じじぃの「科学・芸術_965_アイルランド・北アイルランドの生活」

Orange order parades in Northern Ireland | DW Documentary

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=z8LCsV6JWc8

北アイルランド

ウィキペディアWikipedia) より
北アイルランド(英語: Northern Ireland)は、グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国(イギリス)のアイルランド島北東部に位置する構成要素の一つである。北アイルランドについては、イギリスのカントリー、プロヴィンス(州)、地域など様々な表現がされている。
アイルランド島北東に位置するアルスター地方9州の内の6州からなるためアルスター6州とも称されている。 2015年に6州を廃止し、新たに11行政区が設置された。 アイルランド島アイルランド共和国と国境を接している。 面積は1万4139km2、首都は東岸に位置するベルファストである。
1920年に成立したアイルランド統治法によってアイルランドは南北に分割され、それぞれに自治権が付与された。その後に発生したアイルランド独立戦争講和条約である英愛条約に基づいて、南部26州によりアイルランド自由国が建国され、グレートブリテン及びアイルランド連合王国より分離した際は北アイルランドも自由国の管轄内に含まれていた。しかしアイルランド自由国で内戦が始まったため、英愛条約の条項に基づいて北アイルランド議会は自由国からの離脱を表明して連合王国にとどまることになった。

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アイルランドを知るための70章』

海老島均、山下理恵子/編著 赤石書店 2004年発行

北アイルランドの生活 より

北アイルランドを象徴するのがミューロ、いわゆる壁画である。連日、観光客がバスで押し寄せて見学している。かつてはプロテスタントカトリックの過激派が敵を威嚇するために政治的なメッセージを描いた。最近では両者が協力して平和を表すデザインに描き替えられたものもある。北アイルランドと聞くと紛争をイメージする人は多いだろう。1998年の和平合意以降、北アイルランドは和平プロセスへと向かった。新たに描かれた壁画と同じように、過去の歴史が塗り替えられている。しかし、住民レベルにおいてはまだまだ問題は山済みであり、カトリックプロテスタントの対立も消えてはいない。
北アイルランドでは95パーセントがカトリック居住区とプロテスタントに分かれている。学校や地域コミュニティなどの社会も分離している。欧州連合EU)諸国や他国からの移民が増え、ニュータウンにソーシャル・ビルディング(公営住宅)を建設するシェアフューチャー政策を打ち出すなど、地方自治体の努力もあり、統合地域も増えてきてはいる。しかし、今でも通りの街角には英国国旗(ユニオンジャック)やアイルランド国旗(3色のトリコロール)が目立つ。ユニオンジャックプロテスタント地域であり、アイルランド国旗はカトリック地域なのだ。カトリック地域に足を運ぶとアイルランド語で書かれた店の看板や新聞などが目につき、英国というよりはアイルランドの雰囲気である。一方、プロテスタント地域では英国国旗で使われる赤と青と白に塗られた歩道や壁があり、アルスターの紋章であるレッドハンド(赤い手)を描いた旗かユニオンジャックが掲げられている。
かつてはカトリックだから雇用されないといった差別があったが、現在は法的には平等な採用が謳われている。驚くのは、北アイルランドでの仕事の応募用紙にいずれの宗教を信仰するかを記入する質問事項があること。企業は両者をバランスよく雇用しなければならないのだ。
祝日もカトリックプロテスタントで異なる。3月17日のセント・パトリックス・デイにはカトリック系の学校や会社は休みになるが、プロテスタント系は休みにはならない。また、オレンジ公ウイリアムイングランド王のウイリアム3世)がボイン川でカトリックに勝利したプロテスタントによる記念パレードおオレンジパレードが7月12日にある。この日はほとんどの学校、会社が休みになるのだ(暴動を避けるためにカトリックも休みになる)。前日の11日にはボイン川の勝利を祝ってプロテスタントの地域では違法なはずの焚き火がいたるところで大々的に上がる。6月になるとパレードを組織するオレンジオーダーの前でカトリック市民によるパレード中止のデモが起こる。

じじぃの「素数の調和は宇宙の調和・リーマン予想とは?虚数の発見」

The Key to the Riemann Hypothesis - Numberphile

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=VTveQ1ndH1c

素数の分布一覧

虚数はなぜ人を惑わせるのか? (朝日新書) 2019/8 竹内薫 (著) Amazon

iはどこにいる?世界一わかりやすい虚数の教科書。
「プラス×プラス=プラス。マイナス×マイナス=プラス」僕たちはそう教わってきた。なのに、この世界には「2乗するとマイナス」になるヘンテコな数が存在するという。しかもその数は、コンピュータや宇宙のなりたちにまでかかわってくる魔法のような数字なのだ。文系でもすいすいわかる虚数の世界をご案内しよう。

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虚数

ウィキペディアWikipedia) より
虚数とは、実数ではない複素数のことである。
ただし、しばしば「虚数」と訳される英語の "imaginary number" は、「2乗した値がゼロを超えない実数になる複素数」として定義される場合がある。iで表される虚数単位は代表的な虚数の例である。
1572年にラファエル・ボンベリは虚数を定義した。しかし当時は、ゼロや負の数ですら架空のもの、役に立たないものと考えられており、負の数の平方根である虚数はなおさらであった。ルネ・デカルトも否定的にとらえ、著書『La Geometrie(幾何学)』で「想像上の数 (仏: nombre imaginaire)」と名付け、これが英語のimaginary numberの語源になった。その後徐々に多くの数学者に認知されていった。

リーマン予想

ウィキペディアWikipedia) より
数学において、リーマン予想(英: Riemann hypothesis, 独: Riemannsche Vermutung)は、リーマンゼータ関数の零点が、負の偶数と、実部が 1/2 の複素数に限られるという予想である。
ドイツの数学者 Bernhard Riemann (1859) により提唱されたため、その名称が付いている。この名称は密接に関連した類似物に対しても使われ、例えば有限体上の曲線のリーマン予想がある。リーマン予想は、英語表記 Riemann hypothesis の直訳であるリーマン仮説と表記したり、RH と略すこともある。
リーマン予想素数の分布についての結果を含んでいる。適切な一般化と合わせて、純粋数学において最も重要な未解決問題であると考える数学者もいる。
リーマンゼータ関数のすべての非自明な零点は、複素数平面上の直線 1/2 + it(t は実数)上にある。ここで i は虚数単位である。この直線を臨界線 (critical line) という。

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『面白くて眠れなくなる数学』

桜井進/著 PHP 2013年発行

リーマン予想とは「素数が調和していること」!? より

素数の分布一覧(画像参照)を眺めてみてください。素数の出現リズムはでたらめに見えませんか。
しかし、一見するとランダムに並んだ素数も全体を集めてみると「調和」している。それが「リーマン予想」でした。
歴史は教えてくれます。
ピタゴラスらによる「数をばらばらにしていくと素数になる」という発見の後に、デモクリトスによる「原子論」が出てきました。
そのピタゴラスは「万物は数なり」といったといわれます。
これが真実だとすれば、「素数の調和が証明される」ということは、万物すなわち「この宇宙も調和している」ことが、証明されるということにもなります。
それは、私たちの宇宙がプライムな(極上の)存在であることの証明でもあります。
ワインの1つ1つの原子は、一見ばらばらに存在しているように見えますが、もし、すべてのある法則のもとに配合されて、芳醇な香りと極上の味ができあがっているとしたら、それは人間業ではなりません。
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素数」がうまく調合されてできあがったもの。
それが「数の世界のワイン」なのです。
テイスティングの結果、「素数は極上の数である」と評しているのは私たち人間です。その極上の素数」のすべてを収穫してできあがる、さらなる極上の味わいこそ「素数の調和」――リーマン予想です。
約150年前、リーマンはほんの数滴を味わっただけで、そこにある極上のものを感じ取りました。しかし、それ以上を味わうことをしませんでした。彼は「いまはそのすべてを味わっている場合ではない」といい残し、40歳でこの世を去りました。
リーマン以後、ゼータ関数を絞りに絞って「零点」という極上の旨味をテイスティングしてきた私たち。
しかし、「リーマン予想」に誤りがないことを確認するだけで精一杯で、本質的な進歩はまったくないという恐ろしい事態を目の当たりにしています。

21世紀の現在、「リーマン予想」は解決前夜です。いつの日か私たちは、数の本当の姿を見ることでしょう。「素数の調和」の本当の味と香りを、私たちは味わうことができるはずです。

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おバカな、じじぃの日記。
学校で、「虚数」について学んだことがあったのだろうか。
炭素原子なんかで原子核の周りを電子が回っているが、電子がある位置に遷移して回っている。
太陽系で、地球や火星などが太陽の周りを回っているがあのイメージだ。
量子力学ではエネルギーの最小値としてプランク定数hが存在し、全てのエネルギーはhの整数倍であることが知られている。
素数のhも素数の関数(ゼータ関数)と深い関係にある。それらを融合したものとして考えたものがリーマン予想である。
虚数時間」というのもある。
素数虚数。宇宙の秩序。これらは密接な関係にあるらしい。

じじぃの「科学・芸術_964_アイルランド・ケルティック・タイガー」

アイルランドを知るための70章』

海老島均、山下理恵子/編著 赤石書店 2004年発行

好景気にわいた時代 「ケルティック・タイガー」とは何であったのか より

1994年8月、当時世界的大投資銀行だったモルガン・スタンレー社の情報誌にアイルランド経済についての論文が載った(アイルランド経済――アルティック・タイガ)。筆者はケヴィン・ガーディナーという社員だった。この当時は「東アジアの虎」と呼ばれた新興工業国シンガポール、香港、台湾、韓国が世界の注目を集めていた。1980年代後半から1990年代前半にかけてこれらの国々が急成長したのである。それよりも勢いの強い急成長をする虎がヨーロッパに現れた。それはアイルランドである、と彼は紹介した。ケルトに虎はいないのになぜだなどと難癖をつける人もいたが、経済の躍進をうまく表現しているため「未曾有の好景気にわくアイルランド」を意味する語として以来広く用いられるようになった。
これがどれほど広く、また重要なものとして使われたか、その例をあげてみたい。たとえb歴史年表がある。2003年に刊行されたあるアイルランドの年表は氷河期の終わりからはじまっているが、1995年の記述は「共和国における空前の好景気――アルティック・タイガー――はじまる。2001年までつつく」とだけである。この年にはほかに何の事件もなかったかのごとくである。
同じく2003年に刊行された浩瀚アイルランド百科事典にも早くも”Celtic Tiger”という項目があり次のように解説している。
 「1987年からアイルランド共和国の経済は「良循環」に入り、急成長、低インフレ、失業減少、国際収支黒字が持続的な高度成長をもたらしている。1990年代を通してアイルランドの成長率は欧州連合EU)加盟15ヵ国および経済協力機構(OECD)加盟国29ヵ国のなかでもっとも高く、かの4つのアジアの”虎”経済の1997~98年の崩壊以前の成長律をも凌駕している。そのような高成長率は不平等の増大という犠牲の上に達成されていると批評家たちはいうが、海外の解説者、分析家そしてとくにアイルランドのメディアはアイルランドをヨーロッパの”ケルティック・タイガー”経済と呼び、EUのほとんどすべての経済分野をリードしているとみている」
このテーマを扱った経済書はもちろんたtくさんある。ここで別の種類の例をあげたのは「ケルティック・タイガー」という言葉がどれほど早くまた広い範囲で周知のものとして使われていたかをみるためである。
次のような解説も多くみられる。
10年の間にアイルランドは西ヨーロッパ最貧国の1つからもっとも繁栄する経済へと変貌し、優秀な人事の絶えざる流出が止まり知識産業社会になった。この成功をもたらしたのは、世界市場への経済開放、低率課税、そして教育への投資である。
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さらに、EU加盟国としての利点がある。加盟当初最貧国であったため、社会資本の充実、インフラ整備に多額の補助を受けた。また、ユーロを流通させているアイルランドにとって、EUは全体として1つの国内市場である。これはアイルランドを拠点とする外国企業にとっても同じであるから、EU以外の外国企業にとっては非常な利点になる。多国籍企業にとって法人税の低さはとくに魅力的である。法人税の高い国の同系統企業から佑仕入れてアイルランドで製造販売すれば、納める税ははるかに少なくなる。実際にそのような疑いをもたれる取引が行なわれているらしい。
最後に、皮肉なことだが、アイルランドは英語国であり、これが海外資本、とりわけ米国資本にとっては(日本企業にとっても)非常な利点になっている。

じじぃの「都市化社会・究極の進化は死を否定すること?ヒトはなぜゴキブリを嫌うのか」

Insect Home Pet: Madagascar Hissing Cocroach

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=HoEdH-QfFbA

Cocroach (ゴキブリ)

読書メーター ヒトはなぜ、ゴキブリを嫌うのか?~脳化社会の生き方~ (扶桑社新書)

感想・レビュー
所々が脳や神経の話で、うっとなってしまった。タイトルに惹かれて手に取ったものの、該当するのは1割にも満たないか。 とは言え、とても楽しく読めた。
タイトルにもある、やつが嫌われる背景には都市化と自然の相容れぬ関係性があることがわかった。確かに人間が管理するものの中にイレギュラーな存在があることは好まれないのだろう。ムダ毛の存在も同じような理由で忌み嫌われる存在であるというのも納得である。 そして、人はものである、という考えも非常に興味深い。なにをもってしてものでないかと問われれば、明確に答えられない。
https://bookmeter.com/books/13559931

『ヒトはなぜ、ゴキブリを嫌うのか?~脳化社会の生き方~』

養老孟司/著 扶養社 2019年発行

人間は、意識だけで生きているわけではない より

森を削っていく過程が中世から現代に至るヨーロッパの歴史であって、19世紀の終わりにはヨーロッパは森を削り終っています。ポーランドに森林性の野牛が最後に生き残っていましたのが19世紀末です。
そういう形で森を削っていくわけですが、森に住むヒトというのも当然いたわけであって、中世に森に住んでいた人たちは、これはグリム童話でもお読みになればすぐわかりますが、魔物です。つまりヘンデルとグレーテルの魔女は森に住んでいますし、赤ずきんのオオカミは人語を解する、人の言葉を話しますが、オオカミです。
森に住む人は都市に住む人とまったく違うルールで生きているわけであって、おとぎ話を書く、書き残す人たちはどちらかといえば都市の人ですから、したがって森に住む人たちはその人たちにとっては人ではない、何らかの意味で魔物でした。
ですから、そう考えますとこういうルールというのは世界じゅうどこでも同じ、歴史上どこでも同じように見えてまいります。
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先ほどゆとりとどういう関係があるかと申し上げたのですが、じつは都市化というのはそういう意味で徹底的に人間の意識が優先していく世界ですから、意識の中にないことはなくなっていく世界です。
ですからそこでゆとりがなくなってくるように見えるのは私からみれば当たり前です。なぜなら人間というのは意識だけでできているわけじゃない。いつか確実に何かの病気でお亡くなりになるわけであって、そうしますとですね、それ以前のことをいくら一生懸命考えてみても、いずれは死んじゃうよ、というところが抜けちゃっているわけです。そうするとそれはゆとりになりません。つまり基本的に私どもは意識の世界に住み着くというくせをつけてしまった。
そのほうが意識にとっては居心地がいいわけで、なぜならばそういう世界にはゴキブリがいないからです。ですから、あのゴキブリを追っかける執念というのは私は非常に興味があるのでいつも見ています。どうしてあんなか弱い生き物が気に入らないのかなあと思って見ていますが、しかしそれはやっぱり、その裏には非常に深い、何か根の深いものがあってですね、もしそういうものを容認すると、つまりゴキブリのような存在を容認いたしますと、私どもは自分たちがつくり上げてきた、いわゆる近代文明、高度先進社会というものを否定すること、根こそぎ否定するようなことにあると思っているんじゃないかという気がいたします。それはすなわちゴキブリが自然の象徴になっているということです。

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どうでもいい、じじぃの日記。
人間はなぜ、ゴキブリを嫌うのか?
哺乳類の寿命は心拍数で決まっていて、総心拍数は20~23億回との関係式がある。
ネズミの寿命は約4年(心拍数は毎分約600回)、ゾウの寿命は約70年(心拍数は毎分約40回)。
人間の寿命は、心拍数(毎分60~100回)から見ると30歳ぐらいだ。
今現在人間の寿命は80歳ぐらいだ。
人間の場合は、生活様式が都市化し、食べ物や医学が進歩したために寿命が延びた。
人間の進化を寿命で捉えると、だんだん「死」を遠ざけてきた歴史にも見える。
「それはすなわちゴキブリが自然の象徴になっているということです」
あの黒くテカったゴキブリが、「死」のようなものと捉えると、
「出てきたな。この~、ゴキブリ野郎め!」と、なるのだろうか。

じじぃの「科学・芸術_963_アイルランド・独立」

アイルランドを知るための70章』

海老島均、山下理恵子/編著 赤石書店 2004年発行

自由への戦い アイルランド独立戦争 より

アイルランドが独立へと動き出す契機となったのは、1912年にハーバート・アスキス自由党内閣が英国議会に提出した「第3次自治法案」であろう。このとき自由党は下院において271議席を有し、対する保守党および「リベラル・ユニオ二スト」は273議席と拮抗し、42議席労働党と84議席アイルランド国民党がキャスティング・ボードを握っていた。そのため、自由党内閣はアイルランド国民党が要求するアイルランド自治に取り組まざるをえなかったのである。
第3次自治法案は、1914年に下院を通過し、アイルランド自治議会が認められることになった。だが、その実施は第一次世界大戦の勃発によって延期された。このとき自治ではなく完全な独立をめざしたIRBアイルランド共和主義者同盟)は「義勇軍」(後のIRAアイルランド共和軍1919年頃からIRAと呼ばれるようになった)を利用し、1916年、「イースター蜂起」を決行した。この義勇軍の結成は、北アイルランド自治法案への徹底抗戦の動きに端を発している。
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IRAがゲリラ戦を展開する一方で、国民議会はアイルランド人が国家を運営できることを内外に示そうとした。1919年に開催された国民議会において、大統領に選出されたエイモン・デ=ヴァレラは、シン・フェイン党の指導者アーサー・グリフィスを内相兼大統領代理、IRAの支配権を握っていたマイケル・コリンズ財務省に任命した。「革命政府」が動きはじめたのである。革命政府の活動のなかでとくに注目を集めたのが「共和国裁判所」である。裁判所は土地問題をはじめとして、地域のさまざまな紛争を解決しようとした。だが、こうした革命政府の活動もゲリラ戦の激化によって休止に追い込まれていった。
英国世論はアイルランド独立戦争に関してしだいに英国政府に批判的な眼を向けるようになっていった。その契機となったのが、「ブラック・アンド・タンズ」や「補助部隊」という元英軍兵士によって構成された警察の特別部隊の活動である。IRAの軍事活動の激化によって、アイルランドの警官の辞職者が増加し、治安当局は警官の補充を迫られた。その補充として英国政府は、第一次世界大戦に従軍し退役した英軍兵士を特別部隊に組織したのである。彼らはIRAの軍事活動への報復としてIRAのメンバーが潜伏していると推測される地域の建物に放火し、商品の略奪を行い、英国や米国の世論を憤激させた。
また、英国政府内部においても、ゲリラ戦を戦うIRAを軍事的に制圧することが不可能であるという意見が影響力をもちはじめた。
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英国政府は1921年7月、革命政府の指導者と交渉をはじめ、同年12月、両者の間で条約(英愛条約)が調印された。この条約はアイルランドに新たなな問題を投げかけた。つまり、多くのアイルランドナショナリストが望んでいた「共和国」ではなく、「英連邦内の自治領」というステイタスをアイルランドに与えるというものだったからだ。コリンズらの条約賛成派は、自治領としての地位の獲得を共和国への「実質的な第一歩」だとみなした。これに対してデ=ヴァレラに代表される条約反対派は、あくまでも共和国の獲得に固執した。国民議会において白熱した議論の末、条約は僅差で批准され、1922年、アイルランド南部26カウンティは「アイルランド自由国」として英国から「独立」することになった。条約では北部アルスターの6カウンティを南部から分離することが盛り込まれていたが、この部分については当時それほど問題視されてはいなかった。
条約反対派は、賛成派(アイルランド自由政府)に武力攻撃をしかけ、ここに1年近くにわたって内戦が戦われた。自由国政府は英国政府からの武器援助を受けながら、戦いを有利に進め、最終的に勝利を収めた。アイルランドが英連邦を離脱し、現在の「アイルランド共和国」という政体になったのは、1949年のことだった。

じじぃの「汎用型AI(AGI)・そのうち好奇心を持ったロボットが出現する?世界の知性が日本人に教える」

Deep Learning Beyond Cats and Dogs | Nils Thuerey | TEDxTUM

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=0NDL0AgRK0c

Cat Or Dog ? Sure, you can easily tell the difference.

汎用人工知能(AGI) Artificial General Intelligence

AI用語事典
汎用人工知能(AGI)は、特化型AIに対し「人間と同様の感性や思考回路をもつ」人工知能のことを指す。弱いAI、強いAIという定義を提唱したアメリカの哲学者ジョン・サールが言うところの「強いAI」である。
AGI・・・人間と同じように感じ、考える力をもつ。例えば楽しくて笑う、悲しくて泣くなどの感情を理解することが可能で、それを模倣するだけでなく自分なりに思考した上で異なる行動をとることもできる。並みの人間以上の能力を持ちながら、人間の心に寄り添える人工知能なのである。映画やアニメに登場するロボットやアンドロイドなどが分かりやすい例だが、人の感情を理解できない、という設定の場合はこちらに当てはまらないと言われることも。
https://kakeruai.jp/glossary/artificial-general-intelligence/

文藝春秋』2020年2月号(新春特別号)

世界の知性が日本人に教える 2020年の「羅針盤」 AIは核兵器以上に厄介になる 【執筆者】マックス・テグマーク(MIT教授) より

世界中のAI(人工知能)研究者の多くは、数十年以内にあらゆるタスクや職業で人間の知能を超える「汎用型AI」(AGI)ができるだろうと予測しています。
Googlr傘下のDeepMind社が開発し、プロの囲碁棋士を初めて破ったAIである「アルファ碁」は日本の皆さんにお馴染みだと思いますが、あれは「囲碁」のみに用途が限定された「特化型」です。人間の知能のようにさまざまな場面で応用可能なAIがAGIです。
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テクノロジーの進歩というのは非常に斬新的でわかりにくいものです。ある日突然「オーマイガッ!」と叫んでしまうほど劇的に進歩することはありません。しかし、例えば日本語を英語に自動翻訳するソフトの性能を、5年前のものと比べると確実に今の方が良くなっています。そうやって日々ゆっくりと進歩していくのがテクノロジーの本質です。
そのテクノロジーの分野で、近年最大のブレイクスルーだったのが「AlphaZero」の開発です。AIが囲碁やチェスの世界王者に勝ったことが驚きだったのではありません。

画期的だったのは、このAIが人間の対局データを一切使わず、ゲームのルールを学んだ後は、AI内部で自己対戦を繰り返すだけで、学習し、強くなっていったことです。

つまり、今まで何十年もの間、AIが強くなるために様々なアルゴリズムを自分たちの手で開発してきたAI研究者のサポートが必要なくなったのです。囲碁やチェスなどの分野では、AIは自分たちだけでより最適なアルゴリズムを次々に発明できるようになった。この分野に限ればAIは人間を超えたと言えます。

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どうでもいい、じじぃの日記。
人間なら、ネコとイヌを間違えるということはないでしょう。
しかし、AIやロボットだとどうでしょうか。
人間は太陽系生命体のなかで、唯一好奇心を持った知的生命体です。
そのうち、AIやロボットも「うーん、マンダム」なんて言ったりするのだろうか。

じじぃの「科学・芸術_962_アイルランド・独立への流れ」

Home of Daniel O'Connell opens to the public

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=svQv8ff7Qg8

Daniel O'Connell

アイルランドを知るための70章』

海老島均、山下理恵子/編著 赤石書店 2004年発行

独立への流れ ユナイテッド・アイリュシュメンからフイーニアンへ より

ユナイテッド・アイリュシュメンの蜂起失敗以後、民族の指導者として登場したのが、カトリックの地主ダニエル・オコンネルである。オコンネルが最初にめざしたのは、カトリックの地位向上であり、彼は1823年に「カトリック協会」を設立した。そして1829年に「カトリック解放法」を英国議会で可決させ、カトリックに英国下院議員、閣僚、判事、陸海軍の将官への道を開いた。
オコンネルが次に組織した運動は、英国とアイルランド間の合同法を撤廃しようとする合同法撤廃運動であった。オコンネルはアイルランドが必要とする政策を英国議会から引き出すことは不可能と考え、合同法によって失った自治を取り戻そうとしたのである。だが、英国政府から譲歩を引き出すことができず、運動内で彼の影響力はしだいに弱まっていった。かわって運動の主導権を握ったのが、「青年アイルランド」であった。やがて大陸での革命や治安当局による弾圧などによって運動は急進化し、彼らは1848年7月に蜂起を決行した。蜂起は小規模な戦闘で終ったが、「1848年蜂起」としてユナイテッド・アイリュシュメンの蜂起とともに、アイルランドナショナリストの記憶に刻み込まれていく。
ここで19世紀半ばすなわち大飢饉以後のアイルランド民族運動の大きな変化を説明しておきたい。それは、米国にわたったアイルランド人すなわちアイルランドアメリカ人が、アイルランドの民族運動に重要な役割を果たすようになったということである。アイルランド人移民たちは大飢饉の強烈な記憶をもっており、それを容易に反英闘争へと転化していったのであう。また、米国において彼らの前にはWASPアングロ・サクソン系でプロテスタントの白人、通称ワスプ)による差別もあった。米国における自分たちの地位向上のためにも、母国アイルランドの独立を支援したのである。
アイルランドアメリカ人の支援を受けて1858年にダブリンで設立されたのが、IRBアイルランド共和主義者同盟)である。IRBは武力闘争にyって英国から独立し共和国(具体的にイメージされていたのが米国)を建設することをめざした。67年に蜂起を決行し、1916年の「イースター蜂起」や独立戦争では中心的役割を果たした。またIRBのメンバーは「フイーニアン」と呼ばれたが、この名称は、IRBを物的・人的に支援するために1859年にニューヨークで結成された「フイーニアン・ブラザーフッド」(以下FBと略記)に由来している。
IRBは資金不足に悩まされるとともに、警察の監視態勢のもと武器密輸などの蜂起準備を自由にすすめることができなかった。しかしFBは「アメリカ人将校たち」(南北戦争に従事した軍人)を蜂起指導者としてアイルランドに送り込み、IRBに67年3月に蜂起を決行させた。この蜂起は準備も不充分なまま決行され、さらに命令系統も混乱したためIRBは自滅していった、
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アイルランド独立運動についていえることは、合法的運動と武力闘争による運動の間を振り子のように揺れ動くことである。経済的・社会的状況に応じて、あるときには合法的運動が勢力を拡大し、あるときにはその逆が生じたのである。19世紀における合法的運動は、1782年に自治を獲得した義勇軍の運動を起源とし、オコンネルによる英国との合同撤廃運動そしてチャールズ・スチュワート・パーネルの自治運動となっていく。一方、武力闘争によって独立を獲得しようとする運動は「ユナイテッド・アイリュシュメン」から「フイーニアン」に至るのである。