じじぃの「科学・地球_43_SDGsの世界ハンドブック・食糧事情・不平等(格差)な世界」

Map of the least developed countries

Coronavirus: Five of the countries most at risk from famine in 2020

22 April 2020 BBC NEWS
●Yemen's humanitarian crisis near breaking point
"As conflicts become longer, more and more people become vulnerable", the WFP's Chief Economist and Director of Research, Assessment and Monitoring Division, Arif Husain, told the BBC. "In 2016 in Yemen, we were maybe assisting three or four million people. Today that number is 12 million."
https://www.bbc.com/news/world-52379956

『地図とデータで見るSDGsの世界ハンドブック』

イヴェット・ヴェレ、ポール・アルヌー/著、蔵持不三也/訳 原書房 2020年発行

19 持続可能な開発からほど遠い不平等な世界 より

地球上に住む人々のあいだにはつねに大きな不平等(格差)が存在してきたが、その一部はなおも増幅しつづけている。25年前には最貧困層(10%)の約7倍であったOECD諸国における最富裕層(10%)の可処分所得の平均は、今日では約9.5倍となっている。衛生環境や食生活の分野において改善こそみられるものの、社会的不平等は顕著である。極度の貧困状態で暮らす人々の数はここ30年で10億あまりに減少した(世界銀行調べ)。2005年から2015年にかけての10年間で、栄養失調状態にある人々の数は10億から8000万になった。とはいっても、環境問題(生物多様性の劣化、気候変動ないし温暖化、海洋汚染)は山積しており、これらは不適切で容認しがたい管理の仕方に起因する。人類全体としては持続可能な開発のスタンダードから今もほど遠い状況にあり、最貧困層は社会的・経済的な機能障害のあおりを真っ向から受けている。それゆえ、貧困の削減と根絶は持続可能な開発目標の核心をなすものといえる。

32 世界の食糧事情における不平等 より

これまでの歴史でいく度となく生じた飢饉は、多くが武力紛争に起因するものだった。今日、世界では地球の総人口76億人の人々に供給するのに十分な食糧が生産されている。にもかかわらず、2017年には8億2000万人が栄養不良・欠乏状態にある。同時に、肥満の傾向にある人の数もまたしだいに増加している。こうした状況をもたらしているのは、おもに政治・経済的理由なのである。

飢餓の終焉

非常に多くの人々を死にいたらしめる極度の飢餓は、人々を衰弱させこそするが、大量の死者を出すことはない食糧難と区別されなければならない。飢餓と、栄養不足やカロリー摂取が十分でない「目に見える飢え」を分けて考える必要があるということである。栄養失調とは、栄養不足ないしバランスのくずれた栄養摂取のことをいう。20世紀には政治的要素と武力紛争によって大規模な飢餓が引き起こされ、多数の犠牲者が出た(1921-22年におけるロシア、1959-61年における中国、1960年代のビアフラなど)。スーダンは今もなおそうした状態にある。

世界における飢え

2007年から17年のあいだの10年において、栄養不良の状態にある人々の数は、2014年からゆるやかな上昇傾向にあるものの、10億人から8億2000万人に減少した。

栄養不良は主として開発途上国(サハラ以南のアフリカ)にみられる。これらの地域では1人1日あたり2000から2500キロカロリーの摂取に十分な食物を確保することのできない人々を、「目に見える飢え」が脅かしている。

この「目に見える飢え」は「目に見えない飢え」(ミネラル・ビタミン不足)と区別しなければならないが、2017年には1億5600万人の5歳未満児に栄養失調による発育の遅れがみられ、5000万人の子どもが栄養不老による生存の危機にある。「目に見える飢え」と「目に見えない飢え」は、富裕国の食糧援助を必要とする一部の人々にもかかわる問題である。

じじぃの「人間とイヌは協力しあう関係・ネコはどうなの?まとまりがない動物たち」

ネコ家畜化、新石器時代に拡大か DNA研究

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=3VszDjrDvTk

ネコの家畜化はいつ?

『まとまりがない動物たち 個性と進化の謎を解く』

ジョン・A・シヴィック/著、染田屋茂、鍋倉僚介/訳 原書房 2020年発行

第7章 生まれと育ちと より

敵意を見せなかった個体(キツネ)からメス100頭とオス30頭を第1世代として選抜し、交配させた。そうして厳密な選抜を行っていくうち、行動や生理面に早くも変化が見られた。第4世代になると、子ギツネが人間に対して尻尾を振るようになった。世代を経るにつれ、どんどん家庭で飼われるイヌのようになり、第6世代になると、子犬のように尻尾を振り、鳴き声をあげ、人をなめる個体も現れた。
    ・
行動特性だけにもとづいて行なわれたロシアのキツネの繁殖は、ほかにも交配によって遺伝的な従順さを身につけた重要な動物がいることを思い出させてくれる。「人間の最良の友」、イヌである。イヌにはチワワからアイリッシュ・ウルフハウンドまでさまざまな体格のものがいて外見に目が行きがちだが、私たちの心をつかむのは、笑顔を見せたり、なめたり、寄り添ったりしてくる飼い犬の気性なのではないだろうか。ロシアの科学者、ドミトリ・K・ベリャーエフ(キツネを使って実験した)は人間が飼いイヌを作り出した方法について、何を教えてくれただろう? かつて穴居人たちはオオカミのねぐらから人なつっこい子供を盗み出し、50年かけて交配し、グレッチェンやマルティンのようなイヌをつくりだしたのだろうか。
その答えは、「イエス」とも「ノー」とも言える。ヒトとオオカミが絆を築くのに、ヒトの決断だけでは十分ではないからだ。そこにはオオカミ(イヌ)が果たした役割も間違いなくある。つまり、単に私たちが彼らを選んだのではなく、ヒトといるのが好きなイヌが私たちを選んだという側面もあるのだ。彼らは、種を超えた協力関係を築くことを自らの意志で選択した。ヒトとイヌが協力関係を築くことができたのは、ほかの個体を助け、仲良くなり、協力しあう能力がそれぞれにあったからだ。ヒトと仲良くするのに長けたイヌたちが、飼い犬になった。一方で、用心深く、よそよそしいイヌもまだ存在し、オオカミと呼ばれている。

                      • -

どうでもいい、じじぃの日記。
毎朝、テレビで8時からの情報番組を見ている。
オープニングは動画から始まるが、登場するのはほとんどがネコかイヌだ。
イヌが家畜化されたのは狩猟採集民時代(約1万5000年前)と言われ、ネコは人類が農業を始めた頃(約1万年前)と言われている。
その根拠は、オオカミと人間が一緒に狩りをし始め、オオカミが家畜化されイヌになった。
一方、ネコは人間が定住化し、食料を備蓄化し始めたときに野生ネコがネズミを狙って家に住みついた。
なんとなく、ネコよりもイヌの方が利口なイメージだ。
ネコはゴロリと寝そべっているイメージがある。
「お前ら、どうでもいいことにあせくせしているな」
先日、東京に住んでいる妹からこんなメールがきた。
「どこにも出かけず、日々仕事と家事の繰り返しです。去年の夏に犬に死なれてまだしょんぼりしています」

じじぃの「科学・地球_42_SDGsの世界ハンドブック・人間開発指数(HDI)・不平等」

World Human Development Index[HDI] Ranking (1990~2019)
動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=PmKaq3WaRw4

日本の「豊かさ」19位、国連 首位ノルウェー、目立つ欧州

2020/12/15 共同通信
国連開発計画(UNDP)は15日、2020年版の「人間開発報告書」を発表した。
国民生活の豊かさを示す「人間開発指数HDI)」の世界ランキングでは日本が19位で、前年の20位と比較してほぼ横ばいとなった。首位は前年に続きノルウェーだった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/26d6d7e7c95fb1e36273d0e000e44dcda7bef577

『地図とデータで見るSDGsの世界ハンドブック』

イヴェット・ヴェレ、ポール・アルヌー/著、蔵持不三也/訳 原書房 2020年発行

19 持続可能な開発からほど遠い不平等な世界 より

地球上に住む人々のあいだにはつねに大きな不平等(格差)が存在してきたが、その一部はなおも増幅しつづけている。25年前には最貧困層(10%)の約7倍であったOECD諸国における最富裕層(10%)の可処分所得の平均は、今日では約9.5倍となっている。衛生環境や食生活の分野において改善こそみられるものの、社会的不平等は顕著である。極度の貧困状態で暮らす人々の数はここ30年で10億あまりに減少した(世界銀行調べ)。2005年から2015年にかけての10年間で、栄養失調状態にある人々の数は10億から8000万になった。とはいっても、環境問題(生物多様性の劣化、気候変動ないし温暖化、海洋汚染)は山積しており、これらは不適切で容認しがたい管理の仕方に起因する。人類全体としては持続可能な開発のスタンダードから今もほど遠い状況にあり、最貧困層は社会的・経済的な機能障害のあおりを真っ向から受けている。それゆえ、貧困の削減と根絶は持続可能な開発目標の核心をなすものといえる。

24 人間開発指数HDI)――世界におけるさまざまな不平等

人間開発指数[社会の豊かさや発展の度合いを、経済的側面からのみならず、人間それぞれが、みずからの選択にもとづいて創造的人生を営める環境が整っているかどうかの観点から測ろうとする試みで、健康・教育・生活水準の分野における達成度から導かれる指標。国連開発計画(UNDP)により毎年算出・報告される]が示すように、世界を見渡してみると、国家間においてまぎれもない不平等が存在する。それはまた国家間のみならず、一国の内部にもあきらかに存在する。開発途上国の貧困の度合を測定するためにも使用される人間貧困指数(HPI)[基本的な人間開発の剥奪の程度は、寿命、教育、人間らしい生活水準、社会的排除などの観点から測定した指数。開発途上国を対象とする指数(HPI-1)と先進国の貧困の測定にもちいられる指数(HPI-2)がある]に代わって採用された、多次元貧困指数[MPI。所得・消費水準だけでなく、教育・保健サービスへのアクセスなどをふくめた複数の視点から貧困の実態を把握するための指標]によっても、途上国における貧困がなおも顕著であることが示されている。

人間開発指数は世界に存在している不平等を認識する手助けとなる。たとえば、世界の人口の80%を占める貧困国が世界の富の20%を占めるにすぎないのに対し、産業化の進んだ富裕国(世界人口の20%)はその80%を所有しているのである。この指数は国連開発計画[貧困の根絶や不平等の是正、持続可能な開発などを担う国連の主要な開発支援機関。1965年設立]が1990年に考え出したもので、これにより平均寿命や教育水準、所得の3つの側面から世界の国々(189ヵ国)の人間開発の度合をランクづけしたり、クラス分けしたりすることが可能となった。

評価は0から1のあいだの数値(0がもっとも厳しい状況、1が最高の状態を表わす)でなされ、測定対象の国々はこの数値にもとづいて4つの段階(人間開発の水準が「非常に高い」、「高い」、「仲程度」、「低い」)にカテゴライズされる。

世界における貧困

世界における貧困は、国連開発計画が1996年に導入した、人間貧困指数(HPI)によって読み解くことが可能である。この指数は健康・衛生、教育、生活水準から導き出されるが、生活水準のなかに所得はふくまれず、開発途上国と先進国は異なる方法で計算がなされる。途上国にかんしては、40歳前に死亡する確率、成人の非識字率、安全な飲料水を利用できる人々の割合、栄養不足状態にある子どもたちの割合、先進国については、60歳以前に死亡する確率、成人における読解力障害、貧困ライン以下で生活を営む人口の比率、長期にわたる失業などが基準とされる。多次元貧困指数は、オックスフォード貧困・人間開発イニシアティブ(OPHI)[2007年に多次元貧困の削減をめざして設立された、オックスフォード大学国際開発学部内の経済研究・政策拠点]と国連環境プロジェクトにより、途上国の貧困状況把握のため、人間貧困指数に代わるものとして2010年に提唱された。
就学年数、就学率、栄養不良、乳幼児死亡率、住居・衛生設備の環境、飲料水・電力へのアクセス、炊事用燃料、交通・コミュニケーション手段の保有といった、教育・保健衛生・生活水準の分野における欠乏が積算される。この指数の算出には経済的側面にかぎらず、人々を苦しめているさまざまな深刻な欠如状態も含まれる。104ヵ国、52億の人々(世界の全人口の78%にあたる)を調査対象とした多次元貧困指数によると、17億人が複数次元の貧困のなかで暮らしており、その51%が南アジア、28%がアフリカにいるという。「伝統的な」指数によって得られた結果は、新しい指数により、エチオピアにおいては39%から90%に、パキスタンでは23%から51%に、ニジェールではその人口の3分の2から93%に修正された。

じじぃの「台湾への関与・中国を最大脅威に指摘・G7外相声明の波紋は?プライムニュース」

中国を最大脅威に指摘 G7外相声明の波紋は 【後編】

動画 fnn.jp
https://www.fnn.jp/articles/-/179721

G7外相が共同声明、台湾との緊張高めないよう中国をけん制

プライムニュース 「中国を最大脅威に指摘 G7外相声明の波紋は 国民投票法が修正可決」

2021年5月7日 BSフジ
【キャスター】長野美郷、反町理 【ゲスト】山花郁夫立憲民主党衆議院議員 衆議院憲法調査会野党筆頭幹事 冒頭)、新藤義孝自由民主党政務調査会長代理 衆議院憲法審査会与党筆頭幹事)、宮本雄二(元駐中国大使 宮本アジア研究所代表)、ケビン・メア(元米国務省東アジア・太平洋局日本部部長)
GW中の5月3日~5日、韓国・オーストラリア・インド・南アフリカ共和国も参加してイギリスで行われた「G7外相会談」では、台湾のWHOなどへの参加を支持するなど、“対中包囲網”にも見える厳しい姿勢を示した。一方で日米韓の外相会談では北朝鮮の完全な非核化に言及し、緊密に連携を取ることが確認された。
G7各国や周辺国の思惑が交わり、複雑な様相を示す東アジア情勢の中で、日本はどのような姿勢を示すべきなのか。中国やアメリカの内実にも詳しいゲストと共に日本が進むべき道を展望する。

中国を最大脅威に指摘 G7外相声明の波紋は?

●G7外相「対中圧力」声明 日米欧の連携に中国は…

5月5日の閉幕にあたって発表されたG7外相による共同声明のうち、中国に関する主な項目

台湾海峡の平和と安定の重要性を強調。両岸問題の平和的解決を促す
・台湾の国際機関への参加を支持
新疆ウイグル自治区や香港における人権と基本的自由の尊重を要請
知財盗用に関するサイバー犯罪防止など経済規模に即した責任ある役割を要請
宮本雄二、「共同声明に出されたことに関して言えば、共同歩調で書いてあることについては異議はないということは間違いない。それを超えてどこまでやるかとなると国によって違いが出てくるだろう」
新藤義孝、「台湾の問題がG7外相首脳級で言及がなされたことは初めてではないか。4月に菅義偉首相が訪米して土台を作り、そこにヨーロッパが乗ってきたということ。もともとヨーロッパは中国に対して地理的にも遠いし、経済的な依存関係がお互いにあるのでやや甘いところがあったが、私の感想だが中国が少し嫌になったのではないか。コロナが中国から出たのにまるで被害者面をしている。各国が困難にあえいでいるのに海洋進出を押し進めたりしている」
ケビン・メア、「米国は中国人を中国共産党による被害者としてみている。習近平は党書記になったとき台湾を統一すると約束したようだ。台湾は微妙な立場にある。台湾が独立を掲げれば戦争になる。米国は同盟国と一緒になり強い声明を出さなければいけない」
G7外相の共同声明(中国関連)について。
新藤義孝、「G7がこういう声明を出すという意味はとてつもなく大きい。中国は独善的な共産主義体制の中でのスタンダードを国際スタンダードにできると思い込んでいる」
宮本雄二、「中国は台湾の国際空間における立場などを限りなく小さくゼロにしたいが、それが中国と台湾の闘争の1つの形だった。我々は台湾の協力がなければ国際的な課題を解決できない。まさに感染症もそう。中国にそこを認めさせるという極めて合理的な要求」
外務省、WHO、警察庁、麻薬、警視庁について言及。
新藤義孝、「台湾人が日本に来るのは自由に行き来できるが、台湾の行政機関関係者が日本に来ると外務省の中に入れないという。外務省としては国交、外交をやってもらっては中国からクレームが来て困るから庁舎外の別の会議室を取ってそこでやるという。そこまでやらなくてはいけないのはおかしなこと」
台湾は外務省が正面玄関から迎え入れることが出来ない存在なのか。
宮本雄二、「日中共同声明の解釈の問題になってくる。自分が若い頃は、上に行けば行くほど中国に優しかった」
北朝鮮“非核化”の課題 日米韓の協調と“思惑”
日米韓外相会談(5月5日)。
日本・茂木外相、米国・ブリンケン国務長官、韓国・鄭義溶外交部長官。
バイデン政権の北朝鮮政策に合意。
外交交渉を通じた現実的な進展を模索、国連制裁決議に基づく制裁は継続。
完全かつ検証可能で不可逆的な朝鮮半島の非核化に向けて日米韓で連携。
ケビン・メア、「トランプ前大統領のように大きな取り決めをやろうとしてはいない、成功しないと分かっているから。しかしオバマ政権の戦略的忍耐でもない」
宮本雄二、「とにかく日米韓を同じ場所に立たせる。そしてそれからどうするか考えるというくらいの段階ではないか。中国は米国と北朝鮮の直接対話を歓迎すると言っているが中国の思惑もある」
新藤義孝、「日米韓は形式的な、しかも今までやって来たことを決めた。日本と韓国が米国を仲介者として初めて外相同士が会った機会なのでそういう意義はあった。しかし米国は韓国が何を考えているのか戸惑っている」
QUAD(日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4ヵ国グループ)、同盟関係、中国、2+2、北朝鮮非核化について言及。
米国は北朝鮮核廃絶を目指すのか、核保有国としてパキスタン、インドのように核軍縮対象国として見るのか。
ケビン・メア、「正式に核保有国として認めていないし、しかし軍事計画を作るときに核兵器を持っていると分かっており矛盾しているが、バイデン政権でもパキスタンのように認めているということはないと思う。圧力をかけると日本と米国、韓国もミサイル防衛能力を向上するしかない」
●日米連携と東アジア情勢 外交安保“喫緊の課題”
反町理、「韓国は中国と米国の間でバランスをとろうとしている。米国は韓国を安全保障のパートナーとしてどのくらい信用しているのか」
ケビン・メア、「文政権のもとでそんなに信用されていない。金正恩文在寅大統領が騙されていると思う。今の文政権のことは考えていないと思う」
宮本雄二、「韓国がどうしてそういうポジションを取ろうとするかというと、恐らく歴史的に中国にはどうしてもかなわないと。他方で韓国の人に理解してもらいたいのは、国際社会は大きく変わっている。今バイデン政権がやろうとしているのは一方で対立、競争をしながら、もう一方で協力するという、対立と競争を同時並行的にパッケージとして中国との関係を作ろうとしている。中国もそれに応じざるを得ないと思う。新しい時代の米中関係が出来てくる。ブリンケン国務長官の声明では、同盟国に対する中国による攻撃も我々は対抗するとはっきり言っている」
新藤義孝、「韓国の置かれている経済構造を分析しなければいけない。輸出依存度が44%。貿易立国と言われている日本でも18%。韓国は中国依存度が非常に高くなって、切っても切れない状態になっている。韓国経済は自立できない状態に陥っている」

【提言】 「中国と米欧の向き合い 日本の役割は」

ケビン・メア 「力」
 中国に対する防衛力を高めること。経済、知的財産、外交力。一番大事なのは日本の指導力
宮本雄二 「地球的視野」
 日本国憲法国連憲章、普遍的価値を守る。それと同時に日本は国際的立場にどう振る舞うか試されている。
新藤義孝 「対話と抑止」
 中国はいびつな大国主義、中華思想を押し進めている。しかもそれがコンプレックスの裏返しになっている。日米はどう中国と向き合っていくべきか。台湾に関して日本は言うべきことは言う。日本の責任を果たす。
https://www.fnn.jp/subcategory/BS%E3%83%95%E3%82%B8LIVE%20%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9

じじぃの「科学・地球_41_SDGsの世界ハンドブック・持続可能な開発の思想家たち」

シンプルライフのバイブル。ヘンリー・ソロー『森の生活』を読みなおそう!

ライフスタイルマガジン『b*p』の公式サイト
●『森の生活』のヘンリー・ソロー生誕200周年!
生きているうちに一度は読んでおきたい古典的名著『森の生活』。
昔、挫折したんだよな~というみなさん、いまこそ読み直すチャンスですよ! なんてったって、1817年7月12日生まれのソロー、今年はちょうど200周年なんだから。
ソローは、アメリカを代表する思想家、詩人、ナチュラリスト博物学者)で、数々の名言を残している。
https://www.bepal.net/bp/40983

『地図とデータで見るSDGsの世界ハンドブック』

イヴェット・ヴェレ、ポール・アルヌー/著、蔵持不三也/訳 原書房 2020年発行

はじめに

6 持続可能性を持続すること より

新しい世界にとって、持続可能な開発とはひとつの理論なのかイデオロギーなのか。はっきりと特定される諸問題に対応するために向き合うべき広範な目標ないし方法とはなにか。「将来の世代が自分たちのニーズを満たす能力(キャパシティー)をそこなうことなく、現在のニーズを満たす開発」と定義した場合、持続可能な開発という考え方はおそらく自明のものとなり、コンセンサスを得られるだろう。しかしながら、その要素(生態的・経済的・社会的)を吟味すれば、アプローチが複雑なことだけでなく、そこにはきわめて大きな多様性が隠されていることもわかる。
持続可能な開発という考え方は、19世紀のアメリカで生まれている。とくに歴史家で言語学者でもあったG・パーキンス・マーシュが、その著『人間と自然』[1864年]で、資本主義が自然と天然資源にもたらす脅威を指摘したことを嚆矢(こうし)とする。彼はアメリカ人エコロジストたちの指導者であり、地理学者のフリードリヒ・ラッツェル[政治地理学の祖]や、エリゼ・ルクリュ[社会地理学・地政学生態学などの先駆者]による、自然/社会の関係分析に影響をあたえた。

アングロ・サクソンおよびアメリカのプロテスタント思想家たち、たとえばヘンリー・D・ソロー[作家・詩人・植物学者でもあり、実生活をもとに書いた代表作『ウォールデン森の生活』(1854年)などが、のちの環境保護運動のバイブルとなった]や、ジョン・ミューア[作家で植物学や地理学に精通し、シエラネヴァダ大自然森林伐採やダム建設から守る活動により、「自然保護の父」と称された]、アルド・レオポルド[森林管理官で著述家・生態学者・環境保護主義者。没後に上梓されたベストセラー著『野生の歌が聞こえる』(1949年)で知られる]は、工業化と都市化による被害を回避しようとして、神の創造物である自然の保護を主張し、人間が立ち入らなければ進化するであろう「無垢」の空間を、人間の手がとどかない状態に置くことを力説した。

こうして1872年、アメリカ[世界]初の国立公園であるイエローストーンが誕生し、92年には、「原野」や「手つかずの自然」ないし「本来の純粋さを残す自然」ないし「本来の純粋さを残す自然」を守るため、J・ミューアの働きがけで、自然保護不団体のシエラ・クラブも創設された[初代会長ミューア。本部はサンフランシスコ]。彼らのいわゆる保護・保存主義的アプローチは、森林管理官だったギホード・ピンショー[農務省国有林管理部門長官やペンシルベニア州知事などを歴任した]が擁護したアプローチ。すなわち自然とその資源を管理しつつ、より効率的に活用しようとする保全主義的なものとは対照をなすものだった。
こうした対照的な姿勢はまた、イングランド出身の経済学者トマス・マルサス[匿名で上梓した有名な「人口論」(1795年)などがある]の考えを部分的に受け継いでいる。彼は、啓蒙時代のヨーロッパにおいて科学・技術的な進歩を信じ、しばしば湿地を犠牲にして農業の収量を改善しようとすることを懸念していた一部の哲学者や思想家(ヴォルテール、ルソー、コンドルセディドロ)、あるいはフランソワ・ケネーのような重農主義者とは異なって、世界の急変に不安をいだき、それがもたらす損害を直視した。マルサスによれば、一国の人口はその生活に必要な資源の生産よりもすみやかに増加するという[人口は放置すれば幾何級数的に増えるが、生活資源は算術級数的にしか増えず、必然的に生活資源は不足する]。このマルサスの思想は20世紀まで存続している(1968年のローマ・クラブ[正式な発足は1970年]の作業参照)。
第2次世界大戦後に訪れた「栄光の30年」[フランスの経済史で、1945年から75年までをさす呼称。経済学者のジャン・フランシスが1979年に上梓した著者の題名に由来する]の末期、経済発展のつけが表面化する。レイチュル・カーソンがそのショッキングな書『沈黙の春』[1962年。邦訳『生と死の妙薬――自然均衡の破壊者(科学薬品)』、青樹簗一訳、新潮社、1964年]で告発した、農薬汚染と第1次オイルショック[1973年]がそれである。1986年に起きたチェルノブイリ原発事故は、核エネルギーが壊滅的なリスクと結びついているという問題を提起した。さらに、宇宙空間に送り出された数多くの人工衛星のおかげで地球の有限性が明らかにあり、社会が責任を負う「地球規模のリスク」という考え方が生まれるようになった。

じじぃの「日本らしい宇宙探査・火星でドローンが飛行・歴史的動画を徹底検証!プライムニュース」

火星でドローンが飛行 歴史的動画を徹底検証 ISS日本人船長再び 【後編】

動画 fnn.jp
https://www.fnn.jp/articles/-/179246

月極域探査機(LUPEX) 【オンライン特別公開 #26】

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=mLb2OcuDro4

Road to Hayabusa-2 from CanSat & CubeSat: Prof. Yuichi Tsuda, Project Manager Hayabusa-2, ISAS/JAXA

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=TwTYxmDYLTI

火星でドローンが飛行 歴史的動画を徹底検証 【後編】

火星ヘリコプター 「インジェニュイティ」

プライムニュース 「火星でドローンが飛行 歴史的動画を徹底検証 ISS日本人船長再び」

2021年5月6日 BSフジ
【キャスター】長野美郷、反町理 【ゲスト】永井大樹(東北大学流体科学研究所宇宙熱流体システム研究分野教授 リモート出演)、津田雄一(JAXA宇宙科学研究所教授 「はやぶさ2」プロジェクトマネージャー リモート出演)、寺門和夫日本宇宙フォーラム宇宙政策調査研究センターフェロー 科学ジャーナリスト)、鈴木一人(東京大学公共政策大学院教授)
4月19日、米航空宇宙局(NASA)は無人火星探査機「パーサビアランス(Perseverance)」が搭載した小型ヘリコプター「インジェニュイティ(Ingenuity)」が、史上初の「地球外での動力飛行」初飛行に成功したと発表した。また、「パーサビアランス」も地球以外の惑星で初めて大気中の二酸化炭素から酸素を生成することに成功。二つの快挙は、今後の火星探査に向けた大きな一歩と刻むものとして注目されている。
一方、日本でも「はやぶさ2」の持ち帰った小惑星リュウグウ」のサンプル解析が進んでおり、かつて水が存在していた可能性など、世界を驚かせる報告が続いている。
折しも、星出宇宙飛行士が国際宇宙ステーションの船長に就任するなど、宇宙をめぐるニュースが相次いでいる状況だが、有人や無人、様々な形で謎に満ちた宇宙に挑む意義と可能性、今後への課題とは何か?

日本・インド共同「月極域探査」計画 その意義と効果は

●「火星ヘリ」初飛行を分析&「はやぶさ2」最新報告 これからの宇宙探査に日本は?
4月19日、NASA(米国航空宇宙局)は無人火星探査機「パーサビアランス」が搭載した火星ヘリコプター「インジェニュイティ」が史上初の地球外の天体における動力飛行に成功したと発表。
また、4月27日には日本人宇宙飛行士・星出彰彦が日本人2人目となる国際宇宙ステーションの船長に就任。
同じ日には小惑星探査機「はやぶさ2」が2020年、小惑星リュウグウ」から持ち帰ったサンプルの分析で水や有機物が含まれている可能性があることも発表された。
世界で宇宙をめぐる動きが相次ぐ中、今後の宇宙探査にはどのような可能性と課題があるのか。
宇宙の謎に挑む研究者や宇宙に関する政策の専門家を迎え、研究成果とこれからの挑戦について問う。
●火星探査が新たな段階へ 「火星ヘリ」成功の意義とは
NASAの火星探査機「パーサビアランス」の経緯を紹介。
2020年7月30日、米国・フロリダ州から打ち上げ。
2021年2月18日、火星地表へ着陸。
4月19日、火星ヘリコプター「インジェニュイティ」初飛行。
4月20日、火星の大気から酸素の生成に成功。
4月30日、「インジェニュイティ」4回目の飛行。
「パーサビアランス」の着陸から「インジェニュイティ」の飛行までの一連の動きのCG、実際の映像、火星ヘリコプター「インジェニュイティ」初飛行の映像を紹介。
NASA/JPL-CaltechNASA/JPL-Caltech/MSSS の映像。
永井大樹、「素直にすごく嬉しい。すごいことをやったなという印象。火星で飛行したということで、ヘリコプターを使っていろんなことができるのではないかと思うとワクワクする」
●火星探査が新たな段階へ 希薄な大気を飛ぶ難しさ

地球と火星の環境の違い

火星の半径は地球の半分強。
太陽からの平均距離は地球の1.52倍。
公転周期は687日と地球の2倍弱。
自転周期は24時間37分で地球とあまり変わらない。
重力は地球の3分の1。大気の平均密度は地球の約100分の1。
気温は地球が14℃前後であるのに対し、火星は-63℃前後。
1日で-80℃~-20℃まで変化。
火星ヘリコプター「インジェニュイティ」の質量は1.8kg。
インジェニュイティのローターの全長は約1.2m。
飛行距離は最大300m。飛行高度は最大5m(NASA HPより)。
火星ヘリコプター「インジェニュイティ」の目的は火星における飛行技術を実証することで、科学観測機器は搭載していない。火星の重力は地球の3分の1で、大気圧は地球の100分の1しかない。このように地球と大きく異なる環境下で、インジェニュイティは長さ1.2mのローターブレード2本を回転させて揚力を作り、1.8kgの機体を持ち上げる。
永井大樹、「一番難しいのは大気密度が地球に比べて100分の1しかないため、機体が浮かぶための揚力が足りなくなる。大気密度が100分の1というのは、例えば地上でオールを漕ぐ時に水を漕ぐのではなく空気を一生懸命漕いでいる感じ。飛行距離はバッテリーの話が一番大きい。バッテリーだけでなくモーターが長時間高速で回転しているので、モーターの発熱がものすごく大きくなる。温度が高くならないうちに運転を止めるのがキーとなる」
●火星探査が新たな段階へ 「火星ヘリ」を実現した技術
火星ヘリコプター「インジェニュイティ」について。
寺門和夫、「これまでの火星探査はローバーで地表面を移動するだけ。ヘリコプターがあるとドローンとして使える。今回は技術実証に近い。今後は大型で高性能なものを作ってドローン的な使い方をすると、火星ローバーの探査ミッションはより立体的になる。今回の『パーサビアランス』は火星に昔生命が存在したかもしれないという有機物の痕跡を探すために移動していく。より近いところで見ながら、こっちに行った方が確度の高いサンプルがとれるなど、将来的に偵察ミッションとして使えるのではないか」
鈴木一人、「世界で初めて実現できたということで米国の技術力や米国が持っている能力が他の国より遥かに優れていると証明した。中国も同じ時期に火星探査機を打ち上げて、今月中に火星に着陸するが、先輩の格を見せるという側面もあると思う」
●火星探査が新たな段階へ 日本独自の「火星飛行機」開発
今回NASAが火星で飛ばしたのはヘリコプターだが、永井大樹は火星飛行機を研究、開発している。
東北大学流体科学研究所が開発している「火星飛行機」の機体の長さは約2m。
羽の長さは約2.5m。飛行距離は40~100km。機体質量は約4.2kgを想定。
永井大樹、「火星の地表面近くを約100km飛行することができれば、衛星からでは分からなかったいろんなことがよりはっきり分かるということで飛行機を選択している。ラジコンの場合は操作をしないといけないが、火星飛行機は自立で飛行する。最近、火星に水の流れた痕跡が残っていると言われているので、そういった痕跡を飛行機で数ヵ所回って撮影してどうなっているか見るとか、火星には昔磁場が存在していて、残留磁場の痕跡を長距離にわたって調べることを想定している」
火星探査が新たな段階へ 国産「火星飛行機」実用の可能性は?
「マースアイスマッパー(Mars Ice Mapper)」計画・・・合成開口レーダーを搭載した火星周回機により火星表面下の水、氷分布を観測するミッション。
第一目的は将来の火星有人探査に向けた水資源の把握。
永井大樹、「アイスマッパーを計画している人たちは飛行機をどうしてもという話はないが、我々としては連動してデータを取るともっと分かるのではないかと売り込みたいというのが本音。基本的にはJAXAが窓口になると思うが、JAXAに対しては我々研究者、JAXA内部で一緒にやっている研究者が声をあげて調整をしていきたいと思っている」
寺門和夫、「日本の宇宙探査の弱みの一つはなかなか打ち上げの機会がない、ミッションが少ないということ。どうしても他との相乗りということになる。アイスマッパー計画は周回機なので、NASAはロケットと着陸については絶対に譲らないが、周回機は他の国と協力してやっていこうということでJAXAが参加する可能性は大きい。そこで周回機からカプセルを打ち出して大気圏に突入して飛行機を飛ばすという度肝を抜くようなミッションかもしれないが、こういうミッションは楽しくて良い。『パーサビアランス』のような帰還ミッションはNASAは絶対譲らないところがあるが、国際協力でやるようなものについては別のポリシーでやる可能性がある。日本としてはこういう機会を生かしていくのがいいのではないか」
●火星探査めぐる新たな競争 中国の宇宙技術「実力」は
中国の火星探査への経緯を紹介。
2020年7月23日、火星探査機「天問1号」を中国・海南島から打ち上げ。
2021年2月10日、火星の周回軌道に入ることに成功。
2021年5月中旬以降、火星着陸の見通し。
寺門和夫、「中国は地上と同じように宇宙でも米国を凌ぐ宇宙強国になるのを目標にしていて追いつこうとしている。今回の探査機の機体の写真を見ると、NASAが2003年、2004年くらいに火星に着陸させた『スピリット』『オポチュニティ』の時代の探査機に非常に似ている。それにプラスその後の『キュリオシティ』『パーサビアランス』の要素を入れたようなもの。NASAとの差はかなりあるのではないか」

【提言】 「日本らしい宇宙探査を目指すには」

永井大樹 「キラリと光る匠の技でシン(深、新)宇宙を目指せ」
 他国のやっていないことを新しい考えで、限られた予算であるが深宇宙を目指せ。
永井大樹さんの出演はここまで。
●津田プロジェクトマネージャ「はやぶさ2」の最新成果報告
はやぶさ2」プロジェクトに携わるようになったきっかけは。
津田雄一、「入所して、はやぶさの打ち上げに立ち会ってからずっとはやぶさ1号機が帰ってくるまで関わり続けた。チームワークも大事だと感じた。川口プロジェクトマネージャからの引き継ぎにはすごいプレッシャーだった。はやぶさ1が完璧にやりたくてもやれなかったところを、はやぶさ2ではいとも簡単にやったように完璧にやろうと目指した。はやぶさ2しか出来ない挑戦も織り込んでハードルが上がった状態のたすきを引き継いだ」
はやぶさ1号機と2号機の違いについて。
津田雄一、「はやぶさ1は世界でどこもやったことのないミッションだった。はやぶさ2はそれを完璧にやり遂げた」
はやぶさプロジェクトマネージャ・川口淳一郎JAXA宇宙科学研究所教授の映像。
寺門和夫、「初代とは違うミッションをやっているところがすごい」。
鈴木一人、「まずは科学ありきで実現するためには、人間がやるので人間臭いところがなければいけない。成功して当然だというものを本当に成功させるのは、初代はやぶさのミッションを乗り越えるより難しいものだったのではないか」
●「はやぶさ2」の最新成果報告 小惑星に水と有機物?
はやぶさ2」が地球に届けたカプセルに入っていた小惑星リュウグウ」の砂などの試料は全体で約5.4gだったと発表した。0.1gとしていた目標の50倍を超える大量の試料採取に成功した。
はやぶさ2が持ち帰ったサンプルの分析結果について。
水と有機物を含む鉱物の存在を示す特定波長の光の吸収を確認。
津田雄一、「リュウグウという惑星が炭素と水を含んでいると予想できた。こういうものが宇宙にどう存在しているかを調べることが生命の起源の緒につながるというのがはやぶさの大きなテーマだった。資源という意味では小惑星は有効視されている」
水や有機物を含む可能性のあるサンプルの映像。
寺門和夫、「NASAも以前小惑星を資源として利用しようという話があったが、今はどちらかというと、はやぶさ2のサンプルについて言えば、科学の問題として元々小惑星の材料は太陽系が出来たときからのものが含まれていると考えられている。これから初期分析が始まるので研究者がそのサンプルを使っていろいろな分析をする、そこに期待をしている今は外から光を当ててサンプルを調べているがこれからサンプルを割って調べるので詳しいことが分かる」
鈴木一人、「宇宙資源はNASAもやっていたが民間企業もプラチナやレアアースが採れるのではと期待していた。宇宙所有法のような法律は日本にはない」
●津田プロジェクトマネージャ「はやぶさ2」の先に描くもの
今後の研究対象や展望について。
津田雄一、「はやぶさ2が大成功してプロジェクトチームが思っていた以上の成果を上げた。惑星間を飛行する技術ははやぶさ2が完全にものにしたと言って良い。これからは興味のある天体に行った先でいかに有用なことができるかで勝負する。月や火星をすっ飛ばして惑星間飛行をものにした。今後の1つの目標としては着陸対象を小惑星かより大きな天体、火星より遠い天体に広げていく。木星土星の衛星に探査機を送るのは日本は技術的にはできることだと思っている。宇宙に物を飛ばすというのは国際協力が非常に大切。日本は米国やオーストラリア、ヨーロッパにあるアンテナも使っているし技術的な交流があって初めて成立している。最先端の技術を使って出てきた成果は科学成果になるので、人類で共有することで意味がある」
●日印共同「月極域探査」計画 その意義と効果は?
月極域探査ミッション(日本・インド協力)について(打ち上げ年度、目的、運用期間)。
月極域探査ミッション・・・近年、観測データの解析結果から月極域に水の存在可能性が示唆されている。JAXAでは月の水資源が将来の持続的な宇宙探査活動に利用可能か判断するために水の量と質に関するデータを取得することを目的とした、インド宇宙研究機関(ISRO)との国際協働ミッションを計画している。ロケット、探査機はJAXA主担当、着陸機はISRO主担当。
アルテミス計画・・・2024年に有人月面着陸を目指し、2028年までに月面基地の建設を開始するというNASAのプロジェクト。日本人初の月面着陸が実現されるのではないかと注目を集めている。

寺門和夫、「日本はNASAやヨーロッパとはやっているが、インドとはこれが初めてではないか。JAXAは月周回衛星かぐや以降のミッションが出来ないでここまで来てしまっている。いま月の南極で氷の水を見つけることを各国が争ってやっている。そこにJAXAも月極域に降りようとしているが単独ではなかなか出来ない。どこかと組まないといけないということで今回はインドと組んで国際協力で降りようとしている」

鈴木一人、「もともと日本の月探査はメインが米国のアルテミス計画が中心に据えられているが、アルテミス計画は米国の思惑もあるし国際協力もあるのでかなり時間がかかるというか、なかなか日本の思い通りにならない。今回の月極域探査ミッションは自由度も高く広い可能性がある」
津田雄一、「月は環境がよく分かっている天体で、いろいろな国が月に活動を広げようとしていて、手が届く存在になってきつつある。技術的にはできるが、うちはロケットをやる、うちはローバーをやると選んで協力しあえば良いと思う」
●日本の宇宙探査 開発のカギ今後必要な「宇宙人材」とは?
これからの宇宙探査や宇宙を巡る政策の立案を担う人材はどういう人が望ましいか。
津田雄一、「技術が分かる人、世界情勢を知って身の丈を知っていて、何をやるべきか選別できる」
寺門和夫、「単なる科学者や技術者ではない人材が必要。以前は子どもは宇宙と言えば宇宙飛行士になりたいと言っていたが、津田プロジェクトマネージャを見ていて、成功例を見ているといろいろな人材が必要だと若い人も分かってくるのでは」
鈴木一人、「国際情勢が分かるというのはとても大事」

【提言】 「日本らしい宇宙探査を目指すには」

津田雄一 「先駆者に徹する」
 我々は「はやぶさ2」で限られた予算で大きな成果をあげた。誰もやったことのない先駆者になれ。
寺門和夫 「より多くのミッション機会を」
 日本には人材がたくさんいる。大事なことは実際に体験すること。
鈴木一人 「ニッチを攻めよ」
 日本は予算の関係で米国や中国のような大きな構造物を打ち上げて成果をあげるのは難しい。限られた予算で成果を出すためにはどこに面白いところがあるか見つけてそこを攻めていく。
https://www.fnn.jp/subcategory/BS%E3%83%95%E3%82%B8LIVE%20%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9

じじぃの「科学・地球_40_世界史と化学・化学兵器と核兵器」

核分裂を解明した女性科学者 リーゼ・マイトナー

核分裂を解明した女性科学者リーゼ・マイトナー 「人間性を失わなかった物理学者」と墓に刻まれた理由

ログミーBiz
1938年に、ある科学者たちが偶然にも原子を分裂させたことで、物理の歴史は大きく変わりました。
彼らは自分たちがなにをしたのかわかっていませんでしたが、オーストリアの物理学者リーゼ・マイトナーが「核分裂」と呼ばれる現象を解明しました。しかしその後、マイトナーが発見した技術は破壊兵器に転用されていきます。ちなみに、マイトナーは原子爆弾を開発するマンハッタン計画に誘われましたが固辞しています。
石に刻まれた言葉は彼女が遺したことを端的に表しています。
リーゼ・マイトナー 人間性を失わなかった物理学者」。
https://logmi.jp/business/articles/239874

ダイヤモンド社 絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできている 左巻健男(著)

【目次】
1  すべての物質は何からできているのか?
2  デモクリトスアインシュタインも原子を見つめた
3  万物をつくる元素と周期表
4  火の発見とエネルギー革命
5  世界でもっともおそろしい化学物質
6  カレーライスから見る食物の歴史
7  歴史を変えたビール、ワイン、蒸留酒
8  土器から「セラミックス」へ
9  都市の風景はガラスで一変する
10 金属が生み出した鉄器文明
11 金・銀への欲望が世界をグローバル化した
12 美しく染めよ
13 医学の革命と合成染料
14 麻薬・覚醒剤・タバコ
15 石油に浮かぶ文明
16 夢の物質の暗転
17 人類は火の薬を求める

『絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできている』

左巻健男/著 ダイヤモンド社 2021年発行

18 化学兵器核兵器 より

貧者の核兵器

殺傷能力は高いが、核兵器に比べて材料の入手や製造などが容易であること、費用が少なくてすむことから、化学兵器生物兵器は「貧者の核兵器」とも呼ばれる。
化学兵器は、敵対する人々やその生活を支える動植物の生理機能を損傷することを目的として使用される「戦争の道具」としての合成物質(毒ガスなど)である。そもそもは、第一次世界大戦で新戦術として大々的に取り入れられた。1915年4月のドイツ軍によるイープル戦での塩素ガスをはじめとして、第一次世界大戦では約30種の毒ガス兵器を使用、3000種以上の合成物質が研究された。窒息性のホスゲン、ジホスゲン、嘔吐ガス(ジフェニルクロロアルシン)、びらん性のイペリットマスタード・ガス)などだ。
効果の残虐性から、第一次世界大戦後、1925年6月17日に大量殺戮兵器としての毒ガス、細菌兵器の使用を禁止する「ジュネーブ議定書」が終結されるきっかけとなった。しかし、この議定書は毒ガスの使用を禁止しただけで、開発・製造を放置していた。
第二次世界大戦では、ナチス・ドイツが敗北するまでに、化学兵器用に約2000種の有機化合物が合成される。ドイツでは、新しい強力な化学兵器として独自の「G(ジャーマン)ガス」がつくられた。その代表が1937年に合成され、1944年には3万トンが貯蔵されたタブンである。さらに1939年にはタブンの2倍(ホスゲンの32倍、イペリットの15倍)の毒性を持つサリンが合成された。大戦末期には、さらに強力なソマンが開発された。また、Gガスは、強制収容所ユダヤ人やロシア人に人体実験がくり返された。
    ・
化学兵器は、今日では一定の化学工業を持つ国ならどこでもつくることができる。いくつかの国は化学兵器保有し続けているし、使用もしている。
化学兵器禁止条約は、1993年1月から国連で署名が始められ、1997年に多国間条約として発効された。正式名称は「化学兵器の開発、生産、貯蔵及び使用の禁止並びに廃棄に関する条約」だ。日本は1993年1月13日に署名し、1995年4月の国会承認後、1995年9月15日に批准した。
また、国内における大きな事件として、サリン事件がある。麻原彰晃こと松本智津夫を教祖とするオウム真理教が、1994年に長野県松本市で猛毒ガス・サリンを噴霧し、住民8人を死亡させ、144人に中毒症を負わせた(松本サリン事件)。さらに1995年3月には、東京の地下鉄車内5ヵ所においてサリンを発散させ、乗客、駅職員13人が死亡、約3800人に中毒症を生じる惨事を起こした(地下鉄サリン事件)。このほか、オウム真理教VXガス使用殺人事件も起こしている。

人間性を失わなかった女性物理学者

広島・長崎に投下された原爆は、核分裂の際に放出される巨大なエネルギーを利用している。核分裂という原子に秘められた秘密を解くために欠くことができない役割を果たしたのは、オーストリア生まれのユダヤ人女性科学者リーゼ・マイトナー(1878~1968)だった。
1938年、ドイツのオットー・ハーン(1879~1968)と弟子のフリッツ・シュトラースマン(1902~1980)が、エンリコ・フェルミ(1901~1954)たちによるウランへの中性子の衝撃実験の「追試」を行った。すると、原子番号92のウランよりも原子番号が大きい元素群である超ウラン元素とともに、原子番号56のバリウムができていることがわかった。
マイトナーはハーンの共同研究者で、カイザー・ヴィルヘルム研究所の研究員を経てベルリン大学の教授となった。ナチスオーストリア併合によりユダヤ人の市民権が剥奪されたこともあり、スウェーデンに逃れていた。彼女は、ハーンからの手紙でバリウム発見を知る。ハーンは、いまでは遠く隔たってしまった共同研究者にその発見の解析を求めていたのだ。
マイトナーは、コペンハーゲンにいた甥で物理学者のオットー・ロベルト・フリッツに手紙を送り、会いに来るように懇願した。2人は雪のなかを歩きながら議論した。マイトナーは「これは核が分裂したのである」と結論し、核分裂の現象を解明した。
しかし、「核分裂の発見」に対するノーベル化学賞はハーンにのみ与えられ、マイトナーは外された。それでも、ほとんどの物理学者たちは、マイトナーが科学の世界において成しとげた偉大な功績を正しく認識している。
    ・
アメリカの原爆開発・製造のための「マンハッタン計画」に誘われたマイトナーは参加を固辞したという。

彼女の墓には「人間性を失わなかった物理学者」と刻まれている。死後、彼女にノーベル賞受賞以上の名誉が与えられた。彼女の名から109番元素はマイトネリウム命名。その他、小惑星、金星や月のクレーターにも名前を残している。

マンハッタン計画

マンハッタン計画」は、第二次世界大戦に行なわれたアメリカの原爆製造計画の暗号名だ。原爆の開発・製造のために、科学者・技術者が総動員された。
1941年にアメリカが原爆の計画を決定し、同年12月に原子力委員会が設けられた。原爆は、核分裂性のウラン235プルトニウム239をある一定量(臨界量という)以上集合させればよい。臨界量以下ならば決して爆発しない。自然状態での臨界量はウラン235で49キログラム、プルトニウム239で12.5キログラムである。しかし、反射材を使って核分裂物質に中性子を反射することで、臨界量をずっと少なくできる(反射材は中性子を反射する物質で、今はベリリウムが使われている。原爆の外に逃げてしまう中性子を反射させて有効に使う材料となる)。プルトニウム核弾頭などは3~5キログラム前後と推定されている。
原爆を実現するために課題は、まず天然ウランに0.71パーセントしか存在しないウラン235を分離し、濃縮すること、同じく核分裂性元素のプルトニウムを製造する原子炉を建設することだった。
    ・
1945年8月6日、アメリカ軍は広島市に世界初のウラン原爆「リトルボーイ」を投下した。爆心地から2キロメートル以内がほぼ全壊・全焼し、同年末までに14万人が死亡したとされる。同月9日には、長崎市プルトニウム原爆「ファットマン」を投下した。約1万3000戸が全壊・全焼し、同年末までの死者は7万4000人と推定されている。