じじぃの「未解決ファイル_71_RSA暗号」

量子コンピューター実現に不可欠な技術開発 東大 2017年1月3日18時37分 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=n0oP-S5JIss
PGP Data Encryption 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=P5eMxXaGSVg&feature=related
サイエンスZERO 「放送ネット社会を守れ! 究極の量子暗号」 (追加) 2011年7月2日 NHK Eテレ
【ゲスト】東京女子大学教授 黒崎政男 【コメンテーター】情報通信研究機構量子ICT研究室室長 佐々木雅英 【司会】安めぐみ、山田賢治
インターネットの安全を守る究極の技術として期待を集めているのが「量子暗号」です。電子や光子が不思議な振る舞いをする量子力学の法則を使うことで「絶対に破られない」暗号をつくることが可能だというのです。
現在インターネットで使われている主な暗号は、「共通鍵暗号」と呼ばれる方式と「公開鍵暗号」と呼ばれる方式があります。しかし「共通鍵暗号」は、「共通鍵」となる情報をネット上で共有することが難しく、また「公開鍵」は、鍵の情報が第三者に解読されてしまう危険があるという欠点がありました。
そこで「量子暗号」を使って共通鍵をつくるという方式の開発が進められています。
1個の粒子が同時に2ヵ所に存在したり、送っていないはずの情報が受信側に突然あらわれるという、量子力学の不思議な法則を利用した暗号とはどんなものなのか?その開発最前線に迫ります。
http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp352.html
暗号史 ウィキペディアWikipedia) より
【鍵配送問題と公開鍵暗号
コンピュータの性能が向上するにつれ、暗号の安全性は、コンピュータをもってしても解読を防げる程度にまで達したが、暗号技術は別の壁にぶつかる。
共通鍵暗号で通信をするには予め鍵を相手に送っておかなければならないが、その鍵を暗号化せずにそのまま送信すれば第三者に盗まれてしまう。安全に鍵を配送するのは多額のコストがかかり、これが鍵配送問題と呼ばれる問題である。 鍵配送問題の例として、敵国に侵入したスパイに暗号鍵を送信していると推測される放送もある(ナンバーステーション、乱数放送)。
鍵配送問題を解決すべく、1976年にホイットフィールド・ディフィDiffieとマーチン・ヘルマンHellmanが公開鍵暗号系の概念を提案する(Diffie-Hellman鍵共有)。これは共通鍵暗号系と違い、暗号化と復号に別の鍵を使う、というアイデアである。暗号化の鍵は誰でも入手できるように公開してもよく、送信者はその公開鍵で暗号化して送信し、受信者は復号鍵で平文に戻す。公開された暗号化鍵では復号できず、復号鍵は受信者しか知らないので、通信の秘密は保たれる。
具体的な公開鍵暗号方式として有名なRSA暗号はその翌年に発表された。その後、ラルフ・マークルMerkleとヘルマンの二人が公開鍵暗号方式であるMerkle-Hellmanナップサック暗号を提案したが、この暗号方式は後に解読されてしまった。暗号ソフトウェアはフリーウェアとして公開されているPGPなどもあり、誰でも安心して通信できるようになった。
現在ではもっぱらソーシャルエンジニアリングによる鍵や情報の流出の危険性のほうが問題となっている。コンピュータのパスワードを複雑なものにする、パスワードのメモを机やゴミ箱に放置しないなどの対策が必要となる。
【量子暗号への展望】
典型的な暗号方式であるRSA暗号の信頼性は、大きな数の素因数分解が困難なことに依存している。もし量子コンピュータが実現したとしたら、素因数分解が短い時間で可能になるのでRSA暗号は破られることになる。
量子(現在のところ光量子)を利用した量子暗号も研究が行われている。

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素数の音楽』 マーカス・デュ・ソートイ/著 冨永星/翻訳 新潮社 2005年発行
インターネット暗号技術の誕生 (一部抜粋しています)
人間が互いに連絡をとりあえるようになってからというもの、常に、秘密裏にメッセージを伝える方法が必要とされてきた。われわれの祖先は、重要な情報が敵の手に落ちるのを防ぐために、メッセージの内容を偽装しようとさまざまな興味深い方法を編み出した。なかでももっとも古いもののひとつに、2500年前にスパルタ人が編み出した方法がある。この場合、送り手と受散手はまったく同じ寸法のスキュタレーという筒を持っている。送り手は、メッセージを暗号化するために、まず、スキュタレーに細い羊皮紙の帯を螺旋状に巻き付けて筒を覆い、その羊皮紙にスキュタレーの長い方向に沿ってメッセージを書く。羊皮紙をスキュタレーからはずすと、書かれていることは一見まったく意味をなさず、寸分たがわぬ筒のまわりに巻かないかぎりメッセージは読めないのである。その後も、次々に巧妙な暗号法が編み出された。このような機械的な暗号装置の究極の姿ともいえるのが、第2次大戦中にドイツ軍が使用した「謎(エニグマ)」だった。
しかし1977年までは、秘密のメッセージを送ろうとすると、必ずある問題がついてまわった。メッセージを送る前に、送り手と受け手がどのような方法で情報を暗号化するか、あらかじめ打ち合わせておかなかればならないのだ。たとえばスパルタの将軍の場合、使うスキュタレーの寸法を打ち合せておかねばならなかった。量産されたエニグマの場合もベルリンのドイツ軍は諜報員を派遣して、Uボートの艦長や戦車部隊の指揮官にメッセージを暗号化する機械の日毎の設定について詳細に記した文書を届けなければならなかった。このコードブックが敵の手に落ちれば、当然一巻の終りだ。
このような暗号システムをインターネットでの商売に使った場合、どのようなことが起こるのだろう。インターネットショッピングする消費者は、まず銀行との取引に必要な情報を安全に送るための暗号化方法について、ウェブサイトの運営会社から秘密のメールを受け取る必要がある。ところが、インターネット上には膨大な量の情報が流れており、これらのメールを横取りされる可能性は非常に高い。こうして、新興の光速グローバルコミュニケーション時代にふさわしい暗号システムを開発する必要が生まれた。戦争中にブレッチリー・パークでエニグマの暗号を解読したのが数学者であったように、次世代の暗号を作り出し、スパイ小説の中のものだった暗号法を現実の世界に持ち込んだのも、やはり数学者だった。そして、この数学的な暗号を元にして作られたのが、公開鍵暗号とばれる暗号なのである。
情報の暗号化とその解読を、ドアの鍵をかけたりあけたりすることにたとえてもみよう。従来のドアでは、鍵をかけるのにも開けるのにも同じ鍵を使う。エニグマの機械でも、メッセージを暗号化するときと複合するときの設定は同じだった。この暗号の「鍵」と呼ばれる設定は、秘密にしておかなければならない。理屈の上では、受け手と送り手が遠く離れれば離れるほど、メッセージをロックしたり開けたりする鍵を届けるのは難しくなる。スパイの元締めが、数人の諜報員から秘密裏に報告を受けたいと思ったとしよう。ただし、諜報員には互いのメッセージが読めないようにしておきたい。この場合、すべての諜報員に別々の鍵を届けなければならない。さらにここで、相手が2、3名の諜報員ではなく、何百人もの熱心なインターネット上の消費者だったとしたらどうだろう。別々の鍵を渡すという作業は不可能、とまではいわなくても、事実上悪夢となる。そもそも、消費者はウェブサイトを訪れてもすぐには注文できず、情報を暗号化する鍵が届くのを待たねばならなくなる。これではWWWは、ワールド・ワイド・ウェブ(世界を網羅したクモの巣)ではなく、ワールド・ワイド・ウエイト(世界を網羅した遅延)になってしまう。
公開鍵暗号は、いわば2種類の鍵がついたドアのようなものだ。ドアを閉めるときはAという鍵を使い、開けるときにはそれとは別のBという鍵を使う。これなら鍵Aを秘密にする必要はまったくない。Aをもっていても侵入できないのである。いま、企業のウェブサイトの、セキュリティーを必要とする部分の入り口にこのようなドアがあるとしよう。すると企業は、ウェブサイトを訪ねてクレジットカード番号のような個人情報を内密に贈りたいと思う人すべてに、気軽に鍵Aを渡すことができる。個人情報を暗号化するのに使う鍵はみな同じなのに、他の人が暗号化したメッセージを読むことはできない。データが暗号化されると、本人にすら読めなくなるのだ。Bという鍵を持っているのはウェブサイトを運営している企業だけで、この企業だけが、ドアを開けてクレジットカード番号を読むことができるのである。
公開鍵暗号がはじめて提案されたのは、1976年のことだった。カリフォルニアのスタンフォード大学に在籍するふたりの数学者ホイットフィールド・ディフィとマーチン・ヘルマンが、その独創的な論文のなかでこの暗号法を提案したのである。ふたりは、従来暗号法を独占していた政府諜報機関に反旗を翻そうという暗号法のカウンターカルチャーの火付け役となった。特にディフィーは典型的な反体制派で、1960年代の申し子ともいえる長髪の若者だった。ふたりの意見は暗号法が政府のドアの向こう側でけで論じられるのはよろしくないという点で一致しており、みんなの利益のために自分たちの着想を喜んで公表しようと考えていた。実はすでにいくつかの国の政府安全保障部門がこのような暗号システムの研究を進めていたのだが、これらの政府機関はその成果を定期刊行物で公表することもなく「極秘」という居んを押して隠していたのである。だが、その事実が明るみに出たのははるか後のことだった。
スタンフォードのふたりの手になる「暗号学の新しい方向」という論文は、暗号化や電子セキュリティーの新時代の到来を告げるものだった。

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どうでもいい、じじぃの日記。
「中国撤退か?グーグル」のニュースが流れている。
グーグルの報道によると、中国のサイバー攻撃が人権活動家のグーグルのGmailを狙ったものということが分かった。
インターネットのアドレスに「@gmail.com」があるものが攻撃対象になったらしい。
グーグルは、これまで利用の希望者にメール内容を暗号化するサービスを提供していたが、処理に時間を要するため「オプション」サービスとしていた。今回それを改め、暗号化を全面採用することにした。
中国共産党は党の存亡をかけて、グーグルと戦っているのである。