきをあげながら社会行動にふける彼らの姿を見ると、その状況を"楽しんでいる"ように思えてならない。この"楽しさ"は、彼らが自分を取り巻く多様な環境を一歩一歩ながらも上手に利用できるようになるための原動力になっているのだろう。
道具を使った遊びもする。海藻やビニール袋などを、背ビレや胸ビレ、時に尾ビレにひっかけて泳ぎ、それを他の個体と奪い合ったり、渡し合ったりする。相手が観察者や観光客などのヒトであっても、"参加"させてくれることがある。
奇妙な遊びもする。餌生物の"キャッチボール"である。よく見られるのは、食べかけの少し大型の魚の尾部を使ってのものだ。この遊びも相手がヒトであっても構わないようで、私も本格的に小笠原の調査を始めた1993年に、一度だけ参加したことがある。地元のダイビング事業者によって10円ハゲと名づけられた立派な体躯の雌を観測していたときのことだ。彼女が、口にくわえていたシマアジの尾部をまるで、「どうぞ」といわんばかりに、私の眼の前で放ったのである。「えっ」と戸惑っている間と、浮き袋もない肉の固まりの予想以上の沈降の速さのために、まさに泡をふきながら潜ったものの、もう少しのところで"キャッチ"できなかったことは今でも忘れられない悔しい想い出だ。さらに、苦しくなり必死に浮上していく私のまわりをピーピーと大きなホイッスル音を出しながら「君、潜り方ヘタだね」と言わんばかりにサークルスイムした10円ハゲの"態度"に対する悔しさはさらに強く、生涯忘れられない思い出となりそうだ。また、このような"道具"に生きたままの餌生物を用いることもある。母子のイルカが、傷ついてふわふわっと程度にしか泳げなくなったカワハギを、くわえては離し、くわえては離しと、まさに"キャッチボール"しているのを、実際に観察したことがある。遊びというより、子イルカの餌の捕獲の練習に役立つ重要な行動なのかもしれないが、カワハギには迷惑な話である。
噴気孔から出す泡で水中にリングを作って遊ぶという行動も、飼育個体を中心に近年多数報告されている。米国の水族館のバンドウイルカはリングを作るだけでなく、形を変えてみたり、中をくぐってみたりする。さらには、ひとつリングを作った後にふたつ目のリングを作り、その結合の具合を"楽しむ"こともある。この際には先に作ったリングの質を評価してから、ふたつ目を作るか作らないかの判断をするという。また、噴気の泡のリングだけでなく、尾ビレをぐっと力強くかくことでリングを作ることもある。イタリアの水族館で飼育されている生後1年に満たない2頭のバンドウイルカたちは、水面に位置させた尾ビレを力強く水中へとかき込み、ザブンッとたくさんの気泡を水中に取り込んで泡のカーテンを作り、そこに切った刀をかえすように身体を反り返らせながら尾ビレで一蹴り入れ、自分の進行方向に口を開いた直径60㎝ほどのリングを作る。このリングを、後ろを泳いでいた相棒が、壊さないようにやさしく"押して"みたり、噛んで壊してみたり、通り抜けてみたりして遊ぶ。さらに、こうした行動が、他の個体を見て学んだのではなく、彼ら自らで"発明"し行うようになったと報告されているのも驚きである。
バンドウイルカの遊び好きさ、そして、その遊びの独創さと多様さは、まさに底が知れない。こうした多彩な遊びと、彼らが持つ多様な行動と複雑な社会は、切り離して考えることはできない。

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どうでもいい、じじぃの日記。
去年の2月、NHK BS 世界のドキュメンタリー 「人と友だちになりたかったシャチ、ルナ」を観た。
仲間とはぐれて、カナダのバンクーバー島の入り江に住み着いたシャチの子ども"ルナ"のドキュメンタリー番組だった。
チンパンジーが親から離れて人の手で育ったかのように、甘えるルナ。船にまとわりつく姿を見て、いつか船のスクリューに巻き込まれてしまうんではないかと思いながら見ていた。
一番、感動的だったのは船にまとわりついて遊んだ後、船が港に帰ろうとしたとき、船のへさきを移動させ帰させまいとする姿だった。船が停止し、人がルナを見ていると猫のように安心してひっくり返りお腹を見せて横たわる姿だった。
シャチもイルカもクジラも同じクジラの種で、クジラなんかは大型のイルカと見なしてもいいのだそうだ。
ときどき、テレビでイルカが人間を助けるという話を聞いたりすることがある。イルカは人間を自分の友達とでも思っているかのような行動をする。
人間でもおバカな人間は気がつかないが、賢い人間はおバカのやることがよく分かるようだ。
イルカは人間が気がつかないことで、人間をよく観察しているのかもしれない。
今、バンクーバー島の近くでバンクーバー冬季五輪が行われている。