じじぃの「砂漠緑化」考

砂漠に森を蘇らせる 動画 YouTube
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『本質を見抜く力』 環境・食糧・エネルギー 養老孟子&竹内公太郎 PHP新書 (一部抜粋しています)
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竹村 当然、日本人も水に依存しており、、日本では水が足りているかということが議論になることがあります。
総体的に見れば、日本列島そのものは雨が多いです。海に囲まれていますから、どの方向からの風も海の湿気を含んで、それが脊梁山脈にぶつかって雨になる。年がら年中雨が降っているのは世界で日本ぐらいのものです。
養老 オーストラリア大陸の平均降雨量は年間50ミリです。
竹村 しかし、1億2000万人がこのぜいたくな文明を維持するために、それでも水量が足りない。たとえば、我々は安くて良質な衣料を着ていますが、そのコットンの多くはアラル海周辺やインド亜大陸の綿花畑で作られています。綿花の栽培には大量の水が必要ですから、アラル海流入する川から大量の水を引いてしまう。その結果、いま琵琶湖の100倍もの面積のアラル海が消滅しつつあります。そうして作られた綿花が全世界の先進国に供給されているおかげで、私たちは安くて良質な衣料を享受している。つまり、アラル海の水を吸い上げインドの地下水を下げているのは我々だと言っていい。
では日本国内の水だけで生きていけるかというと、生きていけます。ただしそのためにはインフラも整備しなかればなりませんが、質的にかなりスローダウンしなければいけない。物価も高くなると思います。でも。いまの洋服は安すぎます。作った人を侮辱しているほど安い。
養老 僕も家に帰るとそういう服をきています(笑)。
竹村 ですから、見方ですね。ある一面から見ると水が足りないし、ある方向から見ると十分にある。地球上の水は偏在しているのです。日本は世界から食糧、衣料、木材を輸入していますが、それらを得るためには大量の水が必要です。東大の沖教授の指導で試算すると2005年時点で年間800億トンの水を輸入していることになる。これは1億2000万人の日本人が家庭で使用する水の量の約6年分です。これだけ海外に水を依存して日本は文明を継続している。
近年、なぜ水がこれほど問題になってきたかというと、地球温暖化のテーマのCO2によるものです。CO2は目に見えません。ところが、温暖化による具体的な地球上の現象は、すべて水の姿で現われてきている。海面上昇、氷河の後退、北極の氷の壊滅、大渇水、大洪水、高潮。このリアルな水の出来事に対応しようという動きが、世界中で生まれているのです。そういう意味では、人々は水を通して地球温暖化を真剣に考えはじめたのではないかと思います。
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竹村 最近、ヒマラヤの氷河がどんどん溶け出しています。中国の揚子江黄河の水源はヒマラヤにありますが、中国とインド、この2大国の水源がなくなりつつあることを意味しています。
養老 インドはガンジス川ですね。メコンも同じです。メコンは4000キロもあります。それから、少し小さいけれどベトナムハノイを流れる紅河の水源もヒマラヤで、雲南から流れ出ています。要するにアジアの大河は全部雲南から出て、水源はほとんどヒマラヤに集中している。
竹村 そうです。ヒマラヤ山脈がありからモンスーンもある。インド洋で蒸発した空気がヒマラヤに当たって、東南アジアをまわり込んで日本まで来る。
養老 中国の水問題はどうなるのでしょう。
竹村 深刻です。中国にはこれ以上発展するための水は残っていないのではないかと思う。
養老 僕も同意見です。水の限度が中国の限度。
竹村 中国は、揚子江の水を北へ持っていこうとしています。しかし、水質がひどく悪い。
養老 黄砂とか鴨緑江の汚染でわかるように、日本にも影響が出ますから何とかしなければいけないと思うのですが、おそらくそこら辺が境目になりそうな気がします。黄河の断流もとりあえずは止まっていますが、危ないことには変わりがない。
竹村 オーストラリアも危ないですね。温暖化すれば大陸の半乾燥地帯が乾燥していくと予測されています。一方で、北海道から北の高緯度地帯に雨が多く降る。本当に水が必要なところから水がなくなって、洪水に対して弱いことに雨が降る。
さらに、温暖化で北極の氷がなくなると、海洋の底へ潜り込む深層海流が弱くなっていくことが懸念されます。熱い味噌汁を観察していくとわかるのですが、冷たいお椀にふれると味噌汁はお椀の縁に沿って下に潜り込み、お椀の中央で味噌汁が上がってくるのがわかります。そしてお椀全体が温まってくると、全体の流れが止まってしまう。あれを見ていて、これは危ないなと思いました。海洋の温度の変化がなくなると、深層の海流全体がじっと止まって死んだ世界になってしまうのでしょうか。

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どうでもいい、じじぃの日記。
21日(土)、NHK総合テレビNHKアーカイブスプライム10「救え!かけがえのない地球 砂漠とたたかい続ける男〜85歳 緑化にかける情熱〜」で、中国内モンゴル自治区の砂漠の緑化に尽くされた遠山正瑛博士の活動を見た。
遠山さんは以前、NHKの番組『プロジェクトX』やテレビ東京の「世界を変える100人の日本人!」でも取り上げられていたらしいので見たかも知れない。
1月9日、テレビ東京の「世界を変える100人の日本人!」で、ネパール・ムスタン地域開発協力会理事長をつとめる近藤亨さんの活動を見たばかりだったのでイメージが重なってしまった。
砂漠緑化 日本人」で検索してみたら、遠山さんの他にインドの砂漠緑化で活動された杉山龍丸さん、台湾で灌漑施設、ダム建設で活動された八田與一さん、フィリピンなどで自然農法、「粘土団子」で活動された福岡正信さんが見つかった。
また、青年海外協力隊(JOCV)が内モンゴル砂漠緑化やアフリカのジンバブエでの砂漠緑化等で活動されている記事が見つかった。
遠山さんの場合、中国政府は遠山先生の偉大な功績をたたえて銅像を建立した。生前に銅像を建てられたのは、毛沢東と遠山さんの二人だけだと言う。
八田さんの場合は、台湾の教科書に業績が詳しく紹介され、建設に尽力された烏山頭ダム銅像が建てられている。
砂漠緑化」で調べてみると、砂漠を緑化できるためには年間平均降雨量は200ミリ以上が必要らしい。
年間平均降雨量が200ミリ以上だと砂漠に強いポプラの苗などを植樹し、それが森になり、森からの蒸気が雨をもたらすという循環システムができるらしい。
イランなんかでも砂漠に強いザクロの栽培に成功しているようだ。
連日のように、中国で大干魃のニュースが流れている。
中国は、大国である我が○○はと言っているのだから、遠山さんの業績を見習って、「砂漠緑化」を推し進めたらどうですか。
『本質を見抜く力』の本の中に「年がら年中雨が降っているのは世界で日本ぐらいのものです」がある。
日本は資源が無いと言われているが、生存に関わる水には世界一、恵まれている。