超手抜き経済用語集

金融危機が毎日のように言われている。
少しは経済用語を知らないと何を言っているのか分からないので、ちょっと頭に入れておこう。(^^;
一部抜粋しています。

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WILL 12月号
タイトル:「悪い円高」に政府は無為無策 田村秀男より
デリバティブ」とは
 デリバティブとはリスクそのものを金融商品にしたもので、リスクを負担する者が保証料など報酬をもらう代わり、リスクが発生した場合は補償するという原理である。
 単純なものは為替や金利、商品などの先物だが、何しろ実物から派生するリスクという想像の産物が対象だから、いくらでも発行できる。
 デリバティブのリスク、証券化のリスクをさらに引き受けるデリバティブ、天候の変化を対象にしたデリバティブというふうに、種類も量も増殖を重ねてきた。
 証券化商品など金融資産の価格変動や金利変動、さらに金融商品の売り手が支払不能になった場合にそれを保証する「クレジット・デフォルト・スワップCDS)」と呼ばれる。


タイトル:金融危機は日本にとって千載一遇のチャンスだ 長谷川慶太郎より
CDS」とは
 実はサブプライムローン問題が原因ではありません。
 こう言ってはなんですが、あれはたいした問題ではないのです。
 大きい問題は、CDS(Credit default swap)です。
 これはリスクを回避するために開発された金融商品の中でも、企業のデフォルト(債務不履行)を対象にした「保険」です。
 簡単に言えば、「借り手が貸し手に対して元利の支払いができなくなるかもしれない危険をカバーする保証・保険を金融商品化したもの」。
 貸した相手が返せなくなった時、保険から貸した金を返してもらうという仕組みになります。
 保険期間は短いものなら半年、長いものなら五年ぐらいです。
 CDSの問題点は、規制の網がまったくかかっていないことです。
 規制がないので、お互いに合意すればサイン一つで巨額の保証料が手に入る。
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 CDS市場の規模は極めて大きく、2007年末に62兆ドルに達しました。
 アメリカのGDPが10兆ドルであることを考えれば、膨大な数字であることがよくわかります。
 ところがCDSはいっぺんひっくり返れば、これほど危ない商品はありません。
 そもそもCDSが何をあてにして出していたかというと、「契約通りいくだろう」という「信頼」、言ってしまえば「思い込み」です。
 典型的なのな例がAIGです。
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 隠れた債務であるCDSが4000億ドルあると言われています。

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WILL 1月号(新年特大号)
タイトル:世界金融危機 日本の最大のリスク 松本大より
レバレッジを掛ける」とは
 自らの資本や元々の資本量を超え、短期市場で借りて証券を買い、その証券を短期市場で貸して得た資金でまた証券を買う、あるいは金利スワップなどのいわゆるオフバランス・デリバティブ取引を膨大に積み上げることのより、資本や資金量の数倍、数十倍、数百倍にも上がるリスクを取ってきました。
 これを通常、「レバレッジを掛ける」と言います。
 保証金維持率の極端に低い信用取引とも言えるでしょう。
「規制」について
 欧米では「規制」する法案を通す場合、期限を切りますが、日本の場合は大抵がそれを行いません。
 そうするといつの間にか「規制」が定着し、そこにぶら下がって利権で食べようとする人が出てくるのです。
 規制の数だけ群がる集団ができ、利権につながる。
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 期限を決めておけば居残る人が出ません。
 そうすると利権が発生しない。
 規制をするなら、このことを肝に銘じて欲しいものです。
「ユーロ」について
 各国がお金を持つ場合、いきなり株で持つのはリスクが高いため、国債を買います。
 その国債市場がきちんと機能しているのは、アメリカと日本しかありません。
 EUはユーロという通貨を作りましたが、ユーロ国債というものはありません。
 ユーロ建てのドイツ国債といったものはありますが、EU国債はないわけです。
 これがEUにとっては致命傷です。
 今回の金融ショックでも最後にユーロがこけたのは、EU国債がなかったからだと思います。
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 では日本はどうか。
 日本は国債の市場がしっかりしており、しかも買い手が国内にいることは強みです。

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追加。
金融大崩壊「アメリカ金融帝国」の終焉 水野和夫著 NHK出版 (一部抜粋しています)
こうした「アメリカ金融帝国」の出現に対して、日本はどう対応したでしょうか。
それまでは、日本の貯蓄率の高さは、経済力の強さの証明であり、メリットのあるものとして考えられてきました。
しかし、アメリカが「マネー集中一括管理システム」を確立し、多額の資金を自国にいったん集め、それをまた外へ投資し初めると、そうではなくなってきました。
アメリカがやってみせたように、グローバル化により、貯蓄が国内になくても他国の貯蓄をいかに使うかという競争に変わったからです。
しかも、その競争は借り入れた資金を右から左に動かして回転率を上げる、いわゆる「レバレッジ」をいかに高めるかという競争になってきました。
レバレッジというのは「てこの作用」のことで、小さな力を使って大きなものを動かすイメージに似ています。
自己資本を信用にして、ほかから資金を借り入れ、大きく膨らませて(これを「レバレッジをきかせる」といいます)、それを運用して利益を上げるわけです。